2015.09.24
新刊案内「矢倉△5三銀右戦法 仕掛けて勝つ後手矢倉の革命」~9ページに書いてあった△5三銀右戦法の基本~
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みなさんこんにちは。
シルバーウィークは主に実家で将棋クエストをしていた編集部の島田です。
20日の日曜日は社団戦に出てきました。相横歩をしたかったんですが、▲3四飛のところで▲2六飛と引かれてしょんぼりでした。
その対局には運良く勝てたんですが、あとの2局は矢倉で完敗を喫しました。
弱い、弱すぎる私。
と、その対局の後で私は一冊の戦術書のゲラを読みました。
それが10月14日発売の西尾先生の新刊「矢倉△5三銀右戦法 仕掛けて勝つ後手矢倉の革命」です。

これを読んで私は思いました。
社団戦の前に読んどきゃよかったと。
とにかくこの本には西尾先生の「一つの戦法を極めてやろう」という情熱がみなぎってます。漢字一文字で表すと「極」です。
「矢倉△5三銀右戦法」は普通「矢倉△5三銀右急戦」と呼ばれます。でも△5三銀右から持久戦になることも多いんです。本書では急戦と持久戦、その両方について血の滲むような詳しい研究が披露されております。
目次を見ると、こんな感じになっております。
序 章 △5三銀右戦法の概要
第1章 相矢倉型
第1節 ▲2五歩に△5四銀
第2節 ▲2五歩に△3三銀
第2章 角交換型
第1節 角交換後の△4四歩
第2節 △3一玉に▲1八角
第3節 △3一玉に▲7九玉
第4節 △3一玉に▲2五歩
第3章 角交換拒否型
第1節 ▲4六角に△6四銀
第2節 ▲4六角に△6四歩
第4章 飛車先交換型
第1節 ▲8七歩に△8五飛
第2節 ▲8七歩に△8二飛
△5三銀右から始まる全ての変化を網羅してる感じです。聡明な西尾先生による論理的な解説が分かりやすくて気持ちいいです。
論理的にすっきりしているという点では将棋戦術書の中でも随一かもしれません。
さて今日は、本書の導入部を少し拝借させていただいて、△5三銀右戦法の概要をちょいと紹介いたします。
まず、
「矢倉△5三銀右戦法」って何?ってことですが、これです。

ごくごく普通の矢倉で、このタイミングで△5三銀右と上がるのがポイントです。
ちなみに普通は△5二金ですよね。
でも△5三銀右戦法をやるときは飛車回りの可能性を残すのと▲7一角の筋を消す意味もあって△5二金は上がらない方がいいそうです。ふむふむ。
で、ざっくり言うとこの状態から下図の形を目指して戦うのがこの戦法です。

角が2二→5五→7三と移動しました。イメージはこんな感じです。

一時期阿久津先生が連採して勝ちまくっていたので阿久津流急戦ともいいますね。
西尾先生はこの形に組むメリットは3つあるとおっしゃっています。
組むだけで3個もメリットがあるって、よほどいい作戦なんですねー。ちなみにその3つというのは以下のとおり。
◆メリットその1
・通常の矢倉戦で角を7三に持っていくには3一~6四~7三と3手かかるのに対し、本戦法は5五~7三と2手で済ますことができる。
→確かに!これは明らかに得ですよね。
◆メリットその2
・7三角が飛車を間接的ににらんでいて、先手の攻撃陣を牽制できる。
→角のにらみが昆布のダシくらい効いてます。今にも△3六桂と打たれそうで怖いです。
◆メリットその3
・△5四銀型の矢倉が非常に攻守にバランスの取れた好形である。
→中飛車とかでもそうですけど、この位置の銀って基本いい形ですよね。ここに銀が行きたかったから金を6一に置いたままなんですね。
なるほどなるほど。
この△7三角と△5四銀のいい配置を作って勝とうよと。
確かにここからは△5二飛と回る手や△6四歩~△6五歩、場合によっては△8四角~△7三桂と自由自在に攻められそうです。
しかもアマチュア的にうれしいのがここから△3一玉~△5一金とした形(下図)がめちゃくちゃ堅い!ということですね。むしろ私がゲラを読んだ感じではこの「玉が堅い」ということがこの戦法の最大のメリットなんじゃないかと思ったくらいです。多少無理しても攻めがつながれば勝てるので、安心して戦えます。

