2018.07.05
平成30年版 将棋年鑑2018 巻頭特集 インタビュー「記録部門独占! 藤井聡太の1年」
「平成30年版 将棋年鑑2018」の巻頭特集から、藤井聡太七段インタビュー「記録部門独占! 藤井聡太の1年」の一部をご覧ください。
平成30年版 将棋年鑑 2018の巻頭特集は、
(1)羽生善治 永世七冠への軌跡
(2)記録部門独占!藤井聡太の1年
(3)新しい波 菅井王位、中村王座インタビュー
(4)糸谷・斎藤が振り返る、全タイトル戦
(5)特別講座 1年間の流行戦法総まとめ
の豪華5本立て。
中でも楽しみにしているファンの方が最も多いと思われる
(2)記録部門独占!藤井聡太の1年 は、「記録四冠を振り返って」
「藤井七段が見た全タイトル戦」
「これからの藤井聡太」
の3部構成で、活躍目覚ましい藤井七段がインタビューに答えます。
本ページでは「これからの藤井聡太」の一部分、藤井七段が「局面評価」について語った部分をご覧いただきます。
※ウェブ掲載用に内容を一部変更して掲載しております。
─「局面評価の正確さ」について、もう少し掘り下げて聞かせてください。その正確さを上げる作業というのはソフトが出した評価値に解釈を与えて、未知の局面に出会ったときにソフトの評価値に近い数値を自らも出せるようにする、という理解であっていますか?
藤井「うーん。ソフトが評価値を算出する際に明確な基準があるわけではないので、ソフトの評価値を正として評価すべきなのかは分からないですが、評価する際になんらかの理由を付けて評価するという点ではその通りです」
─2つの局面を比較したときにこっちの方がいい、という判断がなんらかの自分の中の解釈から導き出せるようにしたい、という感じでしょうか。
藤井「そうですね。ソフトに局面を解析させたとして、この局面はこういう評価値なんだ、じゃあそれがなんでなのか、その中で共通するところを」
─抽出して
藤井「できるかな、というところですね」
─現在のソフトは3駒関係(※注・玉を含む3つの駒の位置関係によって、局面を評価する手法)など人間の計算能力を超えたところで評価値を算出していますね。
藤井「そうですね」
─となると、ソフトの評価関数を解釈して内蔵させるというのは非常に困難な課題のように見えます。
藤井「そうですね、はい」
─いわゆるディープラーニングのブラックボックス問題、つまりディープラーニングは答えだけが与えられて
藤井「なぜそうなるのかは分からない」
─そうです。藤井先生の取り組みというのはその問題に立ち向かっているように見えるわけですが、ソフトの評価関数に解釈を与えるとは具体的にどういう作業をしているのですか。
藤井「それはすごく難しい問題です。人間から見たときに、なぜコンピュータの3駒関係による評価値が正確、というか少なくとも正確に見える値を出せるのかは非常に不思議で、もちろん人間の脳で3駒関係を展開することは不可能なので、実際に出してくる評価値と読み筋を使って、そこからどういう風に考えるか、ということですけど。
ソフト自身がなんらかの明確な理由をつけて局面評価をしているわけではないので、結局人間がそれを解釈することになって、その時点で人間が勝手にやっているものにはなってしまうんですけど。ただそうですね、それでもやっぱりある程度共通する特性っていうのは導き出せるはずではあると」
─はずではありますね。
藤井「はい。はずではあるんです。具体的にどうやるのかというのは私も正確には分からないですが、3駒関係の学習の過程で何か、この局面はこうだから良い、というのは絶対あるはずなんです」
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藤井聡太七段インタビュー「記録部門独占!藤井聡太の1年」の全文は、平成30年版 将棋年鑑 2018でお読みいただけます。
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