角換わり早繰り銀対策の最先端 佐々木大七段勝利で本戦メンバー出揃う 第72期王座戦二次予選|将棋情報局

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角換わり早繰り銀対策の最先端 佐々木大七段勝利で本戦メンバー出揃う 第72期王座戦二次予選

第72期王座戦(主催:日本経済新聞社、日本将棋連盟)は二次予選が大詰め。3月29日(金)には計2局が東京・将棋会館で行われました。このうち、松尾歩八段―佐々木大地七段の一戦は87手で佐々木七段が勝利。角換わりの攻め合いを制して挑戦者決定トーナメント入りを果たしました。

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■最後の2枠をめぐる争い
本二次予選は4~5名からなる12個のトーナメントを勝ち抜いた棋士が本戦に進むもの。この日行われる2局をもって挑戦者決定トーナメントのメンバーが出揃います。両者の息が合って角換わりの定跡形に進んだ本局、佐々木七段の腰掛け銀に後手の松尾八段は早繰り銀で対抗しました。

首尾よく仕掛けを得た松尾八段ですが、先手からの玉頭への歩突きを見て1時間超の長考に沈みます。やがて選んだ銀取りの歩は攻め合いを求める方針で形勢は難解。とはいえ松尾八段は局後このあたりの形勢について局面の認識が甘く自信がなかったと振り返りました。

■佐々木七段が本戦進出
4筋に拠点を築いた佐々木七段は満を持して反撃に乗り出します。手にした金を自陣に打ちつけて後手の角を捕獲したのが盤面を広く見た決め手。直後に放った攻防の自陣角とあわせて大きく形勢をリードしました。居玉のはずの先手ですが思いのほか取っ掛かりがありません。

逆転を目指す松尾八段も懸命の食いつきを見せますが、佐々木七段の指し手は最後まで冷静でした。終局時刻は20時30分、最後は自玉の受けなしを認めた松尾八段が投了。佐々木七段は快勝で第67期以来となる挑戦者決定トーナメント進出を決めました。



2023年度最後の対局を勝利で飾った佐々木七段(写真は第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局のもの 提供:日本将棋連盟)

水留啓(将棋情報局)

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