2018.02.05
新刊案内【増補改訂版】将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編
皆様こんにちは。将棋情報局です。
本日、書籍編集部に人気シリーズ「序盤完全ガイド」の最新刊、『【増補改訂版】将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編』の見本が届きました。
まずは著者・上野裕和五段による「はじめに」(抜粋)をお読みください。
本書をお手にとっていただき、ありがとうございます。
「序盤戦術の基本と全体像が一冊で分かる!」がコンセプトの、将棋・序盤完全ガイドシリーズ。
本書は、その1作目である、平成24(2012)年に出版した「振飛車編」に、平成29(2017)年夏までの定跡の進化を加えた「振り飛車編 増補改訂版」です。
増補改訂版と言っても、ほぼ全ページに細かな手直しを加えましたので、実質的にこれがシリーズ4作目になります。
この5年間で、振り飛車対居飛車定跡は大きく変化しました。
こうした進化に対応するととともに、
「角道を止める従来の振り飛車も解説してほしい」という御要望にもお応えし、
「ほぼ角交換系の新しい振り飛車のみ」を解説した前書に比べ、
「振り飛車対居飛車の全体を網羅する作り」に改訂しました。
振り飛車編を初めて読む方はもちろん、前書を読んでいただいた方にも、十分に楽しめる内容だと自負しております。
改めて、本書を読んでいただきたいのはこんな方々です。
①本当はプロの指し手の意味を理解したいけれど、難しいので、
おやつや棋士の写真など、指し手以外の部分で将棋を楽しんでいる。
②振り飛車対居飛車の序盤戦術の基本と全体像を大まかに理解したい。
③この5年間の振り飛車対居飛車の定跡の進化を知りたい。
④戦法の歴史を知り、現在の流行形が指されている理由を知りたい。
将棋を観るファン、指すファン、両方の皆さんに楽しんでもらえたら嬉しいです。
上野五段が「本書を読んでいただきたいのはこんな方々」と挙げた4パターンのうち、1は「観るファン」に、2から3は「指すファン」の「初心者」「初級者」「中級者」、3から4は「上級者」「有段者」にあてたメッセージでしょうか。
つまり、「観る将」の方も、また実力不問で「指す将」の方も、つまり将棋ファンならどなたでも楽しめる、そんな書籍となっているようです。
このシリーズで定番となっている「駒の動きや利きを盤面に矢印を使って表す」手法も健在(下画像)。わかりにくい棋書、局面図を少しでもわかりやすく見ていただく工夫で、広い範囲の将棋ファンをカバーしています。
☆
ところで、2/3~2/4に行われた久保利明王将―豊島将之八段の王将戦七番勝負第3局、ご覧になられたでしょうか。豊島挑戦者の駒損いとわぬ攻撃をひらりとかわした久保王将が素早い反撃を決め、シリーズ2勝目を挙げました!
対局の出だし(3手目まで)は、このように進みました。
はて、▲1六歩ですか・・・
さて、この3手目の意味は何なのでしょうか。
「最初からこんな端っこの歩を突いていいのかな?」 と思った方、大丈夫です。正常な感覚です。多分そう思った方が「観る将」「指す将」問わず全国にたくさんいます。
だって、▲1六歩ですよ。
「指す将」目線で言えば、振り飛車にしたければ▲6六歩とか▲7五歩とか、もっと有効そうな手がいろいろあるじゃないですか! ですし、「観る将」目線で言えば、将棋はわからないけれど、なんかこう、もっと戦いに関係のありそうな駒を動かしたほうがいいんじゃないかな、と。
そこへ来て端っこの歩ですよ。
「挑戦者が後手なのはちょっとかわいそうだと思って、1手だけサービスした!」
「▲2六歩としようとして、よそ見して指したら手が1列右にいっちゃった!」
「2日制だけど、明日ゴルフしたいな、じゃあ1日で終わらせちゃおう! と思った!」
そんな勘ぐりさえ生じそうな手だと思いませんか?
違います!
違うことが、この本を読めばわかるようになります!
実はこの▲1六歩、この書籍にちゃんと意味が書いてあるのです。
そのページがこちら。
上野五段の解説によれば・・・
3手目▲6六歩だと、相振り飛車になった場合に相手(後手)だけに角筋を通されたまま駒組みをされてしまう可能性があり、やや不満ということです。
※第19図も、このシリーズの特長である矢印が大活躍! 3二飛の動きが太矢印で、お互いの角の利きが点線で示されていて、目にもわかりやすい!
それを嫌った一着が▲1六歩と。
なるほど。プロの序盤はとても細かいですね。2/3に指された久保王将の3手目は手を抜いたわけではなく、むしろ超本気の一着だったのでした。※当たり前ですが・・・
☆
ちょっとマニアックな局面の紹介となってしまいましたが、「完全ガイド」ですから、振り飛車戦法のあらゆる形を網羅していますのでご安心を!
また、「定跡以前」である、「序盤の基礎知識」、「歴史を振り返る」なども大変充実しています。
その証拠に、最後に章立てをご紹介します(画像)。
これを知っていれば将棋観戦がもっと楽しくなりそう! または、この戦型はぜひ読んでみたい! と思う章がいくつも見つかるのではないでしょうか。
自信を持って、「将棋ファン必携の一冊」と言える書籍です。
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