これはかの有名な羽生―渡辺戦です。2筋受けなくていいの?と思いましたね?
おめでとうございます。私と同じです。(めでたくない)
ただ、ここで▲2四歩△同歩▲同角には、そこで用意の好手があって後手が良くなります。(詳しくは書籍で!)
下図もかの有名な森内―渡辺戦で、この戦法の一変化ですが、このように一方的に馬を作られて香損しても後手がいいという話ですから、つくづく堅さは正義です。

自玉を気にしないで攻めに専念できるので、西尾先生も「相手の攻めが自玉から遠く、駒損を気にしないこういった攻めは穴熊などに通じる感覚があるかもしれない」と書いています。つまり「△5三銀右戦法=穴熊みたいなもん」という公式が成り立ちます。今日これだけは覚えて帰りましょう(予備校教師風)。
さてさて、今日は特別に一つこの戦法を指す上で大事なことをお教えしちゃいます。ブログを読んだ方の特典です。おめでとうございます。
それは、書籍の最初にも書いてあることなんですが、「先手が▲7七銀と上がってから△5五歩を突く」ということです。
ん?なに?と思いましたね?
つまり、こういうことです。

この教えを守らないと大変なことになります。
▲7七銀を上がらないうちに△5五歩を突いたとするとどうなるでしょうか?

ここで先手に▲6五歩!と突かれる手があります。
すると、△5六歩と取った時に▲2二角成△同金▲5五角でいきなり将棋が終わってしまいます!!
あちゃー!

いやー、怖い怖い。
と、いうわけで△5三銀右と上がった後で、△8五歩▲7七銀を入れてから△5五歩▲同歩△同角がポイントです。
みなさん覚えましたね?それでは今日早速ネット将棋で試してみてください。
後手番でも自分から動けますし、玉も堅いので勝ちやすいと思います。
本書には△5三銀右以降考えられるほぼ全ての変化が載ってますから、これを読めば後手矢倉における必殺の武器を手に入れたことになります。
発売は10月14日(水)です。
全国300万人(島田推定)の居飛車党のみなさん、お楽しみに!
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シルバーウィークは主に実家で将棋クエストをしていた編集部の島田です。
20日の日曜日は社団戦に出てきました。相横歩をしたかったんですが、▲3四飛のところで▲2六飛と引かれてしょんぼりでした。
その対局には運良く勝てたんですが、あとの2局は矢倉で完敗を喫しました。
弱い、弱すぎる私。
と、その対局の後で私は一冊の戦術書のゲラを読みました。
それが10月14日発売の西尾先生の新刊「矢倉△5三銀右戦法 仕掛けて勝つ後手矢倉の革命」です。

これを読んで私は思いました。
社団戦の前に読んどきゃよかったと。
とにかくこの本には西尾先生の「一つの戦法を極めてやろう」という情熱がみなぎってます。漢字一文字で表すと「極」です。
「矢倉△5三銀右戦法」は普通「矢倉△5三銀右急戦」と呼ばれます。でも△5三銀右から持久戦になることも多いんです。本書では急戦と持久戦、その両方について血の滲むような詳しい研究が披露されております。
目次を見ると、こんな感じになっております。
序 章 △5三銀右戦法の概要
第1章 相矢倉型
第1節 ▲2五歩に△5四銀
第2節 ▲2五歩に△3三銀
第2章 角交換型
第1節 角交換後の△4四歩
第2節 △3一玉に▲1八角
第3節 △3一玉に▲7九玉
第4節 △3一玉に▲2五歩
第3章 角交換拒否型
第1節 ▲4六角に△6四銀
第2節 ▲4六角に△6四歩
第4章 飛車先交換型
第1節 ▲8七歩に△8五飛
第2節 ▲8七歩に△8二飛
△5三銀右から始まる全ての変化を網羅してる感じです。聡明な西尾先生による論理的な解説が分かりやすくて気持ちいいです。
論理的にすっきりしているという点では将棋戦術書の中でも随一かもしれません。
さて今日は、本書の導入部を少し拝借させていただいて、△5三銀右戦法の概要をちょいと紹介いたします。
まず、
「矢倉△5三銀右戦法」って何?ってことですが、これです。

