角換わり新時代のはじまり 同世代対決の開幕戦は引き分けに 第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局|将棋情報局

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角換わり新時代のはじまり 同世代対決の開幕戦は引き分けに 第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局

藤井聡太棋王に伊藤匠七段が挑戦する第49期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(共同通信社と観戦記掲載の21新聞社、日本将棋連盟主催)は第1局が2月4日(日)に富山県魚津市の「新川文化ホール」で行われました。角換わり腰掛け銀の研究勝負となった対局は129手で持将棋が成立。タイトル戦では珍しい引き分け決着となりました。

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■最先端の研究勝負
立会人の森内俊之九段の合図で対局がスタート。持ち時間各4時間と比較的短時間の本棋戦、序盤から超ハイペースで指し手が進みます。振り駒で先手となった藤井棋王が角換わり腰掛け銀に誘導すると後手の伊藤七段は4筋に飛車を回る定跡を採用しました。

対局開始から1時間で盤上は60手が経過。9筋の垂れ歩で先手玉を危険地帯に誘うのは今年1月の前例でも見られた手で、コンピュータ将棋の大会における実戦例も参考に水面下で研究が進められる形です。先手有利とされる定跡に対し伊藤七段の用意が期待されます。

■伊藤七段が引き分けに持ち込む
83手目にして藤井棋王が本局通じて初となる長考に沈みます。やがて選んだ飛車の横移動は後手に手厚い自陣馬を許すもので、局後藤井棋王は「深い認識が必要だった」と振り返ることに。ともに相手玉に対する寄せを得られぬまま、盤上は相入玉へと近づきます。

対局中継に備え付けられたソフトはわずかに藤井棋王有利を示しますが、これは27点法を前提とした評価方法に由来するもの。双方24点以上を確保している本局の展開では有効とは言えません。終局時刻は17時35分、伊藤七段の提案に藤井棋王が応じて持将棋が成立。

規定により当日の指し直しは行われず、この日の対局は終了となりました。伊藤七段の先手番で迎える第2局は2月24日(土)に石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われます。


藤井棋王は局後「こちらの工夫が足りず、伊藤七段の手のひらの上という将棋」と一局を総括(提供:日本将棋連盟)

水留啓(将棋情報局)

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