2015.08.14
新刊案内「研究で勝つ!相横歩取りのすべて」~将棋世界飯島七段の講座が待望の書籍化~
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
皆さんこんにちは。
将棋文化検定を受験しようかどうか迷っている編集部の島田です。
今日は9月15日発売予定の飯島先生の新刊「研究で勝つ!相横歩取りのすべて」をご紹介いたします。
これは将棋世界での飯島先生の連載「横歩取り裏定跡の研究」を書籍化したもので、私が大好きな△4四角戦法を解説した「横歩取り超急戦のすべて」の姉妹編にあたるものです。
まずは気合の入ったまえがきをどうぞ。
===========================
まえがき
横歩取り党には3種類あると思う。その1は横歩取り△4五角戦法に代表される「ハメ手定跡」を主眼に追及するタイプ。細かい理屈よりも横歩取りの激しい変化を楽しむ姿勢で、アマの方にはこれが多いはず。
もう1つは「後手の可能性」を冷静に追求するタイプ。現在の横歩取り△3三角戦法を見ればお分かりのように、実に細かい研究がなされている。後手を持つ棋士の多くは角換わりや矢倉の後手と横歩取りの後手の有利不利を比較した上で横歩取りを採用しているのだ。現代のプロの横歩取り党の99パーセントがこのタイプだといえる。
今回紹介する相横歩取りはこれらの中間に位置する定跡だと思う。ハメ手の要素もたっぷりあるが、そればかりではない。プロが追求しうる理論もかなりある。というわけで、この相横歩取りはアマプロ両方にファンがいる。自分のことを棚に上げて申し訳ないが、プロも△3三角戦法ばかりでなく、もっと楽しい定跡を追及するべきだと思う。
===========================
バファリンの半分が優しさでできているように、
相横歩取りは「ハメ手要素+プロが追求する理論」でできていると。なるほど。
さて、続いては目次をご覧ください。
第2章のところに「青野流▲4六角」と書いてあって、第3章は「青野流に挑む後手」となっています。
今日はこのあたりをちょっと紹介してみようと思います。
まず、「青野流▲4六角」ってなんやねん、って話ですが、これです。
あー、これね、って感じですよね。
私もぎりぎり知ってました。
以前はこの▲4六角に代えて▲8二歩△同銀▲5五角だったらしいんですが、▲4六角と打って△8二角▲同角△同銀▲5五角とすれば、あら不思議!先手が一歩捨てないで済みました。
これが「青野流▲4六角」です。
にゃるほど。そういうもんか。
で、▲5五角と両取りに打たれたところで後手もお返しに△8五飛の両取り。
実はさっき将棋クエストで相横歩取りをやってみて、ここまで来たんですが、間違えて△2五飛と打ってしまいまして、▲8二角成と銀を取られて将棋が終わっちゃいました(苦笑)
みなさん、飛車の打ち場所に注意しましょう♪
んで、△8五飛車に対しては▲8六飛と合わせて△同飛▲同銀。
ん?さっきの局面から先手の銀がゼロ手で前進しただけのように見えます。
が、この飛車の交換があとで効いてきます。
一気に飛ばしてここです。
この△5五角を香取りにするためにさっきの飛車交換があったと。
まさに深謀遠慮の一手。詳しくは書籍をご覧ください。
ここから定跡は▲7二銀△3七角成(香取らないんかい!)▲6八玉△7六桂▲7七玉△5九馬▲7六玉△7五銀▲同銀△同歩。
長く進めましたが、これがあの有名な「羽生の頭脳」に載っている定跡手順だそうな。
以下▲6六玉△6二金と進むんですが、この△6二金が実は詰めろ!というから驚き。
まだ定跡は続きます。
▲6三銀不成△8六飛▲7六歩△8一飛▲6二銀成以下先手勝ちが「羽生の頭脳」の結論。
その「羽生の頭脳」が発売された2ヶ月後にプロになって半年の北浜健介四段が▲7六歩を△同飛!と取って結論を覆したというお話。
ただその北浜先生の新手も覆されて結局先手勝ちが現在の定説。
と、ここまでのお話が本書の前提となっております。
正直、ここまでの手順をちゃんとマスターするだけでも大抵のアマチュアには勝てるような気がします。少なくとも私には勝てます。
ここから先は変幻自在で、青野流の▲4六角に△2七角、△7三角、△6四歩といった手段の解説が続きます。
これだけの武器を手に入れれば、私のようなギリギリ▲4六角を知っているくらいの人には連戦連勝でしょう。
書籍ではさらに先手の別の形も解説されています。
先の電王戦で現れた▲7七歩△7四飛▲3六飛!の形もでてきますよ。
相横歩取りのいいところは先手が▲3四飛と横歩を取ってくれば、100%この形にできる、というところですね。
このブログを書く前に将棋クエストで何局か試したんですが、最近先手で横歩取りをする人も多いので、自分が望めばかなりの確率で相横歩取りにできます。
あと、やっていて面白いところですね。
序盤で大駒を持ち合うのは他の戦型にはないスリルがあります。
と、いうわけで「研究で勝つ!相横歩取りのすべて」は来月15日発売です。
相横歩取りで残暑を吹き飛ばし方はぜひご購入ください。
