「イメ読み」から「点数計算の鬼」(マイナビ将棋通信ノーカット版)|将棋情報局

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「イメ読み」から「点数計算の鬼」(マイナビ将棋通信ノーカット版)

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 こんばんは。編集部の米澤です。

今日は、マイナビ将棋情報局で一時流行った(?)ノーカット版です。
といっても、自社広告のノーカット版なので、いつものブログの内容とあまり変わりないという…。
量は多いです。

8月に発売される将棋世界に掲載予定の「マイナビ将棋通信 41」。
誌面に入り切らなかった分まで、みっちりご堪能ください。


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「イメ読み」書籍化第4弾!

7月25日に「トップ棋士の感覚 ~イメージと読みの将棋観~」(日本将棋連盟刊・定価1,540円+税)が発売いたします。
本誌の超人気企画「イメージと読みの将棋観」に掲載された内容に加え、当時の見解から評価が変わったものには、広瀬章人八段が現在の視点から解説を加えています。
本書に収録されているのは、渡辺明棋王、郷田真隆王将、森内俊之九段、久保利明九段、広瀬八段、豊島将之七段の6人で行われた時期のものになります。

光る6棋士の個性

6棋士の個性が色濃く出たのがこのテーマ図(下図)。持将棋濃厚のこの局面、6人の意見の一部を見てみましょう。




後手が1点足りるかどうかの勝負ですね。現状は23点くらい? でも、先手もぼろぼろ取られたら持将棋になっちゃう。普通に指すなら▲8五玉△4七歩成▲9四玉(C図)だけど、△4六桂で持将棋。実戦なら▲8五玉と指しちゃう。とりあえず9四まで玉が行きたいもん。




点数争いが得意? 丸山さんの将棋ですか?
この局面を見ると、点数では先手の方が多そうで、うまくやれば勝てるかもしれない。ただ、先手の飛車が捕まると持将棋になる。そこで点数稼ぎにいくなら、▲1八金が浮かぶ。▲1八金△同馬▲同飛△同竜▲5二角△3五玉▲6三角成△7八竜▲6八金(D図)でどうか。




これは▲7三と△同金▲8三香成(E図)とします。先手の狙いは▲8七金~▲8八飛で飛車を敵陣に逃げ込むこと。
▲7三と△4七歩成▲8三香成△4八成桂▲8七金とする。飛車さえ逃げてしまえば先手は負けなし。後手が24点取れるかどうかだが、少し足りないと思う。とはいえ、これは最後までやってみないと分からない部分もある。




点数? ハッハッハ。これは入ってみないと分からない。こういう将棋は6八の飛車が入れるかどうかの勝負なので、飛車を逃げることに全力を尽くす。
あ、だから▲1八金なのか。飛車を逃げ回るより、1点損で逃げちゃった方がいい。5点損より1点損の方がいいから、打ちますね、これ。


点数勝負は苦手なんです。数えても全く分からない。自分なら6八の飛車を助けたいが、そのプランが入玉素人の私には全く分からない。むしろ、飛車を助ける手が分からない。
形勢は? もう持将棋でいいです。負けはないと思うので、持将棋の提案をされたら受けます。


これは▲1八金です。△同馬▲同飛△同竜▲5二角△3五玉▲6三角成△7八竜▲5四馬(F図)で、持将棋か先手勝ちかぎりぎりのところ。最初に▲8五玉△3八歩で飛車を取られそう。それは持将稘でしょう。だから▲1八金で勝負する。ここで金を打てば勝ちか持将棋だから、金を打ちます。




同じ局面を見ても感じ方、考え方はさまざま。
これが「イメ読み」の魅力です。

テーマ図は138手目の局面。
ここで点数計算の鬼と言われる勝浦八段(当時)は「勝つ手」を考えていたといいます。
そして大山十五世名人が投了したのは265手目のB図。



なんと、最後は大山の点数が1点足りずに先手勝ち。
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