小学3年生の藤井聡太少年が見せた驚異の読み筋|将棋情報局

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小学3年生の藤井聡太少年が見せた驚異の読み筋

現在発売中の『将棋世界9月号』。加藤一二三九段の引退と藤井聡太四段の29連勝の2大特集で大きな話題となっています。
付録は、「藤井聡太29連勝の軌跡」。藤井聡太四段のこれまでの実戦の中から、師匠の杉本昌隆七段が驚いた手を解説付きで紹介するという豪華な内容になっています。
ここでは、当時小学3年生だった藤井聡太少年が、研修会の中澤沙耶さん(現、女流初段)との感想戦で現れた衝撃的な読み筋をご紹介します。

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途中1図は、聡太少年が▲3四飛と横歩を取った局面。ん?この手は大丈夫でしょうか?
【途中1図は▲3四飛まで】

△1六角(問題図)と打つ手があります。飛車金両取り、これは勝負ありなのでは?
【問題図は△1六角まで】

実戦では中澤さんが△1六角を見送りましたので実現しませんでしたが、局後に杉本七段が指摘したところ、聡太少年は驚くべき読み筋を披露しました。
これが問題です。童心に帰ってよーく考えてみてください。




それでは正解に移りましょう。
まずは▲9五角(途中2図)と打ちます。
【途中2図は▲9五角まで】

 
ひと目短兵急すぎるように見えますがこれが油断ならない手で、△6二金などの受けには、飛車の横利きが止まるので▲3二飛成(参考1図)があります。△8四香は▲同角△同飛▲3二飛成で受けになりません。
【参考1図は▲3二飛成まで】

飛車の横利きを止めないように△7一香(途中3図)と受けるところですが、ここでの次の一手が驚愕です。もう一度考えてみてください。
【途中3図は△7一香まで】



ここで▲7二銀!(正解図)
!!!!
!!!!!!!!
【正解図は▲7二銀まで】

飛車以外の駒で取れば▲3二飛成。△7二同飛には▲7三角成!(参考2図)△同飛▲3二飛成の筋があります。
【参考2図は▲7三角成まで】

手の善悪だけでいえば問題図1手前の▲3四飛は大悪手。▲9五角以下も正確に指せば後手有利でしょう。ですが、こんな華のある悪手、そして鋭い端角と銀捨ては見たことがありません。
伝説の「羽生の▲5二銀」を彷彿させる銀捨て。驚くべきことにこれは聡太少年がまだ小学3年生の頃に指されたものなのです(杉本七段)

杉本七段は今年の将棋年鑑のアンケート「今までで一番印象に残っている将棋、または指し手は?」という問いに

藤井四段が8歳で指した、飛車金銀香の利きに捨てる焦点の▲7二銀

と答えていました。
この手だったんですねぇ。​

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