『実戦で学ぶダイレクト向かい飛車の勝ち方』棋書アンバサダーによるレビュー ひろ様|将棋情報局

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『実戦で学ぶダイレクト向かい飛車の勝ち方』棋書アンバサダーによるレビュー ひろ様

『実戦で学ぶダイレクト向かい飛車の勝ち方』棋書アンバサダーによるレビュー第4弾です!

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レビュー第4弾はひろ様に書いていただきました。

全国大会に出場経験もあるということで、さすがの視点でした。

それでは、どうぞ!



レビュー記事を書かせて頂けることになりました、ひろと申します。
将棋は始めて18年ほどです。中学で始めて高校のときには全国大会にも出場しました。
大学の途中からたまにプロの先生の将棋を観戦する程度になっていましたが、社会人になってからまた指し始めました。

康光先生のあっと驚く序盤構想にはいつも驚かされてきました。ダイレクト向かい飛車を初めて見たのは2007年のNHK杯の決勝でした。いかにも危なそうな駒組みでこれが成立するのかと不思議に思ったのを覚えています。

本書の特長は、『実戦で学ぶダイレクト向かい飛車の勝ち方』というタイトルにもある通り康光先生の実戦を通してダイレクト向かい飛車の駒組みから終盤までどういう考え方で指せば良いのか、康光先生の考え方に触れられるということだと思います。後手番ダイレクト向かい飛車の定跡書であり、実戦集でもあります。読み終わったときに242ページという特別多くはないページ数とは思えない満足感がありました。

私が特に良いなと思った3点についてご紹介したいと思います。

その1 ▲6五角と打たれた際の対応について中盤・終盤の考え方まで解説されている


まずは、△2二飛車の局面で▲6五角と打たれた場合の変化について解説されています。ダイレクト向かい飛車を指そうと思ったら、この角打ちへの対応は必須です。しかし、最近は本線の変化として解説されないことも多く、どう指してよいのか方針が分からなくなりがちです。この変化では、ダイレクト向かい飛車側の玉形が極端に薄くなりがちです。他の戦型ではないような特殊な環境の将棋において、駒組みから、この形特有の終盤の考え方まで網羅されています。
特に序盤で手にする金の使い方が勉強になりました。敵陣に打ち込む筋を見せて相手の駒組みを制限したり、自陣に打ち付けて陣形をしっかりさせたりと、これを知っているかどうかで大きく将棋の幅が広がる気がします。

その2 ▲6五角を打たれなかった際の駒組みについて居飛車側の様々な指し方を網羅している

▲6五角を打たれなかったから打たれなかったで、居飛車側の作戦が幅広いため、どう指していいか分からないこともあると思います。本書では、居飛車側が矢倉、穴熊、銀冠などの様々な囲いを選択してきた時の、それぞれの陣形に合わせたダイレクト向かい飛車の考え方、指し方が解説されています。さらに、居飛車が玉の囲いを何にするのかだけではなく、飛車側の陣形を後回しにして玉形を充実させに来たらどうするのかなど、題材も幅広いです。
色々な指し方が紹介されていると一つ一つの解説が薄くなりがちですが、本書では別々の将棋でも飛車側の陣形が似ていたり、玉側が似ていたりと共通点があることも多く、解説の手薄さを感じることはありませんでした。むしろよりそれぞれの将棋が補完し合ってより理解を助けてくれました。


その3 終盤の考え方まで教えてくれる


序盤、中盤の指し方を学んでも結局終盤で勝ち切れないみたいなことはよくあると思います。その終盤の考え方について、康光先生の考え方を端的に表したひとこと格言とともに学べるのも本書の魅力のひとつです。
また、万が一形勢が悪くなってしまっても本書は助けてくれます。紹介されている将棋の中にはダイレクト向かい飛車側が劣勢になった将棋も含まれています。悪くなった時にどういった考え方で逆転を狙うのか、手順が紹介されています。薄い玉形でも終盤で勝つ考え方は大変勉強になりました。


康光先生ファンはもちろんのこと、ダイレクト向かい飛車を指している、指したいすべての方におすすめ出来る本です。
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