矢倉流中飛車、絶品の金寄り|将棋情報局

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矢倉流中飛車、絶品の金寄り

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 昨日も丸1日、将棋年鑑の棋譜を並べていた米澤です。
妙に寝付きが悪いです。
将棋の勉強のためならともかく、棋譜の校正はつらいです。

さて、今日は7月下旬に発売予定の「対居飛穴最終兵器 矢倉流中飛車の極意」から、まさに振り飛車という絶品の一着をご紹介します。

まずは矢倉流中飛車の序盤の流れをおおざっぱに説明します。



まずはこの形を目指します。
この形から▲9八香~▲9九玉を急ぐ形は先週紹介しました。
この形は、居飛穴がぐしゃっとつぶれます。

居飛車穴熊を矢倉流中飛車「△6五銀」で粉砕せよ!

というわけで、▲5八金右△6四銀▲6六銀△4二飛▲6八金寄△7二銀で基本2図。



ここからいくつかの指し方が考えられ、本書はそれら全てを網羅する形で構成されています。
今日は▲2六飛△4四角▲3六飛△3二飛▲9九玉と進んだ局面を見てみましょう。



▲2六飛△4六歩を受けた手ですが、これに対しては△4四角~△3二飛が矢倉流中飛車、定番の手順。
次に▲8八銀とすんなりハッチを閉められてしまうと穴熊の堅さに手を焼くことになるので、ここで仕掛けます。

テーマ4図以下△3五歩▲2六飛△3六歩▲同飛△同飛▲同歩



仕掛ければ必然の手順で飛車交換までは進みます。
ここでまさに振り飛車という気持ちのいい一着があります。

地味ですが、△5一金左と手を渡すのが正着。
自ら飛車交換をして、じっと金を寄る味がたまらないと思うのは私だけでしょうか。
これにて後手良しなんです。



攻め合うと▲4三飛の角金両取りが厳しくて負け

△5二金左が普通だけど、それは▲4一飛が角桂両取りで負け

△5一金左なら大丈夫!

理屈はこういうわけですが、これで振り飛車良しというのが驚きです。
穴熊が未完成で、桂香を拾いあったあとの攻めが厳しいというのが振り飛車の主張点になります。

ただ、そう言われてもピーンと来ないという方も多いと思います。
穴熊が完成していないとはいえ、玉は遠いですし。
実際、このあと勝ちにつなげるまでにも、いくつか注意点があるのでその辺りは来週ご紹介します。
ではでは。 お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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