2017.03.01
特集「無敵棒銀!」より 対談・加藤棒銀は偉大なり 飯塚祐紀七段×高野秀行六段
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
皆さんこんにちは。将棋世界の下村です。
すでに「将棋世界5月号」の予約も始まっていますが、その前の4月号はお買い求めいただけましたでしょうか。いま力を入れている戦術特集について、4月号ではなんと「無敵棒銀!」がテーマです。加藤棒銀を敬愛してやまない、飯塚祐紀七段と高野秀行六段が加藤棒銀の魅力を語り尽くしています。対談後半では加藤棒銀の好局ベスト5をランキングしています。計10局!と棒銀尽くしです。
※2016年8月号からワイド版(通常の2倍サイズ)の販売を開始しました。「マイナビBOOKS」による、限定販売です。詳しくはこちら。
真似できない突進力
──高野六段の4位をお願いします。
高野 千葉(幸生)六段との一戦(平成23年12月・C1順位戦)を挙げます。後年苦戦される4二金型です。加藤先生の棒銀は、▲4六歩と突く前に▲2六銀と出ることが多いので、△4二角~△5三角~△4二金の好形を築かれます。棒銀にとって攻略が大変な形です。
飯塚 加藤先生とお話しする機会があり、「▲4六歩を先に突いたほうがいいのではないでしょうか」と聞いてみたところ、「うんうん、それもあるよね」と一蹴されました。なんてツマラナイ質問をしたのかと反省しました(笑)。
高野 驚いたのは第3図の▲4六銀です。この2つの銀で戦おうというのが凄まじい迫力です。1枚の棒銀でもさばくのが大変なのに、もう1枚の銀を上がる。棋理にない手だと思うのですが、これでもいけると判断されたのでしょう。
飯塚 ネーミングを付けるとしたら、ダブル棒銀ですかね(笑)。
高野 このあとの手順は、△3八歩▲3四歩△同飛▲3五銀右△3一飛▲4四歩△同角▲5五歩△3九歩成。振り飛車に存分に指されてうまくいっていませんが、それでも駒が前に進む突進力は、加藤先生ならではです。この将棋は深夜に及ぶ大熱戦になって、加藤先生が見事に勝利しています。
将棋魂を感じた一局
──飯塚七段の4位をお願いします。
飯塚 森安先生(秀光九段)との一局です(平成元年6月・B1順位戦)。四間飛車の名手で、だるま流と呼ばれる粘り強い指し回しが特徴的でした。第4図は後手に馬を作られた中盤戦です。ここからどう指したと思いますか。
高野 ▲3七銀~▲4六銀右と、中央に活用するぐらいしか手が見えません。棒銀は2六の銀が残ってしまうと失敗なので、この一手でしょう。
飯塚 違うんです。出たものは引かない(笑)。ここで▲7五歩と突きました。取れば▲7四歩がありますが、△6三馬が味よく先手が失敗のように見えます。ところが加藤先生は、別の構想を描いていたのです。以下▲5五角△4三飛▲4六歩△3三桂▲2四歩△同歩▲1五銀。
高野 ひぇー!すごいなぁ。△6三馬がピッタリすぎるけど、▲1五銀と端から使うのですか。
飯塚 次に▲2四銀が狙いで、立派に銀の顔を立てています。▲7五歩に加藤先生の将棋魂を感じました。
とブログではここまでです。このあとも第1位まで計10局、加藤棒銀の好局のオンパレードです。続きは本誌でお楽しみください。
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真似できない突進力
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高野 千葉(幸生)六段との一戦(平成23年12月・C1順位戦)を挙げます。後年苦戦される4二金型です。加藤先生の棒銀は、▲4六歩と突く前に▲2六銀と出ることが多いので、△4二角~△5三角~△4二金の好形を築かれます。棒銀にとって攻略が大変な形です。
飯塚 加藤先生とお話しする機会があり、「▲4六歩を先に突いたほうがいいのではないでしょうか」と聞いてみたところ、「うんうん、それもあるよね」と一蹴されました。なんてツマラナイ質問をしたのかと反省しました(笑)。
高野 驚いたのは第3図の▲4六銀です。この2つの銀で戦おうというのが凄まじい迫力です。1枚の棒銀でもさばくのが大変なのに、もう1枚の銀を上がる。棋理にない手だと思うのですが、これでもいけると判断されたのでしょう。
飯塚 ネーミングを付けるとしたら、ダブル棒銀ですかね(笑)。
高野 このあとの手順は、△3八歩▲3四歩△同飛▲3五銀右△3一飛▲4四歩△同角▲5五歩△3九歩成。振り飛車に存分に指されてうまくいっていませんが、それでも駒が前に進む突進力は、加藤先生ならではです。この将棋は深夜に及ぶ大熱戦になって、加藤先生が見事に勝利しています。
将棋魂を感じた一局
──飯塚七段の4位をお願いします。
飯塚 森安先生(秀光九段)との一局です(平成元年6月・B1順位戦)。四間飛車の名手で、だるま流と呼ばれる粘り強い指し回しが特徴的でした。第4図は後手に馬を作られた中盤戦です。ここからどう指したと思いますか。
高野 ▲3七銀~▲4六銀右と、中央に活用するぐらいしか手が見えません。棒銀は2六の銀が残ってしまうと失敗なので、この一手でしょう。
飯塚 違うんです。出たものは引かない(笑)。ここで▲7五歩と突きました。取れば▲7四歩がありますが、△6三馬が味よく先手が失敗のように見えます。ところが加藤先生は、別の構想を描いていたのです。以下▲5五角△4三飛▲4六歩△3三桂▲2四歩△同歩▲1五銀。
高野 ひぇー!すごいなぁ。△6三馬がピッタリすぎるけど、▲1五銀と端から使うのですか。
飯塚 次に▲2四銀が狙いで、立派に銀の顔を立てています。▲7五歩に加藤先生の将棋魂を感じました。
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