ごくごく普通の矢倉で、このタイミングで△5三銀右と上がるのがポイントです。
ちなみに普通は△5二金ですよね。
でも△5三銀右戦法をやるときは飛車回りの可能性を残すのと▲7一角の筋を消す意味もあって△5二金は上がらない方がいいそうです。ふむふむ。
で、ざっくり言うとこの状態から下図の形を目指して戦うのがこの戦法です。

角が2二→5五→7三と移動しました。イメージはこんな感じです。

一時期阿久津先生が連採して勝ちまくっていたので阿久津流急戦ともいいますね。
西尾先生はこの形に組むメリットは3つあるとおっしゃっています。
組むだけで3個もメリットがあるって、よほどいい作戦なんですねー。ちなみにその3つというのは以下のとおり。
◆メリットその1
・通常の矢倉戦で角を7三に持っていくには3一~6四~7三と3手かかるのに対し、本戦法は5五~7三と2手で済ますことができる。
→確かに!これは明らかに得ですよね。
◆メリットその2
・7三角が飛車を間接的ににらんでいて、先手の攻撃陣を牽制できる。
→角のにらみが昆布のダシくらい効いてます。今にも△3六桂と打たれそうで怖いです。
◆メリットその3
・△5四銀型の矢倉が非常に攻守にバランスの取れた好形である。
→中飛車とかでもそうですけど、この位置の銀って基本いい形ですよね。ここに銀が行きたかったから金を6一に置いたままなんですね。
なるほどなるほど。
この△7三角と△5四銀のいい配置を作って勝とうよと。
確かにここからは△5二飛と回る手や△6四歩~△6五歩、場合によっては△8四角~△7三桂と自由自在に攻められそうです。
しかもアマチュア的にうれしいのがここから△3一玉~△5一金とした形(下図)がめちゃくちゃ堅い!ということですね。むしろ私がゲラを読んだ感じではこの「玉が堅い」ということがこの戦法の最大のメリットなんじゃないかと思ったくらいです。多少無理しても攻めがつながれば勝てるので、安心して戦えます。

これはかの有名な羽生―渡辺戦です。2筋受けなくていいの?と思いましたね?
おめでとうございます。私と同じです。(めでたくない)
ただ、ここで▲2四歩△同歩▲同角には、そこで用意の好手があって後手が良くなります。(詳しくは書籍で!)
下図もかの有名な森内―渡辺戦で、この戦法の一変化ですが、このように一方的に馬を作られて香損しても後手がいいという話ですから、つくづく堅さは正義です。

自玉を気にしないで攻めに専念できるので、西尾先生も「相手の攻めが自玉から遠く、駒損を気にしないこういった攻めは穴熊などに通じる感覚があるかもしれない」と書いています。つまり「△5三銀右戦法=穴熊みたいなもん」という公式が成り立ちます。今日これだけは覚えて帰りましょう(予備校教師風)。
さてさて、今日は特別に一つこの戦法を指す上で大事なことをお教えしちゃいます。ブログを読んだ方の特典です。おめでとうございます。
それは、書籍の最初にも書いてあることなんですが、「先手が▲7七銀と上がってから△5五歩を突く」ということです。
ん?なに?と思いましたね?
つまり、こういうことです。

この教えを守らないと大変なことになります。
▲7七銀を上がらないうちに△5五歩を突いたとするとどうなるでしょうか?

ここで先手に▲6五歩!と突かれる手があります。
すると、△5六歩と取った時に▲2二角成△同金▲5五角でいきなり将棋が終わってしまいます!!
あちゃー!

いやー、怖い怖い。
と、いうわけで△5三銀右と上がった後で、△8五歩▲7七銀を入れてから△5五歩▲同歩△同角がポイントです。
みなさん覚えましたね?それでは今日早速ネット将棋で試してみてください。
後手番でも自分から動けますし、玉も堅いので勝ちやすいと思います。
本書には△5三銀右以降考えられるほぼ全ての変化が載ってますから、これを読めば後手矢倉における必殺の武器を手に入れたことになります。
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全国300万人(島田推定)の居飛車党のみなさん、お楽しみに!
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