2025.01.22
【原画あり】いま話題の絵本『ぼくは将棋で世界をえがく 藤井聡太ものがたり』の制作秘話を聞いてみた(タイアップ)
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皆さんこんにちは、編集部島田です。
大人気の絵本『ぼくは将棋で世界をえがく 藤井聡太ものがたり』(世界文化社)について、編集を担当された北野様とイラストを描かれた山田様にインタビューさせていただきました。
藤井聡太竜王・名人が5歳で将棋と出会ってから現在に至るまでの歩みを描いた素敵な絵本。この作品はどのように誕生したのでしょうか?
特別に見せていただいた原画とともに、最後まで読んでいただければ幸いです。
========================
――本日はよろしくお願いいたします。まずは編集の北野様に本書制作の経緯についてうかがってよろしいでしょうか。
北野「何か一つのことに対して、夢中になって突き詰めることの素晴らしさを伝えたいと思ったのがスタートです。そのメッセージが一番伝わる人は誰かと考えたときに出てきたのが藤井聡太竜王・名人でした。私自身が将棋が好きだったということもあります。
皆さん、小さいころに習ったお稽古ごとや一つのスポーツに夢中になって取り組んだことがあるかと思います。最終的にその道でプロになる人はごくわずかですが、そこで過ごした時間というのは大人になっても人生の支えになるものです。そういう時間の大切さを絵本を通じて子どもたちに届けられればと思っていました」
――なるほど。子どもの頃から将棋への情熱を持ち続けている藤井竜王・名人はぴったりですね。
北野「はい。幼少期のエピソードもすごく魅力的だと感じていたので、ぜひお願いしたいと思いました。今回のお話をお引き受けいただき、ご多忙な中で時間を割いてくださって大変感謝しております」
――ありがとうございます。絵を担当された山田様にもお話をうかがいたいと思います。今回のオファーがきたときのことをお聞かせください。
山田「度肝を抜かれたというか、最初は冗談じゃないかと思いました。藤井竜王・名人のことはもちろん知ってはいたのですが、私は本将棋のルールも、将棋界のことも何一つわからない状態だったので、私なんかより適任の方がいらっしゃいますよと返信しました。そうしたら北野さんから電話がかかってきて、小さいときの藤井竜王・名人を見たことありますか? と聞かれました。見たことがないと伝えると、北野さんがとてもかわいいですよとおっしゃったので、子どもの頃の藤井竜王・名人を見てから決めようと思いました」
――そんなやり取りがあったのですね。
山田「はい。それで子どもの頃の藤井竜王・名人をネットで調べて見たらものすごくかわいかったんですよ」
――わかります。
山田「自分の子どもと重なるようなところもあって、この子の成長記なら描けるかもしれないと思いました。将棋のルールも将棋界のこともよくわからないけど、この男の子の成長物語だと思えば描ける。写真を見てそういう気持ちになれたので、北野さんにやらせていただきますとお返事しました」
――なるほど。子どもの頃の藤井竜王・名人は今とちょっと顔が違いますよね。昔は丸顔ですし。
山田「そうなんですよ。木登りやかけっこをよくしていたという話も、今の藤井竜王・名人からは想像できないのですごく面白いなと思いました」
――藤井竜王・名人の絵を描くうえでどのあたりがポイントでしたか?
山田「目ですかね。結構特徴的なので何回も描き直しました。他には髪の毛は今は整えられていますが、子どもの頃の写真を拝見すると少しふんわりした感じなので、ところどころピョンと跳ねさせて描きました。あとは首が意外と太くてがっしりしているんです。首も人間の特徴がよく現れる部分なので、その辺りも気を付けて描きました」

――ありがとうございます。絵本の中身について具体的にうかがっていきたいのですが、印象に残っているページがあればいくつか教えてください。
山田「どのページも思い入れがありますけど、18,19ページの新幹線の絵は印象に残ってます。私は想像では絵が描けなくて資料がないとダメなんです。当時の新幹線はどういう形かを北野さんに調べていただきました」
北野「藤井竜王・名人が奨励会に通っていた当時の東海道新幹線はこのタイプだろうということで探し当てました」
――藤井竜王・名人も電車に詳しいですから、うかつなことはできませんね(笑)
山田「そうなんです(笑)。20,21ページの駒が戦っているところも好きなページです」
北野「こちらが原画ですね。すごくきれいです」

山田「一つ一つ駒と背景を別々に書いていて一番迫力が出るように配置していきました」
――駒がちゃんと盛り上げ駒になっていますね。
山田「一番高級な駒だと聞きました。駒の書体にもいろいろなものがあると知って面白かったです。他には12,13ページの小学生の大会で負けてしまって悔しがっているシーンもいいですね」

