新刊「四間飛車の逆襲」 ~7筋の歩交換には厚みで勝負~|将棋情報局

将棋情報局

新刊「四間飛車の逆襲」 ~7筋の歩交換には厚みで勝負~

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 みなさんこんにちは。囲碁クエストでようやく1級に到達した藤原です。ただ段の方々が強すぎてすぐに落とされそうなので、何とか維持できるように頑張りたいです。

今回は8月18日発売予定「四間飛車の逆襲」を紹介。
前回前々回のブログではともに先手番の四間飛車でしたが、今回は後手番における四間飛車について取り上げたいと思います。

先手四間飛車では▲6六銀型から積極的に仕掛ける順が軸でしたが、後手番での主な形は△5四銀型と△3二銀型。ともに穴熊側からの仕掛けに対してカウンターを狙っていく順が多くなってきます。ちなみになぜ後手番で△4四銀型を解説しないのか?と思った方もいらっしゃるかもしれませんがそれについては序章で触れていますので、そちらをご一読していただければと思います。


今日は△5四銀型から一部抜粋。



図は▲7八飛と回って7筋の歩交換を目指した局面。ここで1歩持って飛車を2筋に戻して攻めるという展開が多く、この対策に苦慮している方も多いのではないでしょうか。▲7八飛以下、△8四歩▲7五歩△同歩▲同飛△8三銀▲7八飛△8二玉▲2八飛△2二飛と進んで下の図。



7筋を攻められそうなので銀冠に組むのは自然ですが、途中△8二玉と上がったのは細心の注意を払った手。△7二金としたほうが手堅そうですが、それは▲3五歩△同歩▲3四歩以下仕掛ける順があります。なぜ△7二金だと仕掛けが成立するかは本で確認していただくとして、石井先生いわく後手四間飛車は、銀冠に組めるかどうかが一つの勝負どころである」ということなので組み上がるまではなかなか気が抜けません。

△2二飛以下は▲3七角△7二金▲7九金△1四歩▲1六歩と進行。



△7二金で銀冠に囲えてひとまず一息つける形に。ただ上の局面でつい△7四歩と打ちたくなりますが、それではなんと駄目。具体的には▲6八銀~▲7七銀~▲7六銀と好形に組まれて作戦負けになってしまうようです。将来▲7五桂などの筋が怖いですが、それよりも相手の理想形を阻むことが大事なようです。

ではどう指せばいいのかというと△7四歩に代えて△7四銀!と出るのが新構想。



自ら銀冠を崩すようですが、穴熊の「堅さ」に対して「厚み」で勝負する算段です。以下△7五歩と位を取って結果図。



穴熊の堅さも相当ですが、後手陣の厚みもなかなか。穴熊側も手を作るのは難しく、以下は千日手を狙いつつ時期を見て△6五歩を決行する感じになります。
組み上がるまでいろいろ注意すべき点はありますが、「厚み」で勝負する形はここ以外にもわりと出てきます。みなさんもこの本で四間飛車の「厚み」の楽しさをぜひ味わってください。ではでは。


お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
将棋情報局では、お得なキャンペーンや新着コンテンツの情報をお届けしています。

著者