【試し読み版】編集部島田が綴る今月の藤井聡太 2024年11月編|将棋情報局

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【試し読み版】編集部島田が綴る今月の藤井聡太 2024年11月編

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皆さんこんにちは。「自ら光り輝いてこそ周りを照らすことができる」でおなじみの編集部島田です。

将棋情報局ゴールドメンバー限定記事「編集部島田が綴る 今月の藤井聡太」第27弾です。3の3乗でございます(だから何)。冬になりました。冬は空気が澄んでいていいですね。私は千葉県在住なんですが、冬になると朝ベランダから富士山が見えることがあって、富士山が見えると気分よく1日がスタートできます(^^)

さて、11月は国際将棋トーナメントと将棋日本シリーズの取材に行ってきました。

国際将棋トーナメントでは藤井聡太竜王・名人は優勝者との記念対局に登場されましたが、藤井先生をいい角度で撮ろうと狭い部屋に報道陣がひしめきあっていて「藤井先生も大変だなぁ」と思って眺めていました(いや、取材しろよ)。

日本の人口が減っていく中で、将棋を海外に普及させることがマストだと思ってるので、藤井先生というスターがいる今こそ、海外普及を頑張らなきゃいけないと思っております(急に真面目)。取材という名のもとに、藤井先生といろんな国に行けることを願っております。インスブルックとか、ベルニナ線とか、夢は広がります。

そういえば、今月頭発売の将棋世界にインスブルックの紹介記事を書きましたので、読んでやってください。「オーストリア観光局」の方にお話をうかがって書いたのですが、思った以上にいいところでした。藤井先生が「好きな都市」に挙げるのもうなずけます。

将棋日本シリーズでは、テーブルマーク子ども大会でたくさんの子どもにインタビューしてパワーをもらいました。「将棋世界の取材で・・・」というと誰とでもしゃべれるので便利な言葉です。
JTプロ公式戦の優勝は渡辺明九段で、改めて存在感を示す結果になりました。SNSでの発信やイベントでのトークも最高ですが、やっぱり渡辺先生も天才中の天才ですから、将棋での活躍に期待しております。

さて、前置きはこれくらいにして、11月の藤井先生の対局を振り返っていきましょう!

11月の対局まとめ
2日 将棋日本シリーズJTプロ公式戦 広瀬章人九段戦 負け
15,16日 竜王戦七番勝負第4局 佐々木勇気八段戦 負け
27、28日 竜王戦七番勝負第5局 佐々木勇気八段戦 勝ち
11月は3局あって1勝2敗でした。1ヶ月で藤井先生が負け越したのはこの連載を始めてから初のような気がします(あったらすいません)。まぁこういうときもあります。いいときも悪いときも見守るのが母の役目ですから、しっかり振り返っておきましょう。
 

を飲む終盤の攻防、3連覇ならず

2日 広瀬章人九段戦
第45回将棋日本シリーズJTプロ公式戦準決勝
 

序章 東海大会
将棋日本シリーズは、タイトルホルダーと獲得賞金上位者12名によるトーナメント戦。
全体の対局数は少ないですが、
・全国の子ども大会と一緒に開催される
・対局はステージ上で超早指しで行われる
・対局中に次の一手クイズが出題される
といった特徴を持っており、将棋ファンにとっては、とても楽しめる棋戦だと思います。

藤井先生はベスト8で佐々木大地七段を破って、本局が2局目。東海大会ということで、藤井先生も子どもの頃に出場されていたのは有名なお話です。対局前には「子どもの頃には、テーブルマーク子ども大会の東海大会に毎回参加していました。なじみのある舞台で指せることをうれしく思っています」と挨拶されていました。

将棋日本シリーズではここまで2連覇を達成しており、郷田先生以来2人目の3連覇を目指す戦いとなります。ってか、郷田先生の3連覇ってすごいですね。藤井先生が何かの記録に挑戦するとき、前の記録保持者もクローズアップされるのはいいことだと思います(^^)

第1章 相掛かり
本局は振り駒の結果、広瀬章人九段が先手になり、相掛かりの将棋になりました。
藤井先生と言えば角換わりですが、角換わりの前には相掛かりをよく指されていましたので不安感はありません。序盤は互角を保ったまま進んでいきます。

第2章 誤算
中盤でお互いに強く踏み込んだ結果、藤井先生の飛車と広瀬先生の金、桂が交換になりました。将棋では飛車と金銀の交換なら金銀を手にしたほうが有利と言われていますが、飛車と金桂の交換だと微妙なところです。
しかも広瀬先生は手に入れた飛車を打って、藤井先生の香車が取れる形になったので、これはあまりいい取引ではなかったかもしれません。

この辺りのやり取りについて藤井先生自身「中盤で飛車と金桂を取り合い攻め合いになったのですが、その判断がよくありませんでした。飛車を下ろされたときによい対応がなく、こちらの攻めがちょっと細かったです」と振り返っていました。

「飛車を下ろされた」というのは「飛車を打たれた」と同じ意味です。なぜ「打つ」ことを「下ろす」というのかは私も知りません(笑)

「攻めが細い」というのは「攻めが途切れてしまいそう」ということですね。ただ、「攻めが太い」とはいいません。これもなぜかはわかりません(;^_^A

ともかく、中盤で広瀬先生がリードを奪いました。

第3章 一瞬の勝機
劣勢になってもそう簡単に終わらないのが藤井聡太。玉を端の方に逃げ出してぎりぎりのところで踏ん張ります。
さらに過激な順で相手の陣形を乱して、先手玉もかなり危険な状態になりました。
こうすることで相手は攻めだけでなく守りも考えなくてはいけなくなるので、逆転が起こりやすくなるのです。「勝負師・藤井聡太」の真骨頂といえましょう。

そして103手目、広瀬先生が香車を打ったところでついに評価値が逆転しました。ここで香車の頭に歩を打つ手があったようです。
しかし実戦は成桂を寄ったため、一瞬のチャンスをつかむことはできませんでした。これも自然な手なので、致し方ないところです。

ここからも勝負勝負と迫りましたが、広瀬先生の受けが正確でした。最後は詰み筋に入ったところで藤井先生の無念の投了となりました。

広瀬先生は藤井先生の終盤の追い込みについて「最後はうまくプレッシャーをかけられて、なんとかギリギリ残していた、ということろです。やはり勝つのは大変だなと思いました」とおっしゃっていました。

終盤で藤井先生にバシバシ指されたら相当怖いと思いますが、そこで踏みとどまったのはさすがでした。

これで広瀬先生は5年ぶりの決勝に進んだのですが、冒頭で述べた通り決勝戦で渡辺明九段に敗れ、初優勝はなりませんでした。
当たり前ですが、出ている棋士は全員強いので優勝するのは難しいんだなと。

藤井先生は連覇が途絶えてしまいましたが、早指しで後手番ならこういうこともあるでしょう。来年の巻き返しに期待したいと思います。


 

々木八段の時間差腰掛け銀に完敗

 
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