――有名な場面ですね。
山田「当時の写真ではもう少し顔が隠れているんですが、見えるように工夫しました。あとは最後の26,27ページの駒とともに成長していくシーンは私のほうでアイデアを出して描かせていただいたので、ここも印象深いです」
――いいページだと思います。26,27ページは私の周りの人の評判も良かったです。14,15ページの「将棋にはあいてがいる。あいてがいればまけることはかならずある」、というシーンもいいと言っている人が多かったです。
山田「うれしいです」
北野「あの言葉は絵本作家の山本先生が特に心を打たれて、強い思い入れを持って書かれたものでした。絵づくりとしては一番難しいページだったんじゃないかと思います」
山田「最初は悔しがって下を向いて泣いている絵だったんですけど、山本先生のほうから目線をあげてほしいという要望をいただきました」
――確かに、よく見る実際の写真は下を向いていますよね。
山田「べそをかいている感じでそれはそれでかわいいんですけど、前向きなページにしたいということで、このような絵になりました。背景は深海に光が差しているイメージで描きました」
――なるほど。確かに深い決意のようなものを感じます。編集の北野さんは印象に残っているページはありますか?
北野「私は19ページです。奨励会を去っていく人を山田さんがあのように表現されて素晴らしいなと思いました」
――シンプルな絵ですけど、とてもいいですね。
山田「モノクロの読み物の挿絵のお仕事もすることがあるので、そこでの経験が生きたように思います」
――それぞれのページに作り手の思い入れがあることがよくわかりました。絵とは関係なくなってしまうのですが、29ページの藤井竜王・名人の実寸大の手の写真もいいですね。
北野「ありがとうございます。お子さんが読んだときに藤井竜王・名人を画面の中の人、絵本の中の人じゃなく、自分と同じように生きている人として捉えてほしいと思って作ったページです。子どもが手を合わせて『僕よりこんなに手が大きい』と感心したり『私もこんな風に駒を持ってみたい』と真似したりしてくれればいいなと思っています」
――違う世界のスーパースターじゃなくて、あくまで同じ世界に生きている人だということですね。そして最後の藤井竜王・名人のメッセージが最初におっしゃっていた「一つのことに夢中になることの大切さ」を伝えているわけですね。
北野「そうですね。『集中力』というワードが特に印象的です」
山田「最後のメッセージのところは素敵だなと思いました。私自身も子どもの頃から絵が好きで、幸運にも今それが仕事になっています。子どもの頃に何かに夢中になることがその子の人生を輝かせてくれる財産になると思います。それを体現している藤井竜王・名人の絵本ということで、素晴らしい作品に携わることができました。読んでくださった方の感想を読むと、あのとき断らなくて良かったなと思います」
――素敵な絵本を創っていただきありがとうございます。この本が一人でも多くの方に読まれることを願っております。本日はありがとうございました。
北野・山田「ありがとうございました」



(本記事は株式会社世界文化社のタイアップ記事です) 限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
大人気の絵本『ぼくは将棋で世界をえがく 藤井聡太ものがたり』(世界文化社)について、編集を担当された北野様とイラストを描かれた山田様にインタビューさせていただきました。
藤井聡太竜王・名人が5歳で将棋と出会ってから現在に至るまでの歩みを描いた素敵な絵本。この作品はどのように誕生したのでしょうか?
特別に見せていただいた原画とともに、最後まで読んでいただければ幸いです。
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――本日はよろしくお願いいたします。まずは編集の北野様に本書制作の経緯についてうかがってよろしいでしょうか。
北野「何か一つのことに対して、夢中になって突き詰めることの素晴らしさを伝えたいと思ったのがスタートです。そのメッセージが一番伝わる人は誰かと考えたときに出てきたのが藤井聡太竜王・名人でした。私自身が将棋が好きだったということもあります。
皆さん、小さいころに習ったお稽古ごとや一つのスポーツに夢中になって取り組んだことがあるかと思います。最終的にその道でプロになる人はごくわずかですが、そこで過ごした時間というのは大人になっても人生の支えになるものです。そういう時間の大切さを絵本を通じて子どもたちに届けられればと思っていました」
――なるほど。子どもの頃から将棋への情熱を持ち続けている藤井竜王・名人はぴったりですね。
北野「はい。幼少期のエピソードもすごく魅力的だと感じていたので、ぜひお願いしたいと思いました。今回のお話をお引き受けいただき、ご多忙な中で時間を割いてくださって大変感謝しております」
――ありがとうございます。絵を担当された山田様にもお話をうかがいたいと思います。今回のオファーがきたときのことをお聞かせください。
山田「度肝を抜かれたというか、最初は冗談じゃないかと思いました。藤井竜王・名人のことはもちろん知ってはいたのですが、私は本将棋のルールも、将棋界のことも何一つわからない状態だったので、私なんかより適任の方がいらっしゃいますよと返信しました。そうしたら北野さんから電話がかかってきて、小さいときの藤井竜王・名人を見たことありますか? と聞かれました。見たことがないと伝えると、北野さんがとてもかわいいですよとおっしゃったので、子どもの頃の藤井竜王・名人を見てから決めようと思いました」
――そんなやり取りがあったのですね。
山田「はい。それで子どもの頃の藤井竜王・名人をネットで調べて見たらものすごくかわいかったんですよ」
――わかります。
山田「自分の子どもと重なるようなところもあって、この子の成長記なら描けるかもしれないと思いました。将棋のルールも将棋界のこともよくわからないけど、この男の子の成長物語だと思えば描ける。写真を見てそういう気持ちになれたので、北野さんにやらせていただきますとお返事しました」
――なるほど。子どもの頃の藤井竜王・名人は今とちょっと顔が違いますよね。昔は丸顔ですし。
山田「そうなんですよ。木登りやかけっこをよくしていたという話も、今の藤井竜王・名人からは想像できないのですごく面白いなと思いました」
――藤井竜王・名人の絵を描くうえでどのあたりがポイントでしたか?
山田「目ですかね。結構特徴的なので何回も描き直しました。他には髪の毛は今は整えられていますが、子どもの頃の写真を拝見すると少しふんわりした感じなので、ところどころピョンと跳ねさせて描きました。あとは首が意外と太くてがっしりしているんです。首も人間の特徴がよく現れる部分なので、その辺りも気を付けて描きました」

