2024.02.14
佐々木大七段がリベンジに向け好スタート 豊島九段との相掛かり戦制す 伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦挑戦者決定リーグ
伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦(主催:新聞三社連合、日本将棋連盟)は挑戦者決定リーグが進行中。2月13日(火)には計2局が行われました。このうち、関西将棋会館で行われた紅組の豊島将之九段―佐々木大地七段戦は111手で佐々木七段が勝利。相掛かりの熱戦を制して挑戦に向け好スタートを切りました。
■両者得意の相掛かり
本リーグは6名からなる総当たり戦を制した2名(紅組・白組)が挑戦者決定戦に進出するもの。紅組1回戦に当たる本局、先手番となった佐々木七段は得意の相掛かりに誘導しました。4筋の歩を突いたのは腰掛け銀を目指す意味合いで盤上は持久戦へと進みます。
対する後手の豊島九段が選んだのは6筋に金を立つ現代的な駒組み。ここから下段に飛車を引く展開が実現すればスキのない布陣が完成します。本局はこれを不満と見た佐々木七段が7筋から戦いを起こし、盤上左方の小競り合いから局面が動き出しました。
■悲観に乗じて佐々木七段勝利
小駒飛び交う制空権争いは佐々木七段に軍配が上がって一段落。とはいえ形勢は互角で、豊島九段も手にした豊富な持ち駒で反撃に乗り出します。豊島九段が飛車を打ち込んで王手をかけた直後に勝負所が待っていました。あっさり銀を取って竜を引き上げたのが後手の敗着。
感想戦ではこの手に代えて桂を成り込んでおけば攻めが続いて後手有利との結論に。実戦は豊島九段の悲観に乗じて攻めの手番を得た佐々木七段が怒涛の追い込みを見せます。終局時刻は19時6分、一気呵成の寄せで豊島玉を寄せ切った佐々木七段が開幕勝利を飾りました。
リーグ成績は佐々木七段1勝0敗、豊島九段0勝1敗となっています。
昨年、藤井聡太王位と七番勝負を争った佐々木七段は再度の挑戦を目指す(写真は第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局のもの 提供:日本将棋連盟)
水留啓(将棋情報局)