新刊案内「将棋魔法陣」 ~最近知った玉方の秘儀「打診中合い」~|将棋情報局

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新刊案内「将棋魔法陣」 ~最近知った玉方の秘儀「打診中合い」~

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皆さんこんにちは。
尊敬する人は伊藤看寿の島田です。

今日は先週角さんに紹介していただいた
将棋魔法陣 ―二上達也詰将棋作品集―」の紹介を私もしてみんとてするなり。

実はこの書籍、皆さんご存じの関東若手棋士による東竜門のツイッターで取り上げていただきました。

そこで「最近では44番に『打診中合い』と呼ばれる手筋が、この変化が発見される前に使われていたのではと話題です」と書いてあります。

・・・ダシンチュウアイって何やねん。

と思いますよね?私もそう思ったので今日はこいつを掘り下げてみようかと思っております。

さっそく噂の将棋魔法陣第44番をご覧ください。


詰将棋が得意な方は考えてみてください。53手詰です。あと、これから答えを書いちゃうので、将棋魔法陣を購入して自力で解く予定の人はこれから先は読まないでください。

シンキングターイム!チッチッチッチッ・・・。

 

こういうのは鑑賞してふんふん、と分かったような気になるのが私レベルの読み方。

答えは▲7三角△3七歩合▲同角不成以下の53手詰です。
前回も書きましたが、81マスの全部の場所に玉を配置して、しかも全ての作品に「不成」が入っているのが将棋魔法陣。あーおそろしい。この作品では3手目に不成が出てきました。

実は本作は「攻め方1九歩の消去」という目からうろこの手順が途中にあるんですが、そちらは書籍を参照していただくとして、今日はあくまで「打診中合い」のお話を。

正解手順3手目の▲3七同角不成がポイントで2手目の△3七歩合の解説にこう書いてあります。

「△4六歩合は、▲同角成△3七歩合▲同銀~(中略)まで。」△3七歩のところ△4六歩とすると、今度は角成られて詰むよと。

まとめるとこういうことです。

▲7三角に対して△3七歩だと▲同角不成で詰む。(▲同角成だと詰まない)
▲7三角に対して△4六歩だと▲同角成で詰む。 (▲同角不成だと詰まない)

まとめました。
だからなんだよ、と思いましたね?

でもここで考えてみてください。

じゃあ▲7三角に対して△5五歩と打ったらどうなるんでしょう??

実際は5八に歩がいるので打てませんが、もし打てたらの話です。

△5五歩に対して▲同角成としたら△3七歩に▲同角不成とできないので詰みません。
△5五歩に対して▲同角不成としてしまうと、今度は△4六歩に▲同角成とできない(5五から移動したので成れない)のでやはり詰みません。

これが玉方の受けの秘儀「打診中合い」です!!

なるほどー!!まじすげー。まじ感動。

この「打診中合い」があるから6筋と5筋に歩が置いてあったんですね!?二上先生!

この手筋は現代詰将棋においてもホットなやつらしいですよ。


と、こんなことは本書で若島さんがもっと詳しく解説してありますので、本を買った方は是非そちらを読んでください。

詰将棋は苦手ながら詰将棋鑑賞は好きなのでこういうのは面白いです。
みなさんも面白いと思っていただけると幸いです。

次回は「取らせ短打」を掘り下げたいと思います。

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