鹿児島大学将棋部 VS マイナビ将棋部 交流戦をしてきました!|将棋情報局

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鹿児島大学将棋部 VS マイナビ将棋部 交流戦をしてきました!

九州の強豪とマイナビ将棋部が真剣勝負!

お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中

先日は「マイナビ将棋部VS学生将棋部!参加校募集」にご応募いただきありがとうございました!
複数の学生将棋部から応募があり、とても嬉しかったです。
そしてこの度、交流戦企画第一弾として鹿児島大学将棋部さんとオンラインにて交流戦を実施してきました!

鹿児島大学は九州地区の強豪大学で、昨年度では九州地区で2位の好成績を収めています。今回は6名での参加となりました。
交流戦への応募理由としては「マイナビさんとの交流戦を通し部員がやる気になってくれれば」とのことでした。

そんな気持ちにお応えすべく、マイナビ将棋部は職団戦の主力を中心としたメンバーで対局に臨みます。
交流戦ですが団体戦でもあるということで、お互いチームのために負けられない真剣勝負です。

先に感想を書くと、大学将棋のレベルの高まりを感じました。マイナビチームには全国大会での県代表のメンバーもいたのですが、かなり苦戦を強いられていたようです。
全体の結果はマイナビ将棋部の4勝2敗と辛くも勝ち越しでしたが、指運が悪ければ結果が逆転していてもおかしくない接戦でした。

感想戦ではリラックスして話すことで交流も深まり、色々なお話も聞くことができました。
学生ならではのお話もたくさん聞けて、今後の企画などに生かしていきたいと思います。
改めて、今回ご応募いただき対局してくださった鹿児島大学将棋部の皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました!
春の大会でもご活躍を期待しております。

対局振り返り

ここからは対局のハイライトを図面を添えて振り返ります。
本記事では

  • 鹿児島大学の網田さん vs マイナビ出版へ対局4日前に入社した岸本
  • 鹿児島大学の村上さん vs マイナビ出版社員 槇林
の2局を簡単にご紹介します。

 

☗鹿児島大学 網田さん vs ☖マイナビ出版 岸本

棋譜:https://lishogi.org/jsZkcGwr

まず網田さんvs岸本の対局は、後手のマイナビ岸本の中飛車に対して先手の網田さんが居飛車持久戦を志向。
ここから互いにどう仕掛けていくか探り合いが始まるのかと思いきや、マイナビ岸本は時間を使うことなく一気に進めます。下図までは経験のある形でよくある手順とのこと。

マイナビ岸本のここまでの消費時間はわずか1分半、対する網田さんは6分。
飛車交換から竜を作るかなり激しい手順ですが、お互いかなりのハイペースで進めています。

その後もテンポよく指し手が進みます。
この将棋の骨格を決める指し手が現れたのが下図の局面。

ここで網田さんが後手陣のダイヤモンド美濃の堅さを見てか、☗9五歩と端攻めで勝負に行きました。
先手玉の弱点でもあったり先手玉歩切れの相手に歩を渡したりとリスクも多くありますが、馬が好位置にいて持ち駒の桂香を活用しやすい端攻めは、如何にも本筋な一手。
ここから攻めのペースを掴んだ網田さんに対して、マイナビ岸本は守勢に回らざるを得ません。「先手の端攻め vs 後手の受け」の構図で局面は推移していきます。

攻められてばかりでは勝てないと見たマイナビ岸本が端攻めを逆用しようとしたのが下図。


後手の5三角や8五桂などが先手玉の急所をにらんでいますが、ここで恐れずに☗9四歩と打ったのが網田さんの読みの入った切り返し。根元の香車を抑えつつ後手玉への寄せも見ている好手でした。
マイナビ岸本も☖9七歩成から先手玉へ殺到しますが、攻めが足りない模様。形勢はハッキリ先手優勢となりました。

以下は網田さんの鋭い寄せを見るばかりでした。
端を完全に突破して後手の美濃を崩壊させ、最後は攻守の要だった6六の馬が詰み筋に働く美しい収束。
県代表の経験がある岸本が敗れ、鹿児島大学の強さを見せつけられる形となりました。

☗鹿児島大学 村上さん vs ☖マイナビ出版 槇林

棋譜(~62手目):https://lishogi.org/7zMYvY3Q
棋譜(63手目~):https://lishogi.org/dn2GkLqo

こちらは村上さんの先手中飛車に対してマイナビ槇林が左美濃に構え、マイナビ槇林から積極的に仕掛けていく構図に。


しかしこれはやや急ぎすぎな桂馬跳ねでした。冷静に☗6八角と引かれて、将来的に☗6六歩と桂取りに歩を突かれることが予想され、後手が忙しい局面です。
本譜も村上さんが同じ対応をされ、順調にリードを広げていきます。

マイナビ槇林が一番追い込まれたのが下図の局面。村上さんから☗1四桂~☗2二銀と鋭い王手で後手玉にかなり迫っていますが、マイナビ槇林も☖1一飛とスペースを埋めて受け続けます。

対して先手がどう攻めを続けるかですが、AIの見解は☗1六歩と端歩を突いていくのを最善手として挙げています。


先手としては後手玉を目の前まで追い詰めている中で、直接王手をかけたり敵陣に打ち込んだりする以外の手は非常に見えにくく、指すのが難しい手だったように思えます。

九死に一生を得たマイナビ槇林はここから意地を見せます。
端攻めをなんとか受けきって自玉を鉄壁にしたところで反撃を開始。先手玉を左辺上部に逃がしそうな下図での一手が本局のハイライト。

ここでのマイナビ槇林渾身の一手が☖8七銀!と角頭に銀を放り込む一手。

銀打ちで角取りを見せられた先手は堪らず☗9七角と逃げますが、後手の真の狙いは角取りではなく☖6六歩と打つ一手。☗同玉と取れば☖7六銀成で即詰みとなってしまうため☗6八玉と引くしかありません。
先手としては上部脱出を断念した形。
後手としては先手玉を下段に落として寄せの構図を作り上げることに成功した形で、ここでようやく形勢が後手に傾きます。

以降はマイナビ槇林が玉の堅さを活かして後手玉を寄せきり、164手の熱戦を制しました。

学生将棋部の皆様へ

マイナビ出版では引き続き、学生将棋部の皆様との交流戦・お悩みを募集しております。
ご興味がある方は是非こちらからご応募ください!
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