将棋×弁護士!「法廷のドラゴン」1/17(金)の放送開始に先立ってプロデューサーにインタビューしました|将棋情報局

将棋情報局

将棋×弁護士!「法廷のドラゴン」1/17(金)の放送開始に先立ってプロデューサーにインタビューしました

(C)「法廷のドラゴン」製作委員会

限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから 将棋×弁護士!
異色のドラマ「法廷のドラゴン」(テレ東系)が1月17日の夜9時よりスタートします。
今回は濱谷晃一プロデューサーにインタビューさせていただきました。
ドラマ誕生の経緯や、脚本の内容、将棋がどのように関わってくるかなど、こんなにしゃべって大丈夫ですか? というところまで踏み込んで語ってくださいました。

それでは、どうぞ!


(C)「法廷のドラゴン」製作委員会

ドラマ9「法廷のドラゴン」
1月17日スタート(毎週金曜 夜9時放送)
※初回は10分拡大(夜9時~10時4分放送)
出演:上白石萌音 高杉真宙 白石麻衣/和久井映見 田辺誠一/小林聡美



――本日はよろしくお願いいたします。お忙しいところありがとうございます。

「よろしくお願いします。私が将棋についてあまり詳しくなく、浅はかな知識でしゃべってしまうと思うので、ご容赦ください(笑)」

――(笑)まず、今回のドラマの制作に至った経緯について教えてください。

「企画を考える際に、他のドラマも参考に見ていたのですが、そのころ『クイーンズ・ギャンビット』というチェスのドラマが配信されていました。チェスの強豪たちを相手に一人の女性が天才的な才能で勝っていくというもので、それがすごく面白く、かっこいいと思いました。日本でやるなら将棋だと思って、そこから将棋に興味を持ち始めました」

――チェスから将棋、という流れだったのですね。

「はい。それから将棋の映画作品なども観たのですが、天才的な才能や挫折といったテーマがものすごい熱量で表現されていて面白いものばかりでした。ただ、私が担当しているドラマがもう少し間口の広い視聴者層をイメージするものでしたので、将棋と何かを組み合わせる方向で考えてみました。そのとき他にやりたいことがいくつかあって、スポーツ選手のセカンドキャリアや弁護士ものにも興味がありました。それらを組み合わせて、天才でありながら棋士になれなかった女性が、セカンドキャリアとして弁護士になるというストーリーが浮かんできました」

――なるほど。それで将棋×弁護士という設定が出てくるのですね。

「棋士を目指す方というのは、例えば修学旅行より奨励会を優先するというように、友人との時間や一般の人が当たり前にするような経験を犠牲にして棋士という夢に向かっていくと思うんです。一方で、弁護士というのは依頼人の気持ちや困っている一般人の感覚に寄り添っていく必要があるので、そのギャップもセカンドキャリアの壁として面白く描けるのかなと思いました」

――ご存じかと思いますが、今まさに西山朋佳女流三冠が初の女性棋士にあと1勝というところまで迫っています。

「そうなんです。これは本当に偶然で、ドラマを企画したときには西山女流が編入試験の資格を得る話はまだ出ていませんでした。放送スタートが1月17日で編入試験の最終局が22日ということで非常に驚いています」

――西山女流三冠の編入試験は大きな話題になると思うので追い風ですね。

「そうですね。ただ、日本には女性棋士はまだいないという設定なので、それが崩れてしまうということはあります(笑)。でもそれを含めて楽しんでいただければと思っています」



――今回「将棋×弁護士」というテーマですが、この2つに共通するところはどこでしょうか?

