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 2週続けて台風が来ます。しかも今度はかなりの大型らしい。被害が最小限ですむように祈るしかありません。
 地震のようにいつ来るのか分からない天災にくらべると、台風は進路予報などで備えることができます。連休なので、いろいろご予定もあるでしょう。将棋大会も各地で予定されていると思います。みなさま、くれぐれもご無理をなさいませんように。
 ひょっとしたら、本紙も一部地域で配達に影響が出るかもしれません。その際は恐縮ですが、ご了承くださいませ。
 
 連休中のイベントのひとつに、電王戦タッグマッチのファイナルステージがあり、その場で電王戦ファイナルの出場棋士発表がある。5対5の団体戦はこれで打ち止めということなので、精鋭がそろえられると思う。
 
 話はぐっとさかのぼる。1989年に本紙創刊300号(10月25日号)を記念して、読者から懸賞作品募集を企画した。小説、エッセイ、論文、詩など、形式は問わず、「将棋と私」と「30年後の将棋界」のどちらかをテーマにして自由に書いてもらった。審査は二上達也将棋連盟会長、河口俊彦将棋ペンクラブ会長、林葉直子女流に依頼した。
 応募総数800通以上。1990年1月17日号に入選作を発表した。そのうち、将棋ペンクラブ会長賞を受賞した「CBvsAI」という短編小説が印象に残った。作者は東京の会社員、高山理さん、33歳。
 
 その作品は「30年後の将棋界」をテーマに、交通刑務所から出所した男性がA級順位戦でCB=チャイルドブランドの棋士と、AI=コンピュータ将棋が戦っている記事を見てビックリ、人間同士の戦いに想いをはせる、というSF仕立ての短編だ。
 作中では、A級のメンバーが以下のようになっていた。
 
 名人 屋敷伸之
 1位 郷田真隆
 2位 升田幸三(AI)
 3位 坂田三吉(AI)
 4位 深浦康市
 5位 木村義雄(AI)
 6位 羽生善治
 7位 天野宗歩(AI)
 8位 F.ルドルフ
 9位 谷川浩司
 10位 大山康晴(AI)
 
 現役棋士5人の顔ぶれは、25年前の予言としては驚異ですらある。前期は全員がA級にいたのだ。しかも1989年時点では、郷田九段と深浦九段は四段にすらなっていない。
 コンピュータ将棋は故人の全棋譜をデータベースに、複数のメーカーが参戦している設定だ。対局中にトラブルが発生し、持ち時間のうち3時間を費やして技術者が修理に当たるという描写がリアルだった。外国人棋士を1人加えているところも味わい深い。
 最後に主人公は記事に「畠山九段、芹沢九段(AI)に逆転勝ち」の見出しを見て、複雑な思いで人間に拍手を送った。主人公は熱烈な芹沢ファンだった。
 
 30年後なんて、はるか未来だと思っていたが、もう冗談ではないところまで来てしまった。
 

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