2015.12.04
気になる局面探検隊vol.４「世界語"ＫＡＷＡＩＩ"を将棋にも」
皆様こんにちは。ネット担当の藤井です。
最近、当ブログにもちょくちょく顔を出す「将棋クエスト」の仲間アプリ「リバーシ大戦」にはまっています。
これがですね。勝てないんです。あるところまでは勝ち上がるのですが、上級者の壁が厚いのなんのって 泣
悔しくて、藤井はリバーシの入門書を買いました。読み進めると、
何とリバーシにも「定跡（定石）」があるらしい・・・
（そんなレベルなので、スイスイ勝てるわけもありませんね。）
そして思ったことは・・・
定石の名前が、なんかかわいい！
牛定石、うさぎ定石、猫定石、虎定石、ねずみ定石・・・
本を読み進めながら、将棋の定跡にもこんな名前が付いていたら、女性でも取り掛かりやすいのでは？ と思ってしまいました。
ところで、「かわいい」という言葉は、英語にパチッとはまる同じニュアンスの単語がないのか、「kawaii」と日本語そのままで掲載されている英英辞典もあるそうです。
そう、「kawaii」は、今や世界語！
カロリーナ女流！「kawaii」定跡を作って、世界に将棋を広めてください！
☆
さて、今週の局面はこちら。
※局面の再現には「将棋囲碁サロンHiBiKi」を使っています。
（図は▲７五歩まで）
出ました！その名も・・・
新・鬼殺し！
・・・
・・・・
こら。
こら藤井。
お前「kawaii」要素どうした！
なに真逆のモン持ってきてんだ！
うちの子どもが泣き出したじゃないか！
カネ返せ！
はい平謝り。すぐ平謝り。ははーっ、仰せの通り。
でも、かわいい名前の定跡が「カニカニ銀」くらいしか思い浮かばなかったし、今週はどうしてもこれがやりたかったの！
ということで、お付き合いください。
居玉で鬼をも倒す強力な攻めを繰り出す「鬼殺し」。その進化バージョンの紹介です。
この戦法の詳細は、下の本に載っています。「奇襲大全」、いい本です。
↑くわしくは画像をクリック！
ハチワンダイバーを読んだことのある方は、見覚えがあるかもしれません。将棋コロシアムで、アメリカ人強豪が「つよkawaii」メイド中静そよに対して用いた戦法ですね。
さて３手目▲７五歩。後手氏は思うでしょう。
「ははーん、こいつ将棋知らないな？」
３手目▲７五歩は、本来は２手目△３四歩に対する指し方なのです。
後手は当然４手目△８五歩を決め、先手にのやむない▲７七角に対し、おもむろに△３四歩と角道を開けます。
対して先手は・・・
（図は▲７八飛まで）
気合いの飛車回り！ さあ、もう収まりそうにありません。
後手が△７七角成▲同桂△８六歩▲同歩△同飛と挑発に乗ると・・・
（図は△８六同飛まで）
技が決まります。
▲７四歩△６二銀▲７三歩成△同銀▲６五桂△６二銀▲５三桂不成！
（図は▲５三桂不成まで）
上図は△５三同銀なら▲９五角の王手飛車があり、先手大成功です。
また、▲７八飛に対して△７七角成▲同桂△５四角には・・・
（図は▲５五角まで）
この角が急所！
１一香を助ける△２二銀には▲８五桂（下図）が人を喰ったような跳躍で、後手はこの桂を取ることができません。
（図は▲８五桂まで）
そこで△３三銀と形を整えるくらいですが、▲７三桂不成△同桂▲同角成（下図）で、これも先手大成功です。
（図は▲７三同角成まで）
奇襲大全にはこの他、▲７八飛に対し△７七角成▲同桂△４五角の変化が紹介されています。
対局を終えたそよちゃんが菅田に泣きついた後、ハッと思いついた▲７八飛△６四歩の変化は、残念ながら載っていません。興味を持っていただいた方は、ぜひご自身で研究してみてください。
この本、こんな大技・小技を盛り込んだ「奇襲」が他にもたくさん掲載されています。
狙い自体は「kawaii」ものもありますが、どの戦法ももれなく毒入りですので、アマチュア同士の持ち時間の短い将棋では効果バツグンと思いました。
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