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羽生の奇跡

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みなさん、こんにちは。 編集部島田です。

夏です。夏といえば暑さ。これだから北半球はいやです。 ま、南半球いったことないですけど。

さて、将棋界のスーパースターといえばどうでしょう? 満場一致で羽生さんですよね。 43歳になった今期、勝率9割超えってどういうことですか。恐ろしい人です。

今日は羽生世代のデビュー当時の様子を記した 河口先生の「羽生世代の衝撃」(来月末発売予定)から、若き日の羽生さんの スーパープレイをご紹介します。

書籍では「羽生の奇跡」というタイトルで収録されています。

まずは次の図面をみてください。

見ての通り、泉さんの方は矢倉の形が残っているのに羽生さんの玉は 風前のともしびでございます。

河口先生はこう書いてます。

「第3図は羽生が負けたのではないかと思った。みんな同じだったようである。
第3図で筋といえば△6九銀か△8六桂だが、どちらも羽生が負ける」

やばいっす。羽生さんやばいっす。さらに続きは、

「どう指すか。意見はいろいろ出るが、どれもはっきりしない。ただ、これだけは絶対にわるい、と衆議一決した手があった。それを、羽生は指したのである」

まじですか!かっこいい!

第3図からの指し手
△2八飛 ▲3三角成

羽生さんの△2八飛が全員がわるいと衆議一決した手。 ▲3三角成で受けがあるわけないでしょう。と、いったのは土佐先生。

確かに頭金がねー。受けにくいですからねー。 △4一銀とか打っても▲5二歩で意味なしですか。

ただ、皆さん。誰が指したと思ってるんですか。 羽生先生ですよ。すごいのはこっからです。

▲3三角成から△7九銀!と捨てます。▲同玉△6七桂▲8八玉△7九銀▲9七玉に
△6四角!▲7五金に△3二歩!!!

まさかそんな手が!

将棋強い人は頭の中で並びましたね?

並んでない方は下の図面をどうぞ。ちなみに私は当然並んでません。

これでなんと6四の角が利いて受かってるんですよ! すげー。羽生さんまじすげー。

私の駄文より河口先生の名文で見てみましょう。

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 私は対局室へ行って羽生を観察した。羽生が負けの先入観があるから、負けた場面を見るのは初めてだな、と思ったりした。(これは記憶ちがい)  左手をつき、姿勢を低くして下から例のじろり一瞥をくれる。盤の下で右手が素早く左右に動く。それに合わせて首も振られる。こう指す、こう来る、ああやる、こうやる、数秒で何十手も指すんだぞ、の威嚇のようにも見えた。私にはそれがハッタリに映った。いくら読んだふりをしたって、現実は頭金の一手詰を防げないではないか。  秒読みのような雰囲気のなかで、△7九銀の王手が指された。それを見て私は控え室に戻った。  もう結論は出ている。▲7九同玉以下詰まないのである。△6四角の王手までやって、▲7五金が確実な受け方。▲8六銀打は危ないが、泉がそんな手をうっかりするはずがない。  とうとう負けたか、みんな横を向きはじめたとき、土佐だったか中村だったか「△3二歩で受かっているのかな」と呟いた。  みんなどっと盤の回りに集まる。△3二歩と打ってみると、見事に受かっているではないか。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その時代、その場所にいないのに、河口先生の文を読むと自分がそこにいるような 錯覚をおぼえます。

いや、羽生さんすげーなぁ。まじ神。

と、こんな劇的な場面がたくさんつづられているのが 「羽生世代の衝撃」です。みなさんも河口先生と同じ衝撃を追体験してください。

来月末まで今しばらくお待ちを。

ではでは。


 

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