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新刊案内「中飛車名局集」 ~村山聖、執念の逆転~

ここでは近日発売予定の新刊「中飛車名局集」の一部を紹介します。

こんにちは。升田、増田、編集部島田です。

今日も暑さを吹き飛ばすような激アツの新刊案内いきます。

紹介するのは古今の中飛車の名局100局を解説付きで収録した記念碑的一冊、「中飛車名局集」です。



前回は大山先生の将棋を取り上げましたが、今回はもう少し時代を下って平成8年10月に行われた村山聖八段VS森内俊之八段の一戦を取り上げたいと思います。

この将棋は第46期王将戦の挑戦者決定リーグ戦の一局です。村山先生が亡くなられたのが平成10年8月ですから、亡くなる約2年前の将棋ということになります。

本局は午後8時20分に千日手が成立、30分後に開始された指し直し局です。村山先生にとっては体力的にかなり厳しい状況だったと思いますが、終盤、ものすごい執念が盤上に現れます。

出だしはこうです。





▲7八金△3二金の交換を入れてからの中飛車は村山先生が時折用いた作戦。

しかし、森内先生に△7五歩からの攻めをまともにくらって図の局面を迎えます。





これが解説の鈴木大介九段によると振り飛車党には見られない「ラフなさばき」で、村山先生が苦境に立たされます。確かに居飛車からしてみれば桂得の上、銀がここまで侵入できれば良しとしたもんです。

森内先生優勢で迎えた終盤。図の△4七桂が決め手級の一手。



△3九角以下の詰めろでひと目厳しそうです。

かといって先手の持ち駒が桂香しかない現状では後手玉は捕まりそうにありません。

投了やむなしか、とも思われる場面で村山先生は▲3九香!





まさに根性の一手。△同桂成なら▲5八銀を見た手ですが、△4八銀がまた好手で、以下も森内先生の猛攻が続いて下図に。





先手玉は△3八金以下の詰めろ。後手玉は詰みません。▲3八桂などと埋めても△同とから詰み。後手の持ち駒がいっぱいで、絶体絶命の局面に見えます。持ち時間はなく、双方一分将棋という場面です。

私が今回紹介したかったのはここから終局までの9手。

図から
▲1三角△2五玉▲2六歩△同玉▲2七歩△2五玉▲1七桂打△1六玉▲5七角成!!!


まで、111手で村山八段の勝ち。


まず▲1三角と王手。▲2六歩~▲2七歩は一歩を使った時間稼ぎ。そこから一瞬のひらめきで▲1七桂打から▲5七角成が炸裂しました。

起死回生の詰めろ逃れの必至。


0時を過ぎても衰えない集中力と勝利への執念。▲2六歩でなりふり構わず時間を稼ぎ、最後にひねり出した妙技での大逆転・・・。

鈴木大介先生は解説でこう書かれています。

「△4七桂に代えて△4七歩なら以下▲3九桂△4八銀。これなら森内さんが勝ち切っていました。それにしても最後は悲鳴が聞こえてきそうな逆転劇でした」


う~ん。かっこいい。

中飛車名局集。中飛車党の方ならずとも購入して、並べる価値は十分あると思います。

それではみなさん、今週も良い週末将棋ライフを!!


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