雨宮編集長のコゴト@将棋界と自然災害|将棋情報局

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雨宮編集長のコゴト@将棋界と自然災害

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 この夏、各地で豪雨や強風による被害が頻発している。被災した地域の皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。
 
 タイトル戦は春夏秋冬、全国各地で行われる。いや、国内とは限らない。今年の竜王戦七番勝負第1局は、久々に海外で行われることになった。
 これだけの遠征行事があれば、ときには悪天候のため飛行機が欠航したり、新幹線が運休したり、道路が不通になったり、対局者の移動がままならず対局が中止・延期されることがあっても不思議ではないと思う。
 
 ところが、将棋界ではそれがない。少なくとも私が編集部に来てからは一度もない。2011年の東日本大震災のときも、タイトル戦は中止にならなかった。
 知る限りでは、1994年2月に青森県で開催された第43期王将戦七番勝負第5局が、大雪の影響で1日指し切りに短縮された事例のみだ。谷川浩司王将は現地に到着したものの、挑戦者の中原誠前名人は、搭乗した飛行機が羽田へ引き返す事態となり、対局前日に現地入りできなくなった。関係者の協議で、2日制8時間の対局が1日5時間に短縮されて行われた。
 
 この話題を将棋連盟の関係者と話したとき、「私たちは運がいいです」と、しみじみと語っていた。その強運のおかげで、週刊将棋も予定のタイトル戦が突然中止になって、穴埋めに苦労することはなかった。
 
 しかし、これはあくまでタイトル戦のこと。日本シリーズが台風の影響で延期されたことはあったし、東日本大震災のときは、三段リーグや朝日アマ名人戦の全国大会が急遽延期になった。地域主催の大会やイベントが中止になったことは少なからずあるだろう。準備に尽力した関係者や、楽しみにしていたファンにとっては残念なことだが、自然災害が相手では安全優先が唯一の選択肢だ。
 
 強運がいつまでも続くとは限らない。主催者が難しい選択を迫られることもあるだろう。
 自分のことで言えば、東日本大震災のときに週刊将棋の制作をやめなかったことが、はたして正しい判断だったかどうか。結果的には印刷・発行できたし、スタッフも全員無事だったが、余震が続く中で安全が確保されていたわけではない。結果オーライでしかなかった、と思っている。
 

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