新刊案内「中座の横歩取り」 ~44ページに載っていたまさかの角捨て~|将棋情報局

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新刊案内「中座の横歩取り」 ~44ページに載っていたまさかの角捨て~

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 みなさんこんにちは。
バッシー(ハッシーではない)の「黒いデジタル麻雀」を勉強中の編集部島田です。

さて、今日は5月23日発売予定の中座先生の新刊「後手番で勝つ!中座の横歩取り」を紹介します。




マイナビ書籍では珍しく、帯が4色です。って、この画像だと、どこからが帯なのか分かりませんね。

中座先生といえば△8五飛戦法の創始者。現在の横歩取りの流行はこの人の天才的発想に端を発するもの、と言っても過言ではありません。

この本の打ち合わせをした際に先生が「横歩取りは後手の戦法ですから」とおっしゃられたのがとても印象的です。横歩を取るのは先手なんですが、後手が誘導する作戦なのでそう言われたのかもしれませんが、私は中座先生の「横歩取りの後手番に対する挟持」のようなものを感じました。

さて、前置きが長くなりましたが、この本は「横歩取りの後手番で勝つための本」です。
横歩取りの後手番といえば飯島先生仕込みの△4四角戦法を貫いてきた私ですが、最近勝てなくなってきたのも事実。
ここは中座先生に後手番での指し方を教えていただきましょう。


それでは深呼吸して次の図を見てください。



図のように先手の▲6八玉型には△7二銀型が有効だと中座先生は言っています。
本書では「G7」と呼ばれる形です。なんかかっこいいです。

で、書籍冒頭に書いてあるんですが、この「G7」の形には攻め筋が4つあるんです。
?△8六歩の合わせ
?△7三桂~△7五歩
?△2三銀~△2四飛
?△7三銀~△6四銀

本書ではこの攻め筋のことを「武器」といってます。これもなんかカッコいいです。

「中座の横歩取り」は一言で言うと、先手のいろいろな形に対して、後手の最善の陣形と武器を教えてくれる本ということになります。

この本を片手に後手番横歩取りの経験値を積めば相当勝てそうな気がします。

さて、今日はその中から一つの武器をご紹介。

先ほどの△7二銀と上がった局面で先手が▲4八銀と上がったとします。



まぁよくある形ですよね。ここで先ほど紹介した4つの武器の中でどれを使うか?ということになるんですが、ここでは武器?の△2三銀~△2四飛がいいそうです。

先手の銀が▲3八銀だったら、また話は違うんですが、(その場合は武器?が有効)▲4八銀なので、なんとなく2筋方面の守りが弱そうです。だから武器?の飛車ぶつけが有効になるんです。ははぁなるほど。

極めて論理的な中座先生。

では実際に見てみましょう。



さっきの▲4八銀から△2三銀▲3六歩△2四飛!とぶつけます。

▲2四同飛は△同銀▲3九金△2六歩▲2八歩と進んで後手指しやすし。

と、いうわけで▲2五歩なんですが、△7四飛と回って▲7七金△3四銀▲3七銀△3五歩▲4六銀△3六歩▲3五歩と進んで次の図。



なぜこんなに長い手数を進めたかというと、ここで思わず紹介したくなるすごい手があるからなんです。もちろん△2三銀ではダメです。▲3八金~▲3六飛で手も足もでなくなります。

どんな攻め筋があるか、少し考えてみてください。当たったらすごいです。

(シンキングタイム)

 

 

 

 

では正解行きます。

正解はなんと△1五角▲1六飛△2五銀!!





ええー!!そんな手が!?
角タダですが!

ここで▲1五飛と取ると△2四飛!でもう後手有利という!



いやー、こんな手順があるんですね。実戦でここまで進むことは少ないでしょうけど、読んでいてびっくりしたので思わず紹介してしまいました。

とにかく、この本には先手のこの形にはこれ!という感じで、中座先生が陣形と武器を授けてくれます。

先手の陣形、後手の陣形、後手の攻め筋がいろいろあって、「ごちゃごちゃしてて分かんねー!」と思っていた方にとっては、待ってましたの素晴らしい書籍だと思います。

横歩取りの後手番で勝ちたいという方はぜひ読んでください。

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