新刊案内「角換わり腰掛け銀最前線 ~いま、プロが注目する三つの指し方~」 世に伊奈さんってなぁに?|将棋情報局

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新刊案内「角換わり腰掛け銀最前線 ~いま、プロが注目する三つの指し方~」 世に伊奈さんってなぁに?

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 皆さんこんにちは。
目玉焼きにはもちろん醤油派の編集部の島田です。

将棋ファンなら誰もが知る名著「Zの法則」から18年、日浦先生の待望の新刊が発売されます!

その名も「角換わり腰掛け銀最前線 ~いま、プロが注目する三つの指し方~」。



タイトル:角換わり腰掛け銀最前線 ~いま、プロが注目する三つの指し方~
著者:日浦市郎
価格:1,540円+税
発売日:2015年11月13日


最初に言っておきたいのはこの本は今までに出たどんな棋書とも違う、全く新しいタイプの戦術書だとということです。


その証拠に目次をご覧ください。



まじかっ!
渡辺、糸谷、羽生、永瀬、佐藤天・・・。第一線で活躍する先生方の名前が上がっております。

ちなみにタイトルの「プロが注目する三つの指し方」とは

(1)先後同型
(2)豊島新手△2四銀
(3)反撃の▲6四角


を指しています。

本書では、この3つの形に絞って、直近のプロの実戦を題材に解説、角換わりの現在が分かる内容になっております。

正直、「プロの角換わりは複雑でよくわからん」と思っている方も多いと思うんですが、本書を読めば、「へぇー」を連発するはず。

と、いうわけで本日は新刊の中から「先後同型」について紹介させていただきます。

みなさんご存じだとは思いますが、先後同型とはこの形のことです。



ここから4・2・1・7・3筋の歩を5連続で突き捨てるやつです。
かの有名な「世に伊奈さん」です。

「世に伊奈さん」。
・・・誰が最初に言い出したんですかね?伊奈先生の名前が入っている辺りがいかにも業界用語って感じで好きです。


本書にも書いてありますけど同型から歩を5枚も捨てる手順が有力って、考えてみると「ホントかよ」と思います。普通5歩損したら勝てませんよ。

ちなみに「世に伊奈さん」を全部取る、つまり上の図から▲4五歩△同歩▲2四歩△同歩▲1五歩△同歩▲7五歩△同歩▲3五歩△同歩とすると▲4五桂(下図)で先手有利なんだそうです。




プロの実戦も4局あって、全部先手が勝っているとのこと。

なので、「世に伊奈さん」の最後の3は取らないで△4四銀とするか△8六歩と突くか、なんですが、△4四銀には▲2四飛△2三歩▲2九飛として、あとでかの有名な▲1一角があって先手優勢ということになっております。


※ここで飛車を見捨てて▲4四角成!あちょー!!

と、いうわけで「世に伊奈さん」の最後の3を取らないで、△4四銀ともしないで、△8六歩とするのが今のブームだそうな。



この△8六歩を▲同銀と取るか、▲同歩と取るか、(▲同銀と取ったのは渡辺先生、▲同歩は村山先生)

さらに▲同歩のあと△7六歩▲同銀△8六飛に▲8七金とするか▲8七銀とするか。(▲8七金が村山先生、▲8七銀が糸谷先生)。

「世に伊奈さん」としないで4・3と突き捨てるのもたまにある。(やったのは羽生先生)

とかなんとか。微妙なところでプロ棋士がいろいろ試していることが本書を読むと分かります。プロ棋士の先生方の試行錯誤っぷりはすごいですし、読んでいて面白いです。

楽しく読めるのは日浦先生の筆力が素晴らしいからなんですが。

まさに現在進行中の定跡のキワのキワの部分を生の実戦を素材に解説した一冊。
本当の「最前線」を体感したい方にぜひ読んでいただきたいと思います。

それではみなさん、今週もよい週末将棋ライフを!

と、締めくくりたいところですが、このブログの読者の方には伊藤果先生の詰将棋を心待ちにしている方が何人かいらっしゃるようなので、そっと一問出しておきます。

▲3八金上△2九合▲2八銀までの3手詰、ではありませんよ。

ちなみに▲3八金上△2九角成▲2八銀△1八玉▲1九歩△同馬▲同龍までの7手詰、でもありません。

お気をつけ下さい。

解答が分かった方は例のごとくsoft@mynavi.jpまでご一報下さい。

ではみなさん、今週もよい週末将棋ライフを!!


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