第3回トライボーディアン開催報告 ~佐谷さん、総合力の勝利~|将棋情報局

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第3回トライボーディアン開催報告 ~佐谷さん、総合力の勝利~

第3回グロービス・トライボーディアン日本選手権の開催報告と感想です

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 こんにちは、編集部島田です。

将棋、囲碁、リバーシのボードゲーム3種の総合力を競う第3回グロービス・トライボーディアン日本選手権が11月4日(土)、「新宿ミライナタワー 12F-A」にて開催されました。

参加していただいた選手の皆様、ご協賛いただいたグロービス様、ご協力いただいた日本将棋連盟様、日本棋院様、棚瀬寧様、誠にありがとうございました。

今回は過去最高の106名が参加し、プロ棋士も将棋の星野良生四段、囲碁の安斎伸彰七段、山田晋次六段、芝野龍之介初段にご参加いただきました。
名人戦クラス、初級クラスの2クラスに分かれ熱戦が繰り広げられました。



対局には無料アプリ「クエストシリーズ」を使用


アプリ開発者の棚瀬さんも選手として参加


第1回、第2回優勝者同士の激突!


長丁場を戦い抜き、上位に入賞されたのは以下の方々です。


【名人戦クラス】
優勝者に3万円の商品券他、上位20名入賞者に総額10万円分の商品券

1位    佐谷哲
2位    栗生直樹
3位    安斎伸彰
4位    田中智
5位    菊沢正仁
6位    阿部由羅
7位    石川輝
8位    長見武
9位    森木健三
10位    脇田賢吾
11位    西川恭平
12位    葛山拓生
13位    流田祥吾
14位    森菜都未
15位    山川高志
16位    戸川賢太郎
17位    坂井徹
18位    西村理志
19位    長島和人
20位    芝野龍之介



名人戦クラス上位入賞者の皆さん
前列右から2番目が優勝の佐谷さん


佐谷さんの優勝スピーチ


【初級クラス】
上位入賞者に将棋・囲碁の書籍

1位    上杉諒平
2位    會田翔
3位    屋代裕介
4位    平林陽一
5位    黒澤一真
6位    寺脇貴弘
7位    鈴木辰之心
8位    進藤恵佑
9位    渡邊俊太
10位    板山裕樹



初級クラス上位入賞者の皆さんと渡部女流初段
左から2番目が優勝の上杉さん


初級クラスは大会終了後に渡部女流初段による
「歩の手筋」講座がありました


当日私は名人戦クラスの進行役をやらせていただきましたが、誰が優勝するのかわからない展開は観ていてドキドキしましたし、楽しかったです。

まず、初出場の安斎七段と菊沢さんの強さに驚きました。安斎七段は囲碁はもちろん強いですがリバーシも強く、オセロの大会に参加されたりしているとのことでした。ゲームセンスがえげつないです。菊沢さんも最後まで優勝争いに絡む活躍で、まだ在野にこんなすごい猛者がいるのかと驚嘆しました。

後半戦に入ってトップ争いの先頭に立ったのが第1回大会優勝者の栗生さん。表彰式でのコメントでもおっしゃっていましたが「今大会のために並々ならぬ努力をしてきた」とのこと。第2回で結果を出せなかったとき、必ず帰ってくると言っていた栗生さん、まさに有言実行。はたから見ても対局に望む姿勢が明らかに違っていました。


全6回戦のうち5回戦を終えて優勝争いは以下の状況に。

1位 栗生さん 11.5勝
2位 菊沢さん 11勝
3位 佐谷さん 11勝
4位 高山さん 10.5勝


最終第6局は、栗生さんVS菊沢さん、佐谷さんVS高山さんに。ここでドラマが待っていました。

先に終わったのは栗生さんVS菊沢さん、結果は栗生さんの2勝1敗。

正直に言って、この結果を見たとき「栗生さん、おめでとう、やりましたね」と心の中で拍手しましたよ。単独トップだった人が勝ち越したんですから普通は優勝です。

しかししかし!!

なんと佐谷さんが第2回大会優勝の高山さんを相手にまさかの3連勝!!
佐谷さん14勝、栗生さん13.5勝となり、大逆転優勝となったのです。

いや~、これにはさすがの私も興奮しました。まさに劇的な幕切れ。
佐谷さん、本当におめでとうございます。

今回、改めて名人戦クラスの結果表を見てみたのですが、6回戦すべてで勝ち越したのは栗生さんだけでした。

佐谷さんはその栗生さんに5回戦で1勝2敗と負けているんですが、その代わり3-0が3回もあるのです。ちなみに3-0が3回あるのは佐谷さんだけでした。

トライボーディアンは全局の白星の数で順位が決まります。なので、2-1、2-1、2-1よりも1-2、3-0、3-0の方が順位が上になるのです。

佐谷さんに表彰式のあとに少し話を聞いたのですが、勝因は苦手だった囲碁を勉強したことだとおっしゃっていました。つまりそれは「3-0を取るための練習」だったのです。

佐谷さんは元々大学まで将棋部で三段くらいの腕前だったそうです。大学院からオセロをやり始めて、世界ランカーまで登りつめます(いわく、「コンピュータの出す正解を取り入れることに向いていた」とのこと)。

トライボーディアンには第1回から参加されていますが、そのころからウィークポイントである囲碁を強化されてきました。
その鍛錬が実を結び、リバーシという絶対の武器に加えて、将棋・囲碁ともに三~四段というスキのない「完璧超人佐谷」が生まれたわけです。

今回の佐谷さんの優勝を受けて改めて「トライボーディアンは総合力の勝負」であることを再認識いたしました。

確かに2種目がプロ並みに強かったとしても、あと1種目で全く勝てないと6回戦で12勝しかすることができません。それでは今回の優勝ラインの14勝に届かないのです。

この当たり前ともいえる事実を見せつけられ、改めて「トライボーディアンで優勝するのって、大変だわ~」と、他人事のように思ってしまった私。

第1回、第2回と将棋勢が優勝しましたが、第3回で初めてオセロ勢が優勝しました。第4回ではどんな方が優勝するのか、今から楽しみです。今回書いていただいたアンケートにも「次回はもっと強くなって臨みたい」という声を多数いただきましたから、次回も激戦になることは必至でしょう。

ただ、優勝争いももちろん楽しみですが、参加者の皆さんの目標は必ずしも優勝一つではないのがこの大会のいいところ。

まずは初級クラスで勝ち越しを目指すもよし、名人戦クラスの20位に入って賞金獲得を目指すもよし、今回から導入した段級位認定もその目標の一つとして機能すればいいと思っています。トライボーディアン初段の認定状を持っていたら友達が遊びに来たときに自慢できる、かもしれません。少なくとも話のネタにはなります(笑)。

参加するだけでも普通に生きていたら絶対にしゃべらなかったであろう人たちと会話できますから、それだけでも楽しいですし、意味があるといえます。

トライボーディアンをやった後に毎回思うのは、トライボーディアンという競技が持っているパワーのすごさ。これからも開催するたびに規模が大きくなっていくと確信しています。ただ、今回名人戦クラス86人は運営的にも限界がありました(汗)ので、次回は名人戦クラスは64人までにして、3クラス制にするのがいいかもしれません。


と、いうわけで全国のボードゲーム好きの皆さん、またトライボーディアンでお会いしましょう!

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