「現代横歩取りのすべて」~スリルとロマンの世界~|将棋情報局

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「現代横歩取りのすべて」~スリルとロマンの世界~

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 こんにちは。編集部の米澤です。
今日は10月23日発売、「現代横歩取りのすべて」(著:村田顕弘五段)の紹介です。
ブログのタイトル、「スリルとロマンの世界」はまえがきから、かっこいい言葉を拾ってきました。
その意味はいずれ。
 
 
本書は横歩取りの最新研究が網羅されているだけでなく、横歩取りを敬遠されている方のために、
「序章 横歩取り戦 成立までの変化」
「第1章 奇襲の成否 その他の駒組み」
が用意されています。
 
序章では、
・横歩取りには両対局者の合意が必要であること
・強引に避けると避けた側がわずかに損をすること
の2点が解説されています。
第1章はハメ手に対する簡単な対策集です。

この序章と第1章を読めば、横歩取り初心者卒業といった感じでしょうか。
 
ではさっそく、横歩取りの基本から確認しましょう。
 
 
☆横歩取りを目指すためには
 
初手からどういう手順で横歩取りに進むのか分かっていない方も多いかと思います。
私も振り飛車党なのでよく分かりません。
 
 
D図は初手より▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩と進んだ局面。
横歩取りを目指す=この局面を目指すと考えて良いようです。
下記は本文からの引用です。
「結論を先に言うと、D図になった以上は横歩取り戦に進むのが王道である」
 
ここから横歩取りを目指すのが「王道」、他の戦型を目指すのは「変化球」とのことです。
そして「変化球」とは、「一局の将棋でありながらも、厳密にはわずかに損とみられている指し方」を意味しています。
「王道」「変化球」
なるほど。
だいぶ分かってきました。
代表的な「変化球」を一つ見てみましょう。
 
☆後手の変化球「△2五角」
 
 
D図から進んで、飛車先交換に対し△2三歩が、後手の変化球。
横歩取りを目指す▲3四飛には△8八角成▲同銀△2五角が後手、狙いの一着。
さあどうする!
 
対策?
▲3二飛成△同銀▲3八銀△3三銀▲1六歩(Q図)
 
対策?
▲3六飛△同角▲同歩△2七飛▲3八銀△2五飛成▲2七角(R図)



 
?駒損ながらも持ち駒の数と働きの差で先手指せる
?龍を作られても歩得で先手指せる
というわけで、△2五角は怖くないというのが現時点でのプロの認識だそうです。
 
つまり、「変化球」を投げると損をするから、「王道」の横歩取りが指されているというわけです。
なるほど。
 
他にも、例えば先手が矢倉や角換わり、相掛かりを目指す変化球がありますが、これらも「変化球」であり、厳密にはわずかに損するため、プロ間では横歩取りが盛んに指されている、と考えて良さそうです。
 
※変化球「先手が矢倉を目指すパターン」
 
 
※変化球「先手が相掛かりを目指すパターン」
 
 
長くなりましたので、今日はここまで。
図面ばっかりのブログになってしまいました。
今日は最新形の話を全くできなかったので、あと2回ほど、紹介する予定です。
 
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