永世称号豆知識 ~将棋世界編集部渡辺のちょっと棋分転換♪~ #9|将棋情報局

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永世称号豆知識 ~将棋世界編集部渡辺のちょっと棋分転換♪~ #9

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 こんにちは。ワールドカップはドイツの優勝で幕を閉じました。
今回は、アルゼンチンの準優勝を筆頭に中南米勢の奮闘が光りましたね。
睡眠時間を削りながらも楽しい1ヶ月でした。また4年後を楽しみに待ちたいと思います。
ちなみに次の開催地ロシアとは5時間の時差で、
試合開始は概ね日本時間の18時~24時ということになりそうです。
 
閑話休題。
さて、将棋界には7つのタイトルがあり、それぞれに永世称号(王座は名誉称号)が
あるのは皆さんご存知と思いますが、微妙に獲得条件が異なるのは知っていますか?
 
以下がその一覧です。(カッコ内は保持者名)
 
永世竜王=連続5期or通算7期(渡辺明)
永世名人=通算5期(木村義雄・大山康晴・中原誠・谷川浩司・森内俊之・羽生善治)
永世王位=連続5期or通算10期(大山康晴・中原誠・羽生善治)
名誉王座=連続5期or通算10期(中原誠・羽生善治)
永世棋王=連続5期(羽生善治)
永世王将=通算10期(大山康晴・羽生善治)
永世棋聖=通算5期(大山康晴・中原誠・米長邦雄・羽生善治・佐藤康光)
 
こうして見ると、ばらつきがあって面白いですよね。
挑戦までの難度は考慮しないとすると、難しさの順序は、難しい順に
棋王≧王将>王位=王座>竜王>名人=棋聖
といったところでしょうか。
永世名人は一見簡単ですが、そもそも挑戦すること自体が超困難であるため、
結果的に獲得する人は限られるという寸法です。
 
王将と棋聖は、名人同様連続条件がありません。ただ王将の場合は10期ですから、
長きにわたり棋界のトップにいないと獲得できないということになります。
 
逆に、棋王は通算条件がなく、連続条件でしか獲得できません。
時間がかかっても積み重ねればいつか報われる通算に対し、
連続は5年間1度も取りこぼせません。これはこれで至難の業です。
 
そんな至難の業である永世棋王をあと一歩のところで逃した棋士が過去に1人います。
故・米長邦雄永世棋聖です。
 
米長永世棋聖は1980年から1983年まで4期連続で獲得していましたが、
5期目の1984年に桐山清澄九段に敗れ、永世称号を逃しました。
ちなみに米長永世棋聖は1978年にも獲得しており、通算は5期なのですが、
1979年に中原誠十六世名人に奪われ、連続は途切れてしまっています。
大棋士といえども、なかなかうまくいかないものなのですね。
 
永世称号のかかったタイトル戦というのはそうそうありませんから、
そんな貴重な機会がありましたら、皆さんも気にしてみてはいかがでしょうか。
より面白く観戦できること請け合いです。

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