2017.12.12
永瀬拓矢七段直伝!「負けない将棋」の極意とは?
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私は、勝つという目的を達成するには、むしろ、「不敗の態勢」を築くことが大切だと思う。(大山康晴著「勝負のこころ」PHP研究所)
今回は、永瀬拓矢七段の新刊「全戦型対応版 永瀬流負けない将棋」を紹介いたします。

本書は永瀬先生の実戦譜を題材として、「負けない将棋」の考え方を伝授するものです。前著「永瀬流負けない将棋」からさらにパワーアップして、居飛車も含めて全ての戦型を扱っています。
聞き手との会話形式で、イラストもたくさん入っているので、高度な内容ながら楽しくよむことができます。また、随所に永瀬先生独特の将棋観を垣間見ることができます。
今回、私的に特に勉強になった部分をご紹介いたします。
題材となるのは第29期竜王戦3組の中村太地六段(現・王座)との一局、その終盤戦です。
まずは、こちらの図を見てください。

局面から激戦の跡が見て取れます。
いま▲3九香に対して△3三歩と受けたところですが、この図で皆さんの第一感は何でしょうか?
(1)▲3四歩が見えた方、安心してください。私と同じです。
相手の歩切れを突く(2)▲2八香も厳しそうな手です。
しかし、△4五角や△8九角と打たれると、次の△7八角成~△7六金が想像以上に厳しいのです。
では、実戦で永瀬先生が指したこの局面での「負けない一手」はなんでしょうか?
そうです。それは▲6七銀!! です。

自玉の頭に持ち駒を打つ、俗に「ヘルメット」と呼ばれる手です。確かに、これで先手玉への寄りつきが急に見えなくなったような気がします。
私のような人間だと、こういう茫洋とした局面では、相手から何をされるかよくわからない上に、読むのが面倒(この辺がダメ)なのでついパッと見える攻めの手を指してしまいます。
でも強い人はきちんと相手の攻め筋を考えるんですね。この辺りに永瀬先生と私の棋力、並びに忍耐力、ひいては人間力の差を感じます。
さて、ではこの永瀬先生の▲6七銀に対して中村先生の指し手は何だったんでしょうか?
ええ、そうですそうです。
中村先生の指し手は△2三金です!!

まさかの「相ヘルメット」!
「目には目を、歯には歯を、ヘルメットにはヘルメットを」(『ハンムラビ法典』より)
「あんた、やるやないの。せやけど、うちかて負けへんで!」という中村先生の心の声が聞こえてくるようです(そんなこと言わない)。
「負けない将棋」VS「負けない将棋」の様相を呈してきた本局。△2三金以下の手順はこうです。
▲4五香△5五金▲4二香成△同銀▲2五歩△4五角▲5六歩△同金▲同銀△同角。

▲4五香で銀を一枚はがしてからの▲2五歩が好手順。△同歩なら▲3五銀です。後手も狙いの△4五角から遊び気味だった金を活用して来ましたが・・・。
さて、上の図で永瀬先生がどう指したか、ここまで読んできた皆さんなら、もうお分かりでしょう。
そうです!▲6七銀!!です。

