2手目△3二銀システム 実際に使ってみた|将棋情報局

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2手目△3二銀システム 実際に使ってみた

いま話題の「2手目△3二銀システム」ってなぁに?

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2024年4月12日に『2手目△3二銀システム』(二歩千金)が発売されます!
 

将棋本らしからぬ表紙デザインが話題になっていますが、実際のところどうなの?
ということで、ここでは本書の担当編集者である島田が実戦で使ってみた結果を踏まえて紹介したいと思います。

先に結論から言うと、私はこの2手目△3二銀システムを使うことで自分の将棋クエスト最高レートを更新することができたので、めっちゃ優秀な戦法だと思っています。

では、見ていきましょう(^^)

まず、初手▲7六歩に対して△3二銀!!とするのが本戦法のスタートライン。



次に△3四歩と突くと角が取られてしまうので、すごく悪い手に見えます(;^_^A
ただ、見たことのない手を指すことで相手が2秒くらい消費してくれるのはいいところです。

そして△3二銀に▲2六歩とされたときに△4四歩!と突くのが「△3二銀システム」の骨子。


以下▲4四角なら△4二飛▲5三角成△3四歩と戦います。
本書では「シン・パックマン戦法」と呼ばれていますが、通常の▲7六歩△4四歩のパックマンに比べて△3二銀▲2六歩の2手が後手に有利に働くというのがポイントです。

具体的には将来△7六竜と取ったときに▲5六馬が竜と桂馬の両取りにならない、また、▲2六歩と突いているので△2七飛の打ち込みが生じるといったことです。詳しくは本書を読んでいただければわかりますが、図で▲4四角と取ってくれればしめたもので、後手が十分戦えます。

ただ、私が実戦で投入した感じでは、この△4四歩をパックンしてくれる人はほとんどいない(笑)。まぁ明らかに後手が待ち構えているところですからね。

というわけで▲2五歩と突いてくるんですが、そこで△4三銀!とするのが2手目△3二銀システムの真骨頂。あくまで変態チックな指し方を貫いていきます。



2筋を守ることを放棄した「明日なき暴走」のような手です。先手は当然▲2四歩△同歩▲同飛とします。
そこで△3二金が用意の受け。


ここで先手が「打つんだな!?今・・・!ここで!」とばかりに▲2三歩と打ってくるのは歓迎で、△3一角と引いておいて、あとで△3四銀~△2三銀と、2三の歩を取ってしまう方針で後手が指せます。

ただ、実戦での経験からするとここで▲2三歩としてくる人はほぼおらず、皆さん▲2八飛と引き上げていきます。以下は△2三歩▲4八銀となって、さすがに普通の将棋に戻ると思いきや、そこは2手目△3二銀システム。あくまで△3四歩を突かずに「角道不突き雁木」という謎戦法で戦います。



雁木の弱点はなんといっても早繰り銀からの▲3五歩の仕掛けですが、「角道不突き雁木」は△3四歩と突いていないのでその弱点がないのです!

そして先手の攻めが届かないうちに8筋で戦いを起こすのがポイント。図から△8四歩▲7七角△8五歩としてお互いに不完全な状態で力戦に突入します。ここからは無い実力でなんとかするしかないのですが(笑)、後手はどこかで△6四角~△4五歩もあるので勝ちやすいと思います。歩が3三にいるのが心強く、△4五歩が突きやすいのがいいところです。

また、相手が「こんな将棋指したことないわ」状態であるのに対して、自分の方は何局も2手目△3二銀で戦っているので経験値の差で勝つこともできます。これは奇襲戦法のいいところですね。

まとめるとこんな感じです。
(1)▲7六歩に△3二銀と上がり、▲2六歩に△4四歩と突く
(2)△4四歩をパックンしてくれれば後手指せる
(3)▲2五歩には△4三銀として飛車先放棄
(4)△3二金に▲2三歩ならその歩を取りにいって後手指せる
(5)▲2八飛には角道不突き雁木で早めに攻める
(6)あとは経験値で殴る
(7)それが僕らの「2手目△3二銀システム」

以上です。
この記事を読んだ方は、だまされたと思ってぜひ一度指してみてください。
指していて面白いですし、結構勝てます(^^)

・・・と、ここまで読んでくださった方はこう思ったのではないでしょうか?

初手▲7六歩はいいけど、初手から▲2六歩△3二銀▲2五歩とされたらどうすんねんと。

安心してください。その時の指し方は本に書いてあります(流れるような告知)。
そして、そうなったときも常に変態チックな指し方を続けられるのが「2手目△3二銀システム」のいいところです。
(「無理やり向かい飛車」「都成流」「サイキック腰掛け角」)

いや待てよと。そもそも相手が振り飛車党だったらどうすんねん、そう思った方もいらっしゃるでしょう。

安心してください。履いてますよ。
その時の指し方もばっちり本書に書いてあるので大丈夫です。もちろんどの振り飛車に対しても奇襲作戦で戦います。
(「パックリアン戦法」「飯島流引き角戦法」「高田流左玉」)

本書は2手目△3二銀から始まるいろんな奇襲戦法を紹介した本ともいえるので、ひと通り理解した後は自分の好みで取捨選択したり、組み合わせたりして楽しんでいただければいいと思います。

「こんな指し方があったのか!」と、作戦選択の幅が広がると思いますので、ぜひ本書を読んで、「2手目△3二銀システム」をマスターしてください!

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