鈴木記者のチョイネタばらし「単純確率で見る名人戦挑戦者」|将棋情報局

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鈴木記者のチョイネタばらし「単純確率で見る名人戦挑戦者」

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 みなさま、こんにちは。将棋世界編集部の鈴木です。

王将戦に続いて棋王戦が開幕しましたね。週末には朝日杯将棋オープン戦の準決勝、決勝戦も行われ、NHK杯も佳境を迎えています。さらに順位戦も各クラスで昇級者が決まりだし、将棋ファンにとっては楽しみな時期を迎えたのではないでしょうか。

鈴木は先日、A級順位戦の8回戦(ラス前)を取材してきました。いちばん印象に残ったのは、なんといっても▲行方八段―△深浦九段戦でした。行方八段が先攻して優勢に見えましたが、深浦九段も粘って入玉を果たし、果てしなき死闘に。終局は深夜2時半過ぎ、手数は271手で行方八段が勝利しました。


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さて、今期の名人挑戦者争いは混戦模様で、8回戦が始まる前に挑戦の目が9人に残っていました。
しかしこれは2敗勢(行方、久保、広瀬)の3名全員が8回戦で敗れることが条件で、さすがにこうはならず、2敗の行方八段と久保九段、3敗の渡辺二冠と広瀬八段の4名に絞られました。

さて、ここで表題の問題。プレーオフも含めて、今後の対局の勝率がすべて5割だとすると、この4名が挑戦者になる確率はどうなるでしょうか。

順位戦はプレーオフになった場合、下位者が勝ち上がっていくパラマス方式のトーナメントになるので、同じ2敗であっても確率は違ってきます。また3敗の二人についても、渡辺二冠は最終戦が久保九段との直接対決なのに対して、広瀬八段はそうでないので、他力の要素がより強くなります。

よって、答えは以下の通り。

行方八段 32/64(=1/2、50%)
久保九段 27/64(約42%)
渡辺二冠 4/64(=1/16、約6%)
広瀬八段 1/64(約1.5%)

計算したら、こうなりました。
でも、こんな数字はあまり意味がないのでしょう。2敗のお二人は最終戦に向けたコメントを求められた際、「自分の将棋を指すだけ」(行方)、「目の前の一局に集中するだけ」(久保)と、よく似た答えを口にしました。

今年のA級順位戦、最終局は3月1日に東京「将棋会館」で行われます。どんな結末を迎えるのか、筋書きのないドラマに期待しましょう。 お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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