まさかまさかの「再ヘルメット」!!
俗に言う、絶対に負けませんという手で「不敗の態勢」となりました。
デビュー当時「大山康晴の再来」と呼ばれた永瀬先生の真骨頂といえましょう。
将棋って、こうやって勝つものなんですね。
「ヘルメット」って、知識としては知っていますが、実戦で指したことはほとんどない気がします。これからは少しだけ意識して生きてみよう、そう思った2017年の冬でした。
本書にはこの対局の総譜も掲載していますから、ぜひ盤を使って並べてみていただければ幸いです。
もちろん、この2発の「ヘルメット」を指すときは「永瀬ぐんそーーー!!」と叫ぶことをお忘れなく。
永瀬先生も本書のコラムで「もし負けない将棋を目指すのであれば、詰将棋をやるよりも、この本の棋譜を並べ、実戦を積み重ねることをお勧めします。見える景色が違ってくるはずです」と書かれています。
本書でワンランク上の将棋の世界を体感してください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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本書は永瀬先生の実戦譜を題材として、「負けない将棋」の考え方を伝授するものです。前著「永瀬流負けない将棋」からさらにパワーアップして、居飛車も含めて全ての戦型を扱っています。
聞き手との会話形式で、イラストもたくさん入っているので、高度な内容ながら楽しくよむことができます。また、随所に永瀬先生独特の将棋観を垣間見ることができます。
今回、私的に特に勉強になった部分をご紹介いたします。
題材となるのは第29期竜王戦3組の中村太地六段(現・王座)との一局、その終盤戦です。
まずは、こちらの図を見てください。

局面から激戦の跡が見て取れます。
いま▲3九香に対して△3三歩と受けたところですが、この図で皆さんの第一感は何でしょうか?
(1)▲3四歩が見えた方、安心してください。私と同じです。
相手の歩切れを突く(2)▲2八香も厳しそうな手です。
しかし、△4五角や△8九角と打たれると、次の△7八角成~△7六金が想像以上に厳しいのです。
では、実戦で永瀬先生が指したこの局面での「負けない一手」はなんでしょうか?
そうです。それは▲6七銀!! です。

自玉の頭に持ち駒を打つ、俗に「ヘルメット」と呼ばれる手です。確かに、これで先手玉への寄りつきが急に見えなくなったような気がします。
私のような人間だと、こういう茫洋とした局面では、相手から何をされるかよくわからない上に、読むのが面倒(この辺がダメ)なのでついパッと見える攻めの手を指してしまいます。
でも強い人はきちんと相手の攻め筋を考えるんですね。この辺りに永瀬先生と私の棋力、並びに忍耐力、ひいては人間力の差を感じます。
さて、ではこの永瀬先生の▲6七銀に対して中村先生の指し手は何だったんでしょうか?
ええ、そうですそうです。
中村先生の指し手は△2三金です!!

まさかの「相ヘルメット」!
「目には目を、歯には歯を、ヘルメットにはヘルメットを」(『ハンムラビ法典』より)
「あんた、やるやないの。せやけど、うちかて負けへんで!」という中村先生の心の声が聞こえてくるようです(そんなこと言わない)。
「負けない将棋」VS「負けない将棋」の様相を呈してきた本局。△2三金以下の手順はこうです。
▲4五香△5五金▲4二香成△同銀▲2五歩△4五角▲5六歩△同金▲同銀△同角。

▲4五香で銀を一枚はがしてからの▲2五歩が好手順。△同歩なら▲3五銀です。後手も狙いの△4五角から遊び気味だった金を活用して来ましたが・・・。
さて、上の図で永瀬先生がどう指したか、ここまで読んできた皆さんなら、もうお分かりでしょう。
そうです!▲6七銀!!です。

まさかまさかの「再ヘルメット」!!
俗に言う、絶対に負けませんという手で「不敗の態勢」となりました。
デビュー当時「大山康晴の再来」と呼ばれた永瀬先生の真骨頂といえましょう。
将棋って、こうやって勝つものなんですね。
「ヘルメット」って、知識としては知っていますが、実戦で指したことはほとんどない気がします。これからは少しだけ意識して生きてみよう、そう思った2017年の冬でした。
本書にはこの対局の総譜も掲載していますから、ぜひ盤を使って並べてみていただければ幸いです。
もちろん、この2発の「ヘルメット」を指すときは「永瀬ぐんそーーー!!」と叫ぶことをお忘れなく。
永瀬先生も本書のコラムで「もし負けない将棋を目指すのであれば、詰将棋をやるよりも、この本の棋譜を並べ、実戦を積み重ねることをお勧めします。見える景色が違ってくるはずです」と書かれています。
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