手に汗握る終盤戦 服部六段が逆転で二次予選進出 ALSOK杯第74期王将戦一次予選決勝|将棋情報局

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手に汗握る終盤戦 服部六段が逆転で二次予選進出 ALSOK杯第74期王将戦一次予選決勝

第74期ALSOK杯王将戦(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟主催)は一次予選が大詰め。6月3日(月)には第7ブロックの服部慎一郎六段―森本才跳四段の一戦が関西将棋会館で行われました。対局の結果、白熱の終盤戦を156手で制した服部六段が二次予選進出を決めました。

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■クラシカルな対抗形
本一次予選は16名程度からなる各トーナメントを勝ち抜いた計9名が二次予選に進むもの。その決勝に当たる本局は先手・森本四段の三間飛車に後手・服部六段が居飛車銀冠で対抗する持久戦に進みました。振り飛車側は石田流の攻撃陣に組み替えて戦いの時を待ちます。

中盤戦をリードしたのは森本四段でした。と金に狙われた角を見捨てて攻め合いに出たのが好判断。手順に敵陣に竜を作ってひと足先に寄せの構図を描きます。対する服部六段も諦めません。自陣に眠る飛車は守りに専念させ、遠巻きに桂を取りに向かいました。

■逆転した攻め合い速度
ともに早い攻めはなく競り合いは一段落。着実なと金作りで焦りを誘う後手に対して森本四段は鋭い踏み込みで再びリードを奪います。3三の地点に桂を放り込んだのが焦点への捨て駒の手筋でした。対する服部六段はこれを無視して攻め合いに手段を求めますが、後手玉は一気に危ない形に。あとは先手の寄せを見るばかりかと思われました。

服部六段が銀を引いて開き直った局面が運命の分かれ道となりました。秒読みに追われる森本四段は成桂の活用で攻めを続けますが、ここは素直に銀を外しておけば後手から駒を渡さずに先手玉に迫る手段がなく、また受けても先手からの詰めろが自然に続く形でした。

30分ほど持ち時間を残す服部六段ですが、攻めの速度が逆転して優位に立ってからも指し手のペースは落ちません。終局時刻は16時49分、最後は再逆転の見込みなしと認めた森本四段が駒を投じて熱戦に幕が引かれました。服部六段は二次予選進出を決めています。


服部六段は今年度5戦全勝と絶好調(未放映のテレビ対局を除く)

水留啓(将棋情報局)

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