雨宮編集長のコゴト@伊藤沙恵が女流棋士に|将棋情報局

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雨宮編集長のコゴト@伊藤沙恵が女流棋士に

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 伊藤沙恵が奨励会を退会し、女流棋士になった。奨励会から女流棋士への転籍は、2004年の岩根忍現女流二段以来2人目のケースだ。偶然だが、この2004年は伊藤沙恵にとっても節目の年だった。
 小学5年生だった伊藤沙恵は、小学生名人戦3位という素晴らしい実績を作った。研修会に所属して奨励会を目指しているという。1年前には里見香奈の活躍もあり、女子将棋界に何事かが起こっている実感があった。
 筆者は前年の里見に続いて、小学生にレディースオープン・トーナメント2004予選への出場を依頼した。
 6月26日。伊藤沙恵は東京・将棋会館で初めて女流公式戦に出場した。初戦の相手は伊藤明日香女流2級だった。上写真はそのときのもの。記録係は現四段の石田直裕4級。先手番の伊藤沙恵は雁木でプロに挑み、205手の熱戦を制した。
 続く2回戦では藤田綾女流初段と対戦した(下写真)。
 前年に里見香奈と対戦した藤田綾は、2年続けて小学生と戦うことを強く意識していた。藤田自身は小学6年生で女流棋士になった最年少記録を持つ。
 伊藤沙恵の隣では、高橋和女流二段が関根紀代子女流四段との2回戦を指している。高橋和は、将棋連盟の子どもスクールで伊藤沙恵を指導していて、この日も盛んに気にしていた。
 伊藤沙恵は相振り飛車で完敗した。
 
 2カ月後に奨励会を受験、6級で合格した。同期入会には永瀬拓也六段、菅井竜也五段、斎藤慎太郎五段、佐々木勇気五段、竹内雄吾四段、石井健太郎四段、三枚堂達也四段らがいる。
 
 奨励会を年齢制限で去った多くの人たち。彼らが指導棋士やアマチュアとして将棋に携わっていることを知ると、とてもホッとする。将棋が嫌いになっていたとしたら、とても悲しいことだと思うから。退会後の選択肢として「女流棋士」があるのは、とてもいいことだと思っている。
 女子だけにそういう道があることを不公平だという声があるらしいが、うらやましがられたり、ねたまれたりするほど、女流棋士は楽な職業ではないと思う。
 
 年齢制限で退会といっても、社会に出れば駆け出しの若造にすぎない。伊藤沙恵が大学生だったら就職活動をする年齢だ。筆者のような中年にはマブシイ若さです。
 まずは勝ち残っているマイナビ女子オープンでの対局に注目しよう。
 

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