2018.01.29
新刊案内「徹底解明!横歩取りの最重要テーマ」 ~勇気流▲6八玉の基本~
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
こんにちは。今日も元気に新刊案内いきます。
今回紹介いたしますのは2月26日発売の八代先生の新刊「徹底解明!横歩取りの最重要テーマ」です。
デビュー当時からその実力を買われていた八代弥(やしろ・わたる)先生。2017年2月、全棋士参加棋戦である朝日杯将棋オープン戦で見事優勝されました。
そしてその原動力となったのが何を隠そう「横歩取り戦法」です。
本書は、八代先生が自らの得意戦法である横歩取りについて、その研究を惜しみなく披露したものです。現代横歩取りの重要テーマを9個挙げて、そこからの手順を詳しく解説しています。
テーマは次のとおりです。
どーですか。まさに横歩取りファン垂涎のラインナップ。
最先端をすべて網羅した内容となっています。
すべて気になるところではございますが、今日はテーマ9の「勇気流▲6八玉」を紹介してみたいと思います。
まず、「そもそも勇気流▲6八玉って何?」って話ですが、これです。
横歩取りで普通▲3六飛と引くところで、▲6八玉と上がる手を勇気流と呼びます。
ちなみにテーマ8の青野流はこうです。
青野流は▲5八玉、勇気流は▲6八玉ということですね。
勇気流の▲6八玉を見てまず思うのは「角交換して△2七角と打たれたらどうすんねん」、ってことです。
つまり、テーマ図から△8八角成▲同銀△2七角。
▲5八玉なら金にひもが付いてるから良かったのに、▲6八玉なんて上がっちゃったもんだから、ほ~ら言わんこっちゃない。と、思いますよね。
以下▲3八銀△4五角成で味よく馬を作られてしまいます。早くも瀕死、1RでKOかと思いきや、そこで▲2四飛が用意の切り返しです。
よく見るとこの局面、▲2一飛成と▲7七角の両狙いになってます。△2三歩も▲2五飛△3四馬▲6五飛(下図)で、やっぱり▲6三飛成と▲7七角の両狙いが受かりません。うまく出来てます。
・・・ん?
でも待ってください。△2三歩と受けるところで△2二歩と打てば両方受かるんとちゃう?
あれ?やっぱりKO?と思うじゃないですか。でも安心してください。
これに対して先手は・・・・・・・・・・・。
申し訳ございません。ここから先は門外不出の究極奥義でした。書籍でご確認ください。
さて、今回なぜ勇気流を紹介したかというと、私がこの本で初めて勇気流とは何かを知ったからです(ごく個人的な理由)。
そもそもなんのために▲6八玉と上がらなきゃならんのかすら知りませんでした。
もちろん勇気流自体はとても有名で名前は知っているのですが、その中身はチンプンカンプン。実は、そういう方って結構多いんじゃないでしょうか。いや、きっと多いはず(信じる心)。
おかげさまで私は本書でその意味の一端が分かりました。と、いうことで「勇気流の意味、はじめてわかった記念」で紹介したいと思います。
次の図を見てください。
勇気流の一変化で、後手も横歩を取ってくる激しい手順です。
ここで先手は▲3七桂として、桂を攻撃に参加させます。
実は青野流にもこれと似たような変化があるのですが、青野流だとこうなります。
もしここで、さっきと同じように▲3七桂と跳ねると、△8八角成で「終了形」になります。
未然、連用、終始、連体、仮定、終了です。
と、いうわけで青野流では△7六飛に対して▲7七角や▲7七桂と一手守りの手を指す必要があります。
それに比べて勇気流では▲3七桂と攻めの手を指すことができるのです。そう、これが▲6八玉の意味(の一つ)なのです。
なるほど味の差、猫まっしぐらです。
もちろん、▲6八玉は7、8筋で戦いになったときに戦場に近い、というデメリットがあります。しかし裏を返せば玉自らが受けに利いているともいえます。
ドラゴンクエストⅢ、伝説の武器の一つである「両刃の剣」と同じで、使いこなすにはかなりの経験値が必要となります(うまい!)。
横歩取りを主戦場としている有段者の方は本書を熟読した上で、実戦で試していけば、この最強の武器を手に入れることができるでしょう。何より、実戦でそっと▲6八玉を指すカッコよさがすごいです。
と、いうわけで勇気流も載っている新刊「徹底解明!横歩取りの最重要テーマ」は現在予約受付中です!