――ありがとうございます。絵本の中身について具体的にうかがっていきたいのですが、印象に残っているページがあればいくつか教えてください。
山田「どのページも思い入れがありますけど、18,19ページの新幹線の絵は印象に残ってます。私は想像では絵が描けなくて資料がないとダメなんです。当時の新幹線はどういう形かを北野さんに調べていただきました」
北野「藤井竜王・名人が奨励会に通っていた当時の東海道新幹線はこのタイプだろうということで探し当てました」
――藤井竜王・名人も電車に詳しいですから、うかつなことはできませんね(笑)
山田「そうなんです(笑)。20,21ページの駒が戦っているところも好きなページです」
北野「こちらが原画ですね。すごくきれいです」

山田「一つ一つ駒と背景を別々に書いていて一番迫力が出るように配置していきました」
――駒がちゃんと盛り上げ駒になっていますね。
山田「一番高級な駒だと聞きました。駒の書体にもいろいろなものがあると知って面白かったです。他には12,13ページの小学生の大会で負けてしまって悔しがっているシーンもいいですね」

――有名な場面ですね。
山田「当時の写真ではもう少し顔が隠れているんですが、見えるように工夫しました。あとは最後の26,27ページの駒とともに成長していくシーンは私のほうでアイデアを出して描かせていただいたので、ここも印象深いです」
――いいページだと思います。26,27ページは私の周りの人の評判も良かったです。14,15ページの「将棋にはあいてがいる。あいてがいればまけることはかならずある」、というシーンもいいと言っている人が多かったです。
山田「うれしいです」
北野「あの言葉は絵本作家の山本先生が特に心を打たれて、強い思い入れを持って書かれたものでした。絵づくりとしては一番難しいページだったんじゃないかと思います」
山田「最初は悔しがって下を向いて泣いている絵だったんですけど、山本先生のほうから目線をあげてほしいという要望をいただきました」
――確かに、よく見る実際の写真は下を向いていますよね。
山田「べそをかいている感じでそれはそれでかわいいんですけど、前向きなページにしたいということで、このような絵になりました。背景は深海に光が差しているイメージで描きました」
――なるほど。確かに深い決意のようなものを感じます。編集の北野さんは印象に残っているページはありますか?
北野「私は19ページです。奨励会を去っていく人を山田さんがあのように表現されて素晴らしいなと思いました」
――シンプルな絵ですけど、とてもいいですね。
山田「モノクロの読み物の挿絵のお仕事もすることがあるので、そこでの経験が生きたように思います」
――それぞれのページに作り手の思い入れがあることがよくわかりました。絵とは関係なくなってしまうのですが、29ページの藤井竜王・名人の実寸大の手の写真もいいですね。
北野「ありがとうございます。お子さんが読んだときに藤井竜王・名人を画面の中の人、絵本の中の人じゃなく、自分と同じように生きている人として捉えてほしいと思って作ったページです。子どもが手を合わせて『僕よりこんなに手が大きい』と感心したり『私もこんな風に駒を持ってみたい』と真似したりしてくれればいいなと思っています」
――違う世界のスーパースターじゃなくて、あくまで同じ世界に生きている人だということですね。そして最後の藤井竜王・名人のメッセージが最初におっしゃっていた「一つのことに夢中になることの大切さ」を伝えているわけですね。
北野「そうですね。『集中力』というワードが特に印象的です」
山田「最後のメッセージのところは素敵だなと思いました。私自身も子どもの頃から絵が好きで、幸運にも今それが仕事になっています。子どもの頃に何かに夢中になることがその子の人生を輝かせてくれる財産になると思います。それを体現している藤井竜王・名人の絵本ということで、素晴らしい作品に携わることができました。読んでくださった方の感想を読むと、あのとき断らなくて良かったなと思います」
――素敵な絵本を創っていただきありがとうございます。この本が一人でも多くの方に読まれることを願っております。本日はありがとうございました。
北野・山田「ありがとうございました」



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