『将棋は右四間飛車で勝て』棋書アンバサダーによるレビュー たろいも様|将棋情報局

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『将棋は右四間飛車で勝て』棋書アンバサダーによるレビュー たろいも様

『将棋は右四間飛車で勝て』棋書アンバサダーによるレビュー第1弾です!

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レビュー第1弾はたろいも様に書いていただきました。

何度か棋書アンバサダーをやってくださっていて、もはや安定感があります(^^)
今回も素晴らしいレビューをありがとうございました!

それでは、どうぞ。




はじめに
『将棋は右四間飛車で勝て』棋書アンバサダーのたろいもと申します。
私は大人になってから将棋を始め、現在は二~三段ほどの棋力です。
得意戦法はこの本で取り上げられている右四間飛車で、相手が△4四歩と角道を止めた場合は、対居飛車でも対振り飛車でも右四間飛車を採用することが多いです。

右四間飛車の棋書を何冊も読んできました。マイナビ出版さまでは『圧倒的破壊力!藤森流なんでも右四間飛車』や『振り飛車を一刀両断!右四間飛車エルモ囲い』などを読んできました。小山先生による右四間飛車の新刊が、この度出版されるということで、レビュー記事を書く機会をいただけてとても光栄です。


この棋書で取り上げられている戦型
『将棋は右四間飛車で勝て』では、対四間飛車と対雁木について解説されています。対三間飛車や対矢倉については取り上げられていませんので、ご注意ください。
また右四間飛車側の囲いについては、対四間飛車では舟囲いと端玉銀冠、対雁木では左美濃が取り上げられています。対四間飛車での穴熊やエルモ囲いについては取り上げられていませんので、こちらもご注意ください。


対四間飛車と対雁木で章が分かれていて、さらに、飛車先を▲2六歩と突くか、2七歩のままで突かないパターンかで節を分けて解説されています。一手の差や形の違いで、戦い方が変わってくるところがありますので、その点を意識して読むと面白いと思います。


今までの右四間飛車の棋書との違い
今まで多くの右四間飛車の棋書が発刊されてきましたが、対四間飛車に関しては、最初に右四間飛車舟囲いでの戦い方が説明されるものの、こう対策されるとつらいよね、だから端玉銀冠や穴熊で戦いましょう、という論調になっている棋書ばかりだったように思います。しかし、この棋書では、舟囲いでも十分戦えるという結論を導き出しています。その点がとても新しく感じました。右四間飛車端玉銀冠の解説も載っていますが、決して、舟囲いではダメだから端玉銀冠で、という論調ではなく、舟囲いだけでなく端玉銀冠での戦い方もありますよと、どちらの囲いでも右四間飛車側やれるという論調です。以前の棋書を読んで、右四間飛車舟囲いの採用をあきらめていた人には、あらたな発見があることでしょう。


小山流ノーガード戦法
対居飛車で、先手が飛車先不突の右四間飛車を目指したとき、後手が△8四歩~△8五歩と伸ばした際に、飛車先を受けずに▲4七銀と上がるという、その名も「小山流ノーガード戦法」について、最後の節の中で解説されています。▲8八飛とまわり飛車先を逆襲する筋について詳細な解説が載っています。もはや右四間ではないのですが、いままで読んだ棋書には載っていなかった内容だったので、とても面白かったです。


この棋書の読み進め方
右四間飛車を勉強するのがはじめてという方は、盤駒や将棋ソフトを利用して一手一手並べていくことをお勧めします。似たような筋が複数回出てくることもありますので、次第に手になじんでいくようになると思います。似たような筋ではあるけれども、ちょっとの形の違いで仕掛け方がどう変わるのか意識して読むと、楽しく読んでいくことができると思います。一方、右四間飛車を指し慣れているという方は、棋書を読みながら、ある程度頭の中に盤面を浮かべられると思うので、気になったところを丁寧に読んだり、盤駒に並べるということで、頭に入っていくと思います。今までの棋書に載っていない面白い筋に注目しながら読むと楽しく読めると思います。


四間飛車党/雁木党にも勉強になる一冊
この棋書では、このタイミングで仕掛けるのはうまくいかない、この形ではいつもの攻めが通じないなど、仕掛けの失敗例も多く掲載されています。ですので、四間飛車党の方や、雁木党の方が読んでも、参考になる箇所は多くあるでしょう。右四間飛車に悩まされている四間飛車党/雁木党の方にも是非読んでみて欲しい棋書です。


さいごに
この棋書を一通り読み終えて、右四間飛車に対する新たな発見がありました。益々、右四間飛車にドハマリしそうです。最近は対四間飛車では右四間飛車エルモ囲いを採用することが多かったのですが、舟囲いも織り交ぜながら指せば、相手の意表を突くことができるかなと考えています。対雁木に関しては、私の仕掛けのタイミングがいつも遅く、お互いに組み上がってから仕掛けることが多いですが、このタイミングでは仕掛けられる/仕掛けられないを改めて精査し、自分の右四間飛車を改良していこうと思います。
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