雨宮編集長のコゴト@名局賞と升田賞|将棋情報局

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雨宮編集長のコゴト@名局賞と升田賞

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王将戦第6局はドラマチックな決着だった。勝負はこうでなくっちゃ面白くない。名局賞候補、なんて声が早くも聞こえ始めている。

名局賞と升田幸三賞の選考を統括する将棋世界編集部から、昨年に続いて選考委員に指名された。と書くとカッコいいのだが、実態はとなりの部署から「今年もよろしく」と言われただけである。
ご指名は名誉なこととは思うが、荷は重いし気も重い。誰もが納得できる選考ができればいいのだが。

一般投票は日本将棋連盟のホームページで受け付けている。昨年も大いに参考になったので、これはと思う対局などがあれば、どしどしご応募いただきたい。

座興として、史上最高の名局、好手を考えてみるのも面白い。
筆者が選ぶなら、1971年のあれかな。
大山康晴と升田幸三の最後の名人戦であり、升田式石田流シリーズとして有名な第30期名人戦七番勝負、その第3局。

ここでピンと来た人、けっこういるかも。
そう、あれですよ。升田の△3五銀が出たやつ。絶妙手列伝的な企画だと必ず出てくるあれです。

この対局は△3五銀の場面ばかりが強調されて、この一撃で升田が勝ったような印象があるが、実はそうではない。△3五銀は延々とねじり合いが続いた94手目の手で、確かに派手な技なのだが、大山はノックアウトされていない。ぐらつくくらいはあったかもしれないが、全然倒れる気配はないのだ。ここからも延々とねじり合いが続き、升田は自陣龍に自陣馬まで駆使し、210手でやっと勝った。

対局当時9歳の私は、もちろんそんな勝負が行われていることなど知るわけもなく、まわり将棋やはさみ将棋で遊んでいた。
大人になって何かの本でこの将棋を知り、棋譜を並べた。得体の知れない濃密な何かを感じた。

歴代名勝負アンケートをやったら、これは第一候補ですね。ついでに歴代妙手アンケートをやっても、この△3五銀が第一候補かも。

みなさんも自身のベストワンを考えてみては?
 
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