雨宮編集長のコゴト@振り飛車穴熊と将棋世界|将棋情報局

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雨宮編集長のコゴト@振り飛車穴熊と将棋世界

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みなさま、お暑うございます。

 こんな国ではなかったのに、と思えるほど、年々夏が厳しくなっていく気がします。将棋が室内ゲームで本当によかった。お出かけの際には、いや、ご自宅にいるときも体調にはくれぐれもご注意ください。

 来週は世の中全体が夏休みモードになるのでしょうか。たいがいの週刊誌は、この時期に合併号を出して1週お休みとなります。
 週刊将棋に夏休みはありません。今月も休まずに毎週出します。創刊以来、ずっとそうです。ところが、なぜか世間並みにお休みの週があると思い込んでいる人がいるようなのです。「買いにいったら、今週はお休みですといわれたけど」という読者からのお問い合わせが、毎年のようにあります。
 デマです。ガセです。間違いなく発行しますので、よろしくお願いします。

 夏の将棋界は王位戦七番勝負がメインマッチです。第3局は広瀬章人八段が終盤の見事な追い込みで逆転勝ちをおさめました。羽生善治王位は勝数歴代2位に並んだところで足踏み状態ですね。後半戦が楽しみです。

 広瀬八段は振り飛車穴熊で王位を獲得しました。筆者が学生だった30数年前は振り穴の全盛期。自分でもずいぶん指しましたので、この戦法には強い思い入れがあります。穴熊でのタイトル奪取は、福崎文吾九段が十段を獲得したときのような快感がありました。
 ところが、ご存知のように今の広瀬八段は振り穴を封印しています。発売中の『将棋世界』9月号「ぼくはこうして強くなった」で本人が語っているところによると、すでに王位獲得のころから降り穴の限界を感じていたようなのです。得意戦法、伝家の宝刀、などとこちらはあおっていましたが、本人にしてみれば「困ったら穴熊」という状態だったのです。
 思い起こせば、福崎九段も十段獲得以降は、振り穴の採用がめっきり減りました。広瀬八段と同じような限界を感じていたのでしょうか。

 広瀬八段が居飛車で戦うことをとやかく言うつもりは毛頭ありません。それでも穴熊世代としては、振り飛車穴熊の使い手がいなくなるのはさびしいことです。観戦の楽しみとして「だれそれの将棋が見たい」ということのほかに、「あの戦法が見たい」ということも間違いなくあります。

『将棋世界』最新号には、もうひとつ興味深い話がありました。升田幸三賞受賞者による座談会「創造の原動力」で、藤井猛九段がこう語っているのです。

 本当に好きな戦法はというと、「振り飛車穴熊」かもしれない。具体的にどの形がというわけではないけど、振り飛車と穴熊の組み合わせって美しいじゃないですか。

 そして、菅井竜也六段も次のように言っています。

 振り穴は好きですね。振り飛車党はみんな好きなのかもしれません。

 ああ、泣けてきます。振り穴は死なず!
 もっとも、もう一人の座談会出席者の佐藤康光九段は否定的でしたが…。

『将棋世界』最新号、小出しにしてしまいましたが、もちろん確信犯に決まってます。面白そうでしょ?
 全国書店で好評発売中! ぜひお買い求めください。
 
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