2016.11.18
新刊案内「村山聖名局譜」 ~荒く勝つ!村山VS大山の天王戦~
お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
こんにちは。
先日、逆上がりができなくなっていた自分にがく然とした編集部島田です。
さて、突然ですがここで問題です。明日は何の日でしょう?私の誕生日、ではありません。私が初めて逆上がりをした日でもありません。
そうです。明日は『聖の青春』の封切り日です。いやー、ついに始まりますね。観るしかないです、これは。
そしてもう一つ、オンデマンド書籍として復活した「村山聖名局譜 プレミアムブックス版」の初回発送日でもあります。予約した方、楽しみにお待ち下さい。
まだ予約していない方は今すぐ予約しましょう。
えっ?「村山聖名局譜」を知らない?
そんな方のために今日は本書の一部を紹介したいと思います。
「村山聖名局譜」とは村山聖九段の代表局10局について、羽生善治三冠と先崎学九段が会話形式で解説するもので、将棋の本としてはとても珍しい体裁を取っています。
村山先生の名局を鑑賞できるのはもちろんですが、羽生先生と先崎先生の仲良さそうな会話を読むだけで将棋ファンとしてはヨダレものです。
今日は収録された10局の中から私的に面白かった
「第7回天王戦 平成3年11月2日 大山康晴戦」を紹介したいと思います。
当時六段の村山先生が大名人の大山先生に挑んだ一戦。
こんな将棋に進みます。
大山先生の四間飛車に対して、村山先生はガチガチの居飛車穴熊。
ここでの2人の会話はこうです。
先崎「△3二金右(図)とここまで組めないからなあ、普通は」
羽生「ここまで組ませてくれるのは、大山先生だけですね、きっと」
さすがに村山先生の作戦勝ちのようです。戦いが始まって下図の場面を迎えます。
ここで羽生先生のオススメは△4四歩。先手の大駒をうまく押さえ込んでいるのでじっと歩を伸ばし、次の△4五歩と見ています。穴熊らしい安全勝ちを狙った一手という感じがします。
しかし村山先生はそんな生ぬるい手は指しません。ここで△6五桂!
あちょーー!!
激しくいくでー!!
▲6五同銀は△6七歩成から駒の取り合いになります。
実戦は▲5九角△5六歩▲同金△4六角▲同金△同桂とこちらも激しい駒の取り合いになりました。
この△6五桂についての羽生先生と先崎先生の会話はこうです。
先崎「しかし、荒っぽいんだよね、やっぱり。手厚く勝たない(笑)」
羽生「それはいえるかもしれない」
先崎「生涯通じて手厚く勝つという発想はなかった」
羽生「なるほど。荒く勝つ。そうだね、確かに」
先崎「でも7六の銀と交換にいくことはないよな」
羽生「わざわざね。押さえ込んでいるのにね」
なるほど。村山先生って、そういう棋風だったんですね。
安全勝ちはしない。あえて激しくいく。
いいと思います。
さらに局面は進んで下図。
※圭は成桂です
いま、△8三金を受けて▲7九桂と打ったところです。すごい辛抱で受けの大山本領発揮という感じです。ここで私のような凡人なら、桂を打ってくれたことに満足して△4八ととしたいです。
▲同角△同成桂▲同飛なら△5七角と打てます。
しかしかかし!当然村山先生はそんな手は指しません。まさかの△8七銀!
え!?
そっち!!??
