受けの決め手は自陣角 千田七段が同門対決制し単独2位浮上 第82期順位戦B級1組|将棋情報局

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受けの決め手は自陣角 千田七段が同門対決制し単独2位浮上 第82期順位戦B級1組

第82期順位戦(主催:朝日新聞社・毎日新聞社)B級1組は9回戦全6局の一斉対局が11月30日(木)に各地の対局場で行われました。このうち、関西将棋会館で行われた糸谷哲郎八段-千田翔太七段戦は130手で千田七段が勝利。5勝同士の直接対決を制して昇級争いを一歩前進しました。

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2つの昇級枠を13名で争う今期のB級1組は増田康宏七段が7勝1敗と首位を独走。6勝者はおらず、羽生善治九段ら数名の5勝者が上位集団を形成しています。5勝同士の直接対決となった本局は両者の息が合って角換わりから糸谷八段の早繰り銀に進展しました。先手の利を生かすこの積極策から銀交換を果たし、まずは糸谷八段が攻勢を取ります。

■丁寧な受けで千田七段勝利
対して後手の千田七段も、7筋の歩の突き捨てから反撃を開始します。続いて中央に跳ね出した単騎の桂と8筋に作った馬の連携で先手の玉頭から直接攻略を目指したのが実戦的な嫌味のつけ方でした。千田七段は続く糸谷八段からの王手飛車取りにも動じず、自陣角と馬を活かした丁寧な受けで糸谷八段の攻めは頓挫します。

糸谷八段はたまらず受けに回りますが、そこからの千田七段の指し手は正確でした。まずは先手玉を丸裸にした後に大駒を大きく使った攻防手を連発、気がつけば糸谷八段の攻め駒は一掃されてしまいました。終局時刻は21時23分、自玉の受けなしを認めた糸谷八段が投了。慎重な受けで丁寧に逆転の目を摘んだ千田七段の快勝譜となりました。

これで勝った千田七段は6勝3敗で単独2位の座を確保。敗れた糸谷八段は5勝3敗で3位につけています。千田七段―羽生九段戦、糸谷八段―屋敷伸之九段戦を含む次局10回戦は12月21日(木)に各地の対局場で予定されています。


第80期には9勝3敗の好成績を残している千田七段、5年目の挑戦で悲願のA級昇級なるか

水留啓(将棋情報局) 

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