2017.11.27
『感謝』 菅井竜也 四段昇段の記~将棋世界2010年5月号より
将棋世界バックナンバーから厳選した記事を掲載する当コーナー。第1回は菅井竜也王位の初々しい四段昇段記をお送りします。
『感謝』
初めまして。
4月1日付で四段になる菅井竜也です。
小学6年のとき奨励会に入って6年が過ぎた。初段までは順調に上がっていくことができたが、勢いだけで上がったところもあり、初段で1年以上足踏みをしてしまった。1度は降段直前まで負けたことがあった。
そのときの自分は「絶対に勝たなければいけない」という気持ちでいっぱいで将棋に集中できていなかった。そんなとき、地元の方によく「落ちても大丈夫だよ、強くなれば、また上がれるから」と声を掛けていただき、気持ちが楽になった。
それからすぐに、昇段することができ、三段リーグにも入ることができた。
だが、三段リーグはいままでより明らかに厳しかった。1期目は11勝7敗と不本意な成績で終わった。
2期目は最終日を迎えた時点で自力だったが、2連敗で昇段できず、本当に悔しかった。
3期目はよい内容の将棋が多かったが、次点に終わった。
そして今季、同期の人達も次々に昇段していったこともあり、「必ず昇段してやる」という強い気持ちで戦った。
図は今期いちばん印象に残った7回戦の斎藤(※慎太郎現七段)戦の終盤、図から△5三飛▲同桂不成△7七歩と進み、勝利することができた。この1局に勝ち、勢いに乗れたと思っている。
昇段できたことはうれしいが、4月からはいままで以上に厳しい勝負が待っているのでそれに向けて、自分にできる限り勉強したいと思っている。
最後になりましたが、いつも心配や応援をしていただいた地元の方々、本当に感謝しております。これからも応援していただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします。
~記事内プロフィール~
四段 菅井竜也
平成4年4月17日生まれの17歳。岡山県出身。平成16年9月、井上慶太八段(※当時)門下で奨励会入会。得意戦法は振り飛車。
☆日本将棋連盟HP内
第46回奨励会三段リーグ戦 2009年10月~2010年3月