下村記者の棋楽にいこう 第2手 将棋大会に行ってきた|将棋情報局

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下村記者の棋楽にいこう 第2手 将棋大会に行ってきた

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 皆さんこんにちわ。週刊将棋の下村です。蒸し暑くなってきましたがどうお過ごしでしょうか。さて、先週の第1手でも告知したとおり、5月25日(日)は将棋大会に出場してきました。「浅子杯兼東部将棋名人戦」。埼玉県のローカル大会ですが、県内では有名な将棋大会です。朝早くから愛車を駆って都内から会場がある蓮田市に向かいました。高速道路を使い1時間弱で到着です。





 ルールはリーグ戦5回戦で15分30秒、筆者は無差別級のS級にエントリーしましたが、強そうな人が多いし、久々の大会出場のため、何勝できるかちょっと心配でした。

 初戦は後手番。一手損角換わりに相手が右玉。矢倉囲いで対抗して大作戦勝ちの分かれを得ました。ところが仕掛け方が分からず焦ります。勝負にこだわれば千日手指し直しで先手番で指す選択もできました。ここで悪魔のササヤキが脳裏をよぎります。「こちらは堅陣、相手はすでに秒読みだし、勢い良く攻めていれば何とかなりそう!」また暴発癖が出てしまいました。分かっていながら指が勝手に無理攻めを決行。こういう精神状態で指すとたいていは失敗します。馬を作られてしまい攻めが切れ模様になってしまいました。いきなり痛すぎる敗戦!です。ガックリ…

 いつもの筆者ならここで心が折れて、適当に残りの対局を指してしまうところでした。しかし以前職団戦の巻でも反省記を書いたとおり、負けたことを素直に受け入れないといけません。優勝の目はあっさりなくなりましたが、どんな対局でもしっかり戦うことを誓い次戦に挑みました。…とここまではかっこよく書きましたが、実は理由があるのです。

 今回出場は友人3人と出場。勝ち数の差で打ち上げの費用の負担が大きく変わってくる取り決めをしていました。なので簡単には負けられません。動機は不純?でしたが心が折れずにしっかり戦ったおかげで残りを全勝。友人たちは失速して終わってみたら3位になっていました。

 印象に残った将棋を紹介します。3局続けて後手番だったので、気分転換に横歩取りを受けて立ちました。第1図は▲7七桂と跳ねられた局面で、後手の筆者が忙しい局面です。次に▲8六飛から飛車交換されると▲2一飛や▲8二飛があります。かといって△8五歩の先受けは感触が悪すぎます。そこで9五歩と仕掛けました。▲同歩なら△9八歩~△8九角があります。本譜は以下▲2四歩△同銀▲8六飛△8五歩▲同飛△同飛▲同桂と進みました。

 第2図。いよいよ飛車打ちが残り忙しい。ここで△9六歩ではぬるいかもしれません。筆者は狙いの一手を決行します。△2五飛!以下▲2七歩なら△7五飛が金桂両取りです。▲7七銀△8五飛と進めば、間接的に▲2一飛を受けています。▲2一飛には△2二角を用意しており、▲2七歩を打たせた効果で▲2三歩のタタキが利かないのが読み筋でした
 相手の方も気づかれたようで、長考の末に▲8四飛と攻め合いにきました。以下△2九飛成▲3九金△1九龍▲2九歩△3八歩▲同金△2六桂▲3九金△3八歩▲4九金△2九龍と進みましたが、さすがに桂香を先に取っているので形勢有利を意識していましたが、そこでジッと▲6八金と寄るのが渋い手で、△7六香や△6九角の筋を消されて頭が真っ白になってしまいました。

 第3図がその局面です。第一感は△1八桂成~△2八成桂~△3九歩成の確実な攻めですが、3手かかります。▲8一飛成~▲7四歩~▲7三歩の攻めも案外速く自信が持てません。仕方がないので勝負手をひねり出します。△5五角!と打ち以下▲7七角に△3七角成!▲同銀△3九歩成!と角を犠牲にスピード重視で先手玉に迫りました。いい手がどうかは微妙ですが、この勝負手が功を奏して勝利しました。


 将棋大会はたいてい夕方には終わります。筆者は友人をクルマに乗せ地元に帰還。クルマを戻してから、行きつけのすし屋で反省会を兼ねた打ち上げです。将棋ファンにとって至福なひと時ですね。刺身と日本酒をおいしく頂きました。来週は茨城県まで足を伸ばして将棋大会に出場してきます。遠いので早起きがつらいところです。


 





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