マイナビ出版のサイトで購入していただくと、もれなく解説手順の棋譜データがついてきます。
この機会にぜひお求めください。
どうぞ宜しくお願いいたします。
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
今回紹介いたしますのは2月26日発売の八代先生の新刊「徹底解明!横歩取りの最重要テーマ」です。
デビュー当時からその実力を買われていた八代弥(やしろ・わたる)先生。2017年2月、全棋士参加棋戦である朝日杯将棋オープン戦で見事優勝されました。
そしてその原動力となったのが何を隠そう「横歩取り戦法」です。
本書は、八代先生が自らの得意戦法である横歩取りについて、その研究を惜しみなく披露したものです。現代横歩取りの重要テーマを9個挙げて、そこからの手順を詳しく解説しています。
テーマは次のとおりです。
(1)△2四飛ぶつけ作戦
(2)△1四歩~△1五歩
(3)△9四歩~△9五歩
(4)△7四歩~△7三桂
(5)▲3八銀型中住まい
(6)先手▲6八玉型
(7)△8五飛型
(8)青野流
(9)勇気流▲6八玉
(2)△1四歩~△1五歩
(3)△9四歩~△9五歩
(4)△7四歩~△7三桂
(5)▲3八銀型中住まい
(6)先手▲6八玉型
(7)△8五飛型
(8)青野流
(9)勇気流▲6八玉
どーですか。まさに横歩取りファン垂涎のラインナップ。
最先端をすべて網羅した内容となっています。
すべて気になるところではございますが、今日はテーマ9の「勇気流▲6八玉」を紹介してみたいと思います。
まず、「そもそも勇気流▲6八玉って何?」って話ですが、これです。
横歩取りで普通▲3六飛と引くところで、▲6八玉と上がる手を勇気流と呼びます。
ちなみにテーマ8の青野流はこうです。
青野流は▲5八玉、勇気流は▲6八玉ということですね。
勇気流の▲6八玉を見てまず思うのは「角交換して△2七角と打たれたらどうすんねん」、ってことです。
つまり、テーマ図から△8八角成▲同銀△2七角。
▲5八玉なら金にひもが付いてるから良かったのに、▲6八玉なんて上がっちゃったもんだから、ほ~ら言わんこっちゃない。と、思いますよね。
以下▲3八銀△4五角成で味よく馬を作られてしまいます。早くも瀕死、1RでKOかと思いきや、そこで▲2四飛が用意の切り返しです。
よく見るとこの局面、▲2一飛成と▲7七角の両狙いになってます。△2三歩も▲2五飛△3四馬▲6五飛(下図)で、やっぱり▲6三飛成と▲7七角の両狙いが受かりません。うまく出来てます。
・・・ん?
でも待ってください。△2三歩と受けるところで△2二歩と打てば両方受かるんとちゃう?
あれ?やっぱりKO?と思うじゃないですか。でも安心してください。
これに対して先手は・・・・・・・・・・・。
申し訳ございません。ここから先は門外不出の究極奥義でした。書籍でご確認ください。
さて、今回なぜ勇気流を紹介したかというと、私がこの本で初めて勇気流とは何かを知ったからです(ごく個人的な理由)。
そもそもなんのために▲6八玉と上がらなきゃならんのかすら知りませんでした。
もちろん勇気流自体はとても有名で名前は知っているのですが、その中身はチンプンカンプン。実は、そういう方って結構多いんじゃないでしょうか。いや、きっと多いはず(信じる心)。
おかげさまで私は本書でその意味の一端が分かりました。と、いうことで「勇気流の意味、はじめてわかった記念」で紹介したいと思います。
次の図を見てください。
勇気流の一変化で、後手も横歩を取ってくる激しい手順です。
ここで先手は▲3七桂として、桂を攻撃に参加させます。
実は青野流にもこれと似たような変化があるのですが、青野流だとこうなります。
もしここで、さっきと同じように▲3七桂と跳ねると、△8八角成で「終了形」になります。
未然、連用、終始、連体、仮定、終了です。
と、いうわけで青野流では△7六飛に対して▲7七角や▲7七桂と一手守りの手を指す必要があります。
それに比べて勇気流では▲3七桂と攻めの手を指すことができるのです。そう、これが▲6八玉の意味(の一つ)なのです。
なるほど味の差、猫まっしぐらです。
もちろん、▲6八玉は7、8筋で戦いになったときに戦場に近い、というデメリットがあります。しかし裏を返せば玉自らが受けに利いているともいえます。
ドラゴンクエストⅢ、伝説の武器の一つである「両刃の剣」と同じで、使いこなすにはかなりの経験値が必要となります(うまい!)。
横歩取りを主戦場としている有段者の方は本書を熟読した上で、実戦で試していけば、この最強の武器を手に入れることができるでしょう。何より、実戦でそっと▲6八玉を指すカッコよさがすごいです。
と、いうわけで勇気流も載っている新刊「徹底解明!横歩取りの最重要テーマ」は現在予約受付中です!
マイナビ出版のサイトで購入していただくと、もれなく解説手順の棋譜データがついてきます。
この機会にぜひお求めください。
どうぞ宜しくお願いいたします。
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