【将棋年鑑2017】羽生善治が語るAIと将棋界とは|将棋情報局

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【将棋年鑑2017】羽生善治が語るAIと将棋界とは

将棋界の1年がまるごと詰まった「将棋年鑑2017」。500局あまりの解説付き棋譜が収録されているのは言うまでもないが、近年は巻頭特集やコラム・棋士名鑑など、読みものの記事がより充実している。質量ともに例年以上になった今年の将棋年鑑の特集から、少しずつ紹介したい。

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【巻頭特集1 羽生善治が語る棋士とAI】


羽生善治三冠がAIをテーマに大いに語ったロングインタビュー。
AIの進化によって将棋がどう変わっていくかについて、羽生三冠が語った言葉がこちら。

人間の感動というのは極めて主観的なものなので、それを意識して呼び込むのは難しい。
ただ、どんなにテクノロジーが進んでも、長く続いた歴史や経験というものは人間の記憶としてずっと残っていくものだと思います。
人の意識を突き詰めていくとアイデンティティーの問題になる。自分は何者であるかと問う気持ちですね。そのときにバックグランドになるのはやはり人間の歴史や経験になる。
その一つとして将棋も残っていくんじゃないかなあと私は思っています。

【巻頭特集2 先崎・木村が振り返る、将棋界この一年】


藤井聡太四段の強さについての2人のコメント。

─どこが強いと思われますか?
木村「ミスが少ない感じがします、個人的には。普通ミスはするものなんですが」
先崎「顔が強いです。天狗にならない顔をしています」

【巻頭特集3 加藤一二三、棋士人生63年の足跡】


加藤一二三九段の戦績を振り返る特集から、増田康宏四段に勝ち最多年齢差勝利となった対局を紹介する。

 図は終盤、この▲7九歩が加藤が自賛する好手で、状況が逼迫する場面で、冷静に勝ちを決める一着となった。

【巻頭特集4 衝撃デビュー!藤井聡太四段】


「最年少棋士誕生の意義」「インタビュー」「自戦記」の三つのパートにわけて、衝撃のデビューを振り返る。
「インタビュー」から、対局日の食事について。

朝食 対局の朝はうどんが多い。あまり食欲がないので。
昼食 出前のメニューに麺類が多いので必然的に麺類が多くなります。
夕食 局面によって少し変えます。緊迫しているときは軽く済ませるようにします。

【巻頭特集5 プロの将棋はどう変わったか】

この1年間で新たに生まれた戦法を振り返る好評企画。
後手振り飛車編から、藤井システムについての一節を紹介する。

 藤井システムが復活した。藤井猛九段が藤井システムを駆使して銀河戦で優勝、その優秀性をいかんなく示した一年と言ってよいだろう。また、後述する新藤井システムも今年度、研究が進んだ。
 藤井システムは「居飛車穴熊に組まれる前に潰す」が基本思想なので、先後の差が非常に大きい。裏を返せば後手で藤井システムが成立すれば、先手番ではより強力な武器になる。

 図は藤井九段が好んで採用している布陣である。△9五歩の一手を△6四歩に回して6筋攻めのタイミングを早め、△3二銀型で居飛車からの急戦に備えている。

【棋士名鑑】

一番の人気コーナーという声も根強い棋士名鑑。アンケートの項目を紹介する。

①身長・体重・血液型 ②座右の銘は? ③利き手はどちらですか? ④この一年で印象に残った本、または映画は? ⑤会ってみたい有名人は? ⑥人生で一番緊張したときはいつですか? ⑦将棋を覚えた年齢、きっかけを教えてください ⑧今一番注目している戦法を教えてください ⑨お勧めの将棋上達法は? ⑩これからの目標は? ⑪将棋以外の得意なゲームを教えてください ⑫今一番欲しいものは何ですか? ⑬対局中の出前が全国どこからでも取れるとしたら何を頼みますか? ⑭正座で何時間座っていられますか? ⑮対局中につい出てしまう癖はありますか? ⑯対局中の飲み物を教えてください ⑰対局開始何分前くらいに対局室に入りますか? ⑱対局前日の過ごし方を教えてください ⑲今までで一番印象に残っている将棋、または指し手は?⑳HP、ブログのURL、ツイッターアカウント、携わっている将棋教室の情報など、告知されたい方はお教えください

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