2018.02.08
新刊案内【購入特典付き】大山VS中原全局集
十五世名人VS十六世名人!全局集シリーズ第4弾は永世名人対決です。大山―中原の162局をすべて収録しています!【購入特典あり】
皆様こんにちは。将棋情報局です。
本日、大作の予約が開始となりました。
こちらです。
一時代を築いた大山康晴と、それを崩し新たな時代を築いた中原誠。
25年間にわたって繰り広げられた激闘の歴史、全162局が収録されております。
購入特典もあります。
マイナビBOOKS、または将棋情報局にて本書の書籍版または電子版をご購入いただくと、マイページから「全対局の棋譜データ」がダウンロードできるようになります。
ぜひご予約ください。
☆
さて、「大山―中原」の対局で指されたいちばん有名な手は何でしょう。
一番かどうかはわかりませんが、これは候補に入るでしょうね。
昭和47年に行われた第31期名人戦七番勝負第2局で現れた・・・
大山の△8一玉!
ご存じの方も多いかと思います。
全局収録の本書にはもちろん、大山名人伝説の△8一玉が指された1局も収録されております。
しかもこの1局は、大山名人自ら筆を取った「自戦記」でお読みいただけます!
突然ですがここで質問! 皆様どうか正直にお願いします。
「△8一玉という手自体は知っているけど、実は手の意味や前後の指し手は知らないという人、手を上げて!」
・・・
・・・・
「は、は~~い・・・」(←か細い返事とともに小さく手を上げる筆者)
すいません。私、知りませんでした。
あースッキリ! 正直に白状したところで、大山自戦記の抜粋を掲載いたします。一緒に勉強しましょう!
※以下は書籍内容の複写ではなく、ウェブ掲載用に内容を編集し、構成しています。
◇意表を突いた△8一玉
第1図からの指し手
△8一玉(第2図)
(▲7三飛に対し)私が△8二玉でも△6二玉でも▲7四桂で中原さんの勝ち。しかし、私には△8一玉(第2図)と逃げる好手があった。
「他の手は皆悪い。とすればこれ以外にない」と前から読んでおいた手で、一種の消去法ともいえるが、これが「下段の玉は寄せやすい」という先入観があって、中原さんの意表を突いた。
次の一手が難しい。▲9三桂成と角を取るか、▲8三飛成と王手を掛けるか。
第2図以下の指し手
▲8三飛成 △8二歩 ▲7三桂不成△7一玉
▲6一桂成 △同 銀 ▲7二歩 △同 銀
▲5三竜 △6一銀打 ▲7四桂 △6九と
(第3図)
◇寄らない玉
中原さんは▲8三飛成を選んだ。ここで目に付く攻めは▲9三桂成だが、△同香▲7四桂(A図)のあと3通りの変化がある。
①△8二銀なら▲同桂成△同玉▲7四銀△7二銀▲6四角△同金▲同銀で、これは中原さんの勝ち。 ②△9一銀なら▲8三飛成△8二歩▲9二角△7一玉▲9三竜△6九と▲7五香△6八と▲同金で、これも中原さんの勝ち。
ところが③△7一銀の受けがある。▲8三飛成なら△8二歩▲9二角△9一玉▲9三竜のとき△7五角(B図)と打ち、以下(1)▲8三角成△9三角▲同馬△9二銀で中原さんの手負け。(2)▲8四香も考えられるが△同角▲同竜△9二玉▲9五歩△8三香で、中原さんがいけない。
局後に中原さんが「△8一玉と引かれて、寄らないので驚いた」と言ったのが印象に残っているが、私が△8二歩と受けた形は〝寄らない玉?になっている。
中原さんは▲7三桂不成以下最善を尽くしたが、私に△6九との攻めが回ってはもういけない。私の玉は▲6二金と打たれても△8一玉で詰まないのである。
☆
第1図ではあんなに危ないように見えた玉が、第3図では角、銀、銀、歩のお城に収まってしまいました!
受けの達人・大山の奥義、いかがでしたでしょうか。
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