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新刊案内「三間飛車新時代」 ~トマホークってなぁに?~

10月17日発売の新刊「三間飛車新時代」の内容を紹介します。

こんにちは。運慶、快慶、編集部島田です。

やや久しぶりの新刊案内いきます。本日紹介しますのは10月17日発売の新刊「三間飛車新時代」です。




ノーマル三間飛車の最新形を網羅した内容で、この戦法のスペシャリストの小倉久史先生と弟子でこちらもノーマル三間飛車党の山本博志奨励会三段による共著になっています。
師匠と弟子の共著、というのも珍しいですが、奨励会三段の方が著者になるというのも珍しい。珍しいというか、ともに初めてのことではないかと思います。

ただ読んでみると分かるんですが、この共著スタイルがとってもいい感じなんです。

小倉七段が長年の経験を元に振り飛車穴熊や居飛車急戦などを広く網羅しているのに対し、山本三段はまさに「勝つための最新研究」といった趣で、狭く深く、最新形を深掘りしています。

結果として、網羅的でありながら流行形に関しては深いという、絶妙のハーモニーを奏でた一冊になっています。


お前の感想はいいから早く内容紹介しろ、という声が聞こえてきました。
早速、目次を見てみましょう。





小倉七段の「▲4六銀型石田流」から始まって、最後は山本三段による増田流の銀冠穴熊対策まで幅広く収録しています。

ちなみに第1章の「▲4六銀型石田流」はこんな形です。





居飛車穴熊対策で銀を▲5七銀~▲4六銀と使う作戦です。
面白いことに、同じ居飛穴対策でも弟子の山本三段は少し違ってこんな形です。





こっちは▲5六銀型で、第5章で解説されてます。両方とも有力なので、自分の好みに合った方を使っていただければと思います。

さて、私が今日紹介したいのは「▲4六銀型石田流」でも「△5四歩型対▲5六銀揺さぶり」でもありません。

トマホークです!!


ん?トマホークってなに? 巡航ミサイル?

と思った方は、何も聞かずにこの図を見てください。





これがトマホークです。

話が飛んで恐縮ですが、デビューから29連勝というとんでもない記録を打ち立てた藤井聡太四段、藤井四段は三段リーグを1期で抜けたんですが、そのときの記録は13勝5敗でした。

そのうちの1敗がまさにこの局面(居飛車側が藤井四段)だったのです。相手は、・・・そうです!山本博志三段です!!


トマホークはノーマル三間飛車に対して居飛車側が5筋を突かずに穴熊にしようとしたときに発動します。

▲4八玉型というなんとも中途半端な状態で銀をにょきにょき▲4五銀と出ていきます。居飛車は3四の歩を守るために△8四飛。

そこでおもむろに▲1七桂と端から跳んでいきます。雪が溶けて川になって流れていきます。

こうして端攻めと将来の▲6六角の王手飛車ラインの協力によって一気に居飛車穴熊を葬り去るという恐ろしい戦法でございます。


まとめるとこういうことです。
 
(1)▲4五銀で△8四飛を強要する
(2)▲1七桂から端を狙う
(3)端攻めと▲6六角のラインで攻める
(4)それがトマホーク
(5)ちょっと気取ってみませんか

以上です。


さて、▲1七桂以下の続きを少し。

△3二金にいきなり▲2五桂と跳んでいきます。つくしの子が恥ずかしげに顔を出します(もういい)。
普通は端を受けながら角を逃げる△2四角、ですよね。

対して▲6五歩△5一金▲5八金左△4一金。そこで▲6六角がポイントの一手。





飛車を縦に逃げるのは▲3四銀なので△9四飛。こうして飛車を追いやってから▲9六歩△3一金寄に、▲1三桂成!△同角▲1四歩と端を爆発させます。

以下、なんだかんだあって(雑)、結果こうなります。





間を飛ばしたのでさっぱりわからないと思いますが、なんとなくの考え方と勢いを感じていただければ幸いです。


書籍では▲1七桂に対して△2四歩と桂跳ねを防ぐ手やいきなり△1五角と取ってくる手についても解説されています。

正直、この本を読むまでは「ノーマル三間飛車に対しては5筋を省略して居飛穴に組める」と思っていたんですが、時代は変わってたんですね。知りませんでした。


で、このトマホークの章を踏まえて、冒頭の「△5四歩型対▲5六銀揺さぶり」が出てくると、そういうわけです。

△5三歩型にはトマホーク、△5四歩型には▲5六銀揺さぶり、じゃあもうノーマル三間飛車最強じゃん!って、いとも簡単に信じてしまった私。

そこで、恥ずかしながら、最近振り飛車党に転向しました。

すると面白いようにみんな居飛穴にしてくるんですね。いまはゲラを見返しながら将棋クエスト指してます(編集部の特権)。


覚えることはそんなに多くないですし、決まったときの爽快感はすごいです。
スマホに向かって「トマホーーク!!」って叫んでます。「アメトーーク!」みたいなもんです。

振り飛車党のみなさんはもちろん、居飛車党の方も読む価値ありの一冊だと思います。


ノーマル三間飛車の新時代の幕開けを告げる一冊、ぜひ手にとって読んでみてください。


先日編集部に来ていただいた山本博志三段

 

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