心優しき先輩  九段 森内俊之|将棋情報局

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心優しき先輩  九段 森内俊之

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中 つい最近までお元気だっただけに、突然の訃報に接し本当に驚いている。
私が将棋を覚えた小学生の頃、「将棋マガジン」誌で河口先生の「対局日誌」のコーナーが始まり、毎回連載を楽しみにしていた。そして、プロになってからは、「対局日誌」の取材も兼ねて、少しずつ声を掛けていただく機会が増え、とても光栄に思っていた。
私が最初の名人戦を目前にしたある日、地元横浜で食事にお誘いいただいたことがある。きっと、初めての大舞台を前に張り詰めた毎日を心配して下さったのだと思う。そこでは、将棋界の歴史や裏話、先生の経験談などお聞かせ下さり、大変興味深く楽しいひとときだった。
近年では、二十代の若手棋士達と雑談なさっている様子をよくお見かけしていたし、後輩たちにも多くのものを残して下さったように思う。
河口先生の対局では、平成元年7月に行なわれたC級1組順位戦の村山聖九段との一戦(176、177ページ棋譜)が最も印象に残っている。
河口先生の四間飛車で始まったこの対局は、居飛車側の村山さんが左美濃から穴熊に組み替え、長手数のねじり合いに進展していった。途中、村山さんの強烈な攻めが決まったかと思われた場面もあったが、うまくしのぎ、タイミングの良い反撃から深夜に勝利を収めた。素晴らしい名局だと思う。
謹んで哀悼の意を表します。 お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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