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
将棋文化検定を受験しようかどうか迷っている編集部の島田です。
今日は9月15日発売予定の飯島先生の新刊「研究で勝つ!相横歩取りのすべて」をご紹介いたします。
これは将棋世界での飯島先生の連載「横歩取り裏定跡の研究」を書籍化したもので、私が大好きな△4四角戦法を解説した「横歩取り超急戦のすべて」の姉妹編にあたるものです。
まずは気合の入ったまえがきをどうぞ。
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まえがき
横歩取り党には3種類あると思う。その1は横歩取り△4五角戦法に代表される「ハメ手定跡」を主眼に追及するタイプ。細かい理屈よりも横歩取りの激しい変化を楽しむ姿勢で、アマの方にはこれが多いはず。
もう1つは「後手の可能性」を冷静に追求するタイプ。現在の横歩取り△3三角戦法を見ればお分かりのように、実に細かい研究がなされている。後手を持つ棋士の多くは角換わりや矢倉の後手と横歩取りの後手の有利不利を比較した上で横歩取りを採用しているのだ。現代のプロの横歩取り党の99パーセントがこのタイプだといえる。
今回紹介する相横歩取りはこれらの中間に位置する定跡だと思う。ハメ手の要素もたっぷりあるが、そればかりではない。プロが追求しうる理論もかなりある。というわけで、この相横歩取りはアマプロ両方にファンがいる。自分のことを棚に上げて申し訳ないが、プロも△3三角戦法ばかりでなく、もっと楽しい定跡を追及するべきだと思う。
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バファリンの半分が優しさでできているように、
相横歩取りは「ハメ手要素+プロが追求する理論」でできていると。なるほど。
さて、続いては目次をご覧ください。
第2章のところに「青野流▲4六角」と書いてあって、第3章は「青野流に挑む後手」となっています。
今日はこのあたりをちょっと紹介してみようと思います。
まず、「青野流▲4六角」ってなんやねん、って話ですが、これです。
あー、これね、って感じですよね。
私も
以前はこの▲4六角に代えて▲8二歩△同銀▲5五角だったらしいんですが、▲4六角と打って△8二角▲同角△同銀▲5五角とすれば、あら不思議!先手が一歩捨てないで済みました。
これが「青野流▲4六角」です。
にゃるほど。そういうもんか。
で、▲5五角と両取りに打たれたところで後手もお返しに△8五飛の両取り。
実はさっき将棋クエストで相横歩取りをやってみて、ここまで来たんですが、間違えて△2五飛と打ってしまいまして、▲8二角成と銀を取られて将棋が終わっちゃいました(苦笑)
みなさん、飛車の打ち場所に注意しましょう♪
んで、△8五飛車に対しては▲8六飛と合わせて△同飛▲同銀。
ん?さっきの局面から先手の銀がゼロ手で前進しただけのように見えます。
が、この飛車の交換があとで効いてきます。
一気に飛ばしてここです。
この△5五角を香取りにするためにさっきの飛車交換があったと。
まさに深謀遠慮の一手。詳しくは書籍をご覧ください。
ここから定跡は▲7二銀△3七角成(香取らないんかい!)▲6八玉△7六桂▲7七玉△5九馬▲7六玉△7五銀▲同銀△同歩。
長く進めましたが、これがあの有名な「羽生の頭脳」に載っている定跡手順だそうな。
以下▲6六玉△6二金と進むんですが、この△6二金が実は詰めろ!というから驚き。
まだ定跡は続きます。
▲6三銀不成△8六飛▲7六歩△8一飛▲6二銀成以下先手勝ちが「羽生の頭脳」の結論。
その「羽生の頭脳」が発売された2ヶ月後にプロになって半年の北浜健介四段が▲7六歩を△同飛!と取って結論を覆したというお話。
ただその北浜先生の新手も覆されて結局先手勝ちが現在の定説。
と、ここまでのお話が本書の前提となっております。
正直、ここまでの手順をちゃんとマスターするだけでも大抵のアマチュアには勝てるような気がします。少なくとも私には勝てます。
ここから先は変幻自在で、青野流の▲4六角に△2七角、△7三角、△6四歩といった手段の解説が続きます。
これだけの武器を手に入れれば、私のようなギリギリ▲4六角を知っているくらいの人には連戦連勝でしょう。
書籍ではさらに先手の別の形も解説されています。
先の電王戦で現れた▲7七歩△7四飛▲3六飛!の形もでてきますよ。
相横歩取りのいいところは先手が▲3四飛と横歩を取ってくれば、100%この形にできる、というところですね。
このブログを書く前に将棋クエストで何局か試したんですが、最近先手で横歩取りをする人も多いので、自分が望めばかなりの確率で相横歩取りにできます。
あと、やっていて面白いところですね。
序盤で大駒を持ち合うのは他の戦型にはないスリルがあります。
と、いうわけで「研究で勝つ!相横歩取りのすべて」は来月15日発売です。
相横歩取りで残暑を吹き飛ばし方はぜひご購入ください。
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