「弁護士も裁判に臨むにあたって戦略を練って、相手の弱いところを攻めたり、わざと呼び水を向けて攻めてきたところを反撃したりするので、そこは将棋と共通点があるところかと思います」

――なるほど。確かにそうですね。

「脚本を書いてくださったのが『相棒』や『科捜研の女』で知られる戸田山雅司さんなのですが、将棋のこともしっかり勉強して、法廷戦術と将棋戦術をうまくリンクさせてくださいました。とても面白い脚本になっていると思います」

――すごいですね。話せる範囲で構いませんので、もう少し具体的に教えていただけますでしょうか。

「第1話が穴熊で、第2話がゴキゲン中飛車、第4話が角換わり腰掛け銀、という具合です」

――おー!!すごい!本当に将棋の戦法ですね。穴熊は将棋を知らなくてもなんとなくイメージできますが、角換わり腰掛け銀は難度が高いです。

「角換わり腰掛け銀がテーマになる第4話では、アパートで盗難騒ぎがあるんですけど、1号室、2号室、3号室・・・とある中で、角換わり腰掛け銀で歩を突く順番が大事なように、話を聞く順番が大切で、間違えるとめちゃくちゃな証言になってしまうんです」

――歩を突く順番、「よ・に・い・な・さん」という覚え方があります。
(※4、2、1、7、3筋の順番で歩を突き捨てること)

「そうですそうです。だから4号室の人から証言しないとダメという」

――面白すぎますね。

「天才的な頭脳を持つ女性、という主人公の設定だけでも成立したかもしれませんが、当初思っていた以上に将棋の要素が強くなりました。『アパート更新拒絶!VS角換わり腰掛け銀』というのが4話のサブタイトルです」

――ワクワク感がすごいです。そうなると、ドラマの中でも将棋の用語が出てくるんでしょうか。

「そうですね。毎回主人公の竜美が大盤を使って戦法を解説するシーンがあるのですが、主人公を演じた上白石萌音さんは将棋をまったく知らないところからのスタートだったので、指し手を覚えて同時にセリフをしゃべるのは大変だったと思います」

――それは大変です。指し手を暗記するだけで相当苦労しそうです。

「法廷で弁論するときにも、主人公は心の中で『この話は▲5二歩』のように将棋の符号をしゃべるんです。でもその▲5二歩が将棋においてどんな意味を持つかわからないとセリフに感情が乗せられないということで、監修の方に手の意味を解説してもらいながら演じていました」




――すごいですね。他に将棋のシーンの撮影で苦労された点はありますか?

「やっぱり、主人公が長年将棋に打ち込んできたという設定なので、指す手つきや姿勢には気を付けました。見る人が見ればすぐにわかってしまうので。その点、萌音さんはロンドンにまで将棋の駒を持ち込んで練習してくださったのでありがたかったですね。女流棋士の方にもご指導いただいたのですが、正しくできているとほめていただきました」

――素晴らしいです。キャストの方で言うと、田辺誠一さんは将棋を指せる方ですが、田辺さんからのアドバイスなどはなかったですか?

「確かにアプリでよく指しているとおっしゃっていました。ただ、田辺さんは主人公のお父さんの役で家のシーンが多いので、あまり将棋が出てこないんです。しかも、田辺さんの役は将棋に詳しくないという設定でした(笑)。でも田辺さんが脚本をほめてくれた時はうれしかったですね。将棋がわかる方なので」

――改めて今回のドラマの見どころを教えてください。

「将棋と法律というギャップのある設定の面白さと、その2つの世界を行き来する主人公の成長物語としても楽しめるところでしょうか。萌音さんがうまく2つの世界を通してくれたと思います。企画段階では将棋3:法律7くらいの割合かと思っていたんですが、終わってみると将棋5:法律5くらいのバランスになったかなと思います」

――将棋の比重が増えてうれしい限りです。

「将棋のルールをわかったうえで見たほうがより楽しめるということで、萌音さんの発案で将棋のルールを解説する動画も撮りました(笑)。将棋を楽しむ方が少しでも増えてくれればと思います」


【上白石萌音×高杉真宙の将棋道場!第1局】


――将棋界にとって大変ありがたいことです。上白石萌音さんに深く感謝します。では最後に将棋ファンへ向けてのメッセージをお願いします。

「温かい目で見守ってほしいです(笑)。私が気づいていないだけであのCGのあの駒の動きはおかしい、みたいなことがあるかもしれませんし…。でも、きっと楽しんでいただける内容になっていると思います!」

――本日はお忙しい中ありがとうございました。お話を聞いて放送がとても楽しみになりました。

「こちらこそありがとうございました」
  限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
将棋情報局では、お得なキャンペーンや新着コンテンツの情報をお届けしています。

著者