藤井四段の詰将棋と解答|将棋情報局

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藤井四段の詰将棋と解答

藤井聡太四段作の詰将棋の解答を掲載いたします。

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まず、問題をご確認ください。





これが詰将棋創作でも抜群の才能を発揮する藤井四段の創った詰将棋、15手詰です。

将棋を覚えて間もない方は初手▲2四歩で詰んだ!と思われるかもしれませんが、残念ながらそれは「打ち歩詰め」と言われる反則で指すことができません。
「歩を打って王様を詰ましてはいけない」というルールです。

この「打ち歩詰め」をいかに回避するかがこの詰将棋の大きなテーマになります。

初手は▲1五桂が正解です。△同歩で、打った桂がすぐ取られますが、後々1五への脱出を防ぐ意味があります。



続いて▲4一馬△3二歩と進みます。




馬が移動したので今度は▲2四歩が「打ち歩詰め」の反則になりません。▲2四歩△同玉として、もう一度▲4二馬と戻ります。





ここで疑問が生まれます。上の図で△2三玉(下図)と元の位置に戻れば、▲4一馬と王手する前(上から2番目の図)に比べて玉側の3二の歩が増えただけです。玉側の戦力が増えたのだからもっと詰まなくなってしまったんじゃないかと思うかもしれません。





しかし、3二の歩が増えたせいで3一の香の利きが止まってしまったのがミソです。

上の図からは▲3四馬!△同玉▲1四飛成まで11手で詰ますことができます。





図で△2四香などと打てばまだ手を延ばせると思う方もいらっしゃるかもしれませんが何を打っても▲同龍と取られて無効なので、この場合はこの時点で「合利かずの詰み」と言われ、詰んでいると認定されます。

3二の歩によって3一の香の利きが遮られたために△同玉と取るよりないところがポイントでした。
攻め方(玉を詰ます側)としては一連の手順によって3二歩を発生させた、ともいえます。


しかし、ここで新たな疑問が生まれます。それなら△3二歩と打つときに△3二香打(下図)と打っておけば▲3四馬にはやはり△同香と取れるじゃないかと。



※図から▲2四歩△同玉▲4二馬引△2三玉▲3四馬と進めば△同香と取れそう。

しかししかし、△3二香打とすると以下▲2四歩△同玉▲3六桂△2三玉▲3二馬引△同香▲2四香まで、11手で詰んでしまいます。





と、言うわけで△3二香打はダメなので、△3二歩の手順に戻ります。△3二歩▲4二馬引に△2三玉と逃げる手を調べましたが、それは玉側の最善の逃げ方ではありませんでした。▲4二馬引には△3三歩と先ほど打った歩を移動させて受けるのが最も粘りのある手順となります。





いわゆる「移動合」と呼ばれる高等テクニックです。
3三の合駒を歩にすることによって、▲同馬引△同香▲3六桂△2三玉▲2四歩がやはり打ち歩詰めの反則で打つことができなくなっています。

△3三歩の移動合に対しては▲3六桂△2三玉▲3四馬!と大技をかけるのが正解です。





この馬はタダで取られるのですが、△同玉と取るのは▲1四飛成までの「合利かずの詰み」があります。よって、△同歩と取るよりありませんが、これで4二の馬の利きが通りました。

そこで▲1四飛成!が最後の決め手です。





これには△同玉の一手ですが、先ほど馬の利きを通したのを生かして▲2四馬まで。





大駒を次々に捨てて最後はぴったりの詰みとなりました。


解答手順は以上となります。
皆さんどうでしたか?解けましたか?

正直、相当難しかったと思います。


このような詰将棋を創ったり解いたりすることが藤井四段の強さのベースになっていると言われています。書籍にも詰将棋の力に裏打ちされた深い読みが披露されていますので、ぜひ手にとって読んでみてください。




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