雨宮編集長のコゴト@矢倉の意外なデータ|将棋情報局

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 急に涼しくなった。ちょっと前まで猛暑日がどうのと言っていたのに。体がついていかない。少々熱を出しちゃいました。季節の変わり目、みなさんもご自愛くださいませ。
 
 今週は大きな勝負がいくつもあった。王座戦五番勝負や竜王戦挑決三番勝負はもちろん、加古川青流戦も決勝三番勝負の組み合わせが決まり、女流王将戦も挑戦者が決まった。朝日杯では今泉健司アマの奮闘が光った。
 
 という表向きのニュースはさておき、このところ気になっていたことがある。先手の勝率が落ちているのではないか?
 本紙の9面に掲載される対局結果の白星が、8月はどうも右の後手側に多いような印象があった。そこで、棋譜データベースで調べてみた。8月の公式戦勝敗は、やっぱり後手が勝ち越していた。
 4月からの先後勝敗は、以下の通り。
 
 4月 ▲70-△76 0.479(先手勝率・以下同)
 5月 ▲65-△61 0.516
 6月 ▲83-△74 0.529
 7月 ▲141-△124 0.532
 8月 ▲93-△103 0.474
 合計 ▲452-△438 0.508
 
 2008年度に先手勝率が0.479にとどまり、統計をとり始めてから初めての先手負け越しが話題になった。しかし多くの関係者が一時的なことと冷静に見ていた通り、以降は下記のような推移だった。
 
 2009年度 0.516
 2010年度 0.540
 2011年度 0.541
 2012年度 0.529
 2013年度 0.532
 
 さて、今年度は8月末時点で先手の勝ち越しはわずか14。5割を切るかどうかという水準になれば、ふたたび話題になるだろう。
 
 試しに棋譜データベースの戦型分類で先後勝敗を調べてみた。すると、意外な数字が出た。4~8月で矢倉が▲55-△78と、先手が23も負け越していたのだ。これでは先手勝率も伸びない。矢倉の後手番が厳しいので横歩取りや一手損角換わりが流行ったというのに、これはいったい?
 

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