今受けたところにさらにゴリ押していく一手。グリグリって感じです。村山先生が駒に込めた気迫が棋譜から伝わってくるよう。
ここでの2人の会話はこうです。
羽生「よく棋風が出ている」
先崎「棋風がにじみ出てますね。はっきりと」
羽生「△6五桂とか△8七銀とか」
先崎「とりあえず、駒がかっ飛ぶのが好きなんだな(笑)。ポーンって。また賢いんだよね、勝ち方が」
羽生「大山先生に対して、うまく粘らせなかったという感じじゃないかな」
先崎「△8七銀もいい手なんだ。遊び金がいなくなるからね」
羽生「これも快勝譜か」
先崎「快勝譜だね」
先崎先生の「駒がかっ飛ぶのが好き」という表現が好きです。
村山先生の将棋は有利になっても激しく行くので観ていて面白いです。羽生先生と先崎先生の軽妙なトークがその面白さを倍増させてくれます。まさに名著です。
映画も素晴らしいと思いますが、本書も負けず劣らず素晴らしいので、ぜひ読んでいただければ幸いです。
注文はこちらから
~~~~~~~~~~~~~~
早いもの勝ち!サイン本150冊以上を販売
秋のサイン本フェア開催中
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先日、逆上がりができなくなっていた自分にがく然とした編集部島田です。
さて、突然ですがここで問題です。明日は何の日でしょう?私の誕生日、ではありません。私が初めて逆上がりをした日でもありません。
そうです。明日は『聖の青春』の封切り日です。いやー、ついに始まりますね。観るしかないです、これは。
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「村山聖名局譜」とは村山聖九段の代表局10局について、羽生善治三冠と先崎学九段が会話形式で解説するもので、将棋の本としてはとても珍しい体裁を取っています。
村山先生の名局を鑑賞できるのはもちろんですが、羽生先生と先崎先生の仲良さそうな会話を読むだけで将棋ファンとしてはヨダレものです。
今日は収録された10局の中から私的に面白かった
「第7回天王戦 平成3年11月2日 大山康晴戦」を紹介したいと思います。
当時六段の村山先生が大名人の大山先生に挑んだ一戦。
こんな将棋に進みます。
大山先生の四間飛車に対して、村山先生はガチガチの居飛車穴熊。
ここでの2人の会話はこうです。
先崎「△3二金右(図)とここまで組めないからなあ、普通は」
羽生「ここまで組ませてくれるのは、大山先生だけですね、きっと」
さすがに村山先生の作戦勝ちのようです。戦いが始まって下図の場面を迎えます。
ここで羽生先生のオススメは△4四歩。先手の大駒をうまく押さえ込んでいるのでじっと歩を伸ばし、次の△4五歩と見ています。穴熊らしい安全勝ちを狙った一手という感じがします。
しかし村山先生はそんな生ぬるい手は指しません。ここで△6五桂!
あちょーー!!
激しくいくでー!!
▲6五同銀は△6七歩成から駒の取り合いになります。
実戦は▲5九角△5六歩▲同金△4六角▲同金△同桂とこちらも激しい駒の取り合いになりました。
この△6五桂についての羽生先生と先崎先生の会話はこうです。
先崎「しかし、荒っぽいんだよね、やっぱり。手厚く勝たない(笑)」
羽生「それはいえるかもしれない」
先崎「生涯通じて手厚く勝つという発想はなかった」
羽生「なるほど。荒く勝つ。そうだね、確かに」
先崎「でも7六の銀と交換にいくことはないよな」
羽生「わざわざね。押さえ込んでいるのにね」
なるほど。村山先生って、そういう棋風だったんですね。
安全勝ちはしない。あえて激しくいく。
いいと思います。
さらに局面は進んで下図。
※圭は成桂です
いま、△8三金を受けて▲7九桂と打ったところです。すごい辛抱で受けの大山本領発揮という感じです。ここで私のような凡人なら、桂を打ってくれたことに満足して△4八ととしたいです。
▲同角△同成桂▲同飛なら△5七角と打てます。
しかしかかし!当然村山先生はそんな手は指しません。まさかの△8七銀!
え!?
そっち!!??
今受けたところにさらにゴリ押していく一手。グリグリって感じです。村山先生が駒に込めた気迫が棋譜から伝わってくるよう。
ここでの2人の会話はこうです。
羽生「よく棋風が出ている」
先崎「棋風がにじみ出てますね。はっきりと」
羽生「△6五桂とか△8七銀とか」
先崎「とりあえず、駒がかっ飛ぶのが好きなんだな(笑)。ポーンって。また賢いんだよね、勝ち方が」
羽生「大山先生に対して、うまく粘らせなかったという感じじゃないかな」
先崎「△8七銀もいい手なんだ。遊び金がいなくなるからね」
羽生「これも快勝譜か」
先崎「快勝譜だね」
先崎先生の「駒がかっ飛ぶのが好き」という表現が好きです。
村山先生の将棋は有利になっても激しく行くので観ていて面白いです。羽生先生と先崎先生の軽妙なトークがその面白さを倍増させてくれます。まさに名著です。
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