2023.11.20
小駒で叶えた入玉阻止 藤井JT杯覇者が糸谷八段を破り2連覇 第44回将棋日本シリーズ JTプロ公式戦
第44回将棋日本シリーズJTプロ公式戦は、決勝戦の藤井聡太JT杯覇者―糸谷哲郎八段戦が11月19日(日)に東京都江東区「東京ビッグサイト東展示棟2・3ホール」で行われました。対局の結果、角換わりの熱戦を149手で制した藤井JT杯覇者が2年連続2回目となる優勝を飾りました。
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■糸谷流の序盤戦
3,000人近い来場者が見守るなかスポットライトに照らされた両対局者が登場。注目の決勝戦は振り駒で先手番を得た藤井JT杯覇者が角換わりに誘導して幕を開けました。対する糸谷八段の作戦は右玉。3三金型に組むのは準決勝の渡辺明九段戦でも見られた手法です。
駒組みが頂点に達したところで藤井JT杯覇者は4筋の歩を突き局面を打開。小競り合いののち右桂を跳ね出したのは好調の攻めに見えましたが、対して糸谷八段は相手の銀を呼び込んだ後に飛車をさばくアクロバティックな手順で反撃。この手順を藤井JT杯覇者は軽視しており、まずは糸谷八段がペースをつかみました。
■華麗な決め手で藤井JT杯覇者が連覇
一足先に敵陣に竜を作った糸谷八段ですが決め手を見つけるには至らず局面は一段落。駒割はほぼ互角で、糸谷八段は玉の広さを、藤井JT杯覇者は玉の堅さを主張して長い終盤戦が始まりました。受けの時間が続く藤井JT杯覇者も自陣を整備して反撃の時を待ちます。
ようやく手番を得た藤井JT杯覇者は質駒の桂を金で食いちぎって猛攻開始。小駒だけの細い攻めですが、直後に放った竜頭への銀捨てが華麗な決め手でした。取ると王手竜取りがかかるため後手としてはこの拠点を残すよりありません。
その後も入玉をめぐる激しいやり取りは続きますが、優位に立った藤井JT杯の指し手は冷静でした。終局時刻は18時37分(対局開始17時9分)、最後は入玉の可能性が潰えたのを認めた糸谷八段が投了。藤井JT杯覇者の2連覇が決まった瞬間でした。
藤井JT杯覇者は局後「来期も本局のような熱戦を演じられるよう頑張りたい」と喜びを語った(写真は第36期竜王戦七番勝負第4局のもの 提供:日本将棋連盟)
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3,000人近い来場者が見守るなかスポットライトに照らされた両対局者が登場。注目の決勝戦は振り駒で先手番を得た藤井JT杯覇者が角換わりに誘導して幕を開けました。対する糸谷八段の作戦は右玉。3三金型に組むのは準決勝の渡辺明九段戦でも見られた手法です。
駒組みが頂点に達したところで藤井JT杯覇者は4筋の歩を突き局面を打開。小競り合いののち右桂を跳ね出したのは好調の攻めに見えましたが、対して糸谷八段は相手の銀を呼び込んだ後に飛車をさばくアクロバティックな手順で反撃。この手順を藤井JT杯覇者は軽視しており、まずは糸谷八段がペースをつかみました。
■華麗な決め手で藤井JT杯覇者が連覇
一足先に敵陣に竜を作った糸谷八段ですが決め手を見つけるには至らず局面は一段落。駒割はほぼ互角で、糸谷八段は玉の広さを、藤井JT杯覇者は玉の堅さを主張して長い終盤戦が始まりました。受けの時間が続く藤井JT杯覇者も自陣を整備して反撃の時を待ちます。
ようやく手番を得た藤井JT杯覇者は質駒の桂を金で食いちぎって猛攻開始。小駒だけの細い攻めですが、直後に放った竜頭への銀捨てが華麗な決め手でした。取ると王手竜取りがかかるため後手としてはこの拠点を残すよりありません。
その後も入玉をめぐる激しいやり取りは続きますが、優位に立った藤井JT杯の指し手は冷静でした。終局時刻は18時37分(対局開始17時9分)、最後は入玉の可能性が潰えたのを認めた糸谷八段が投了。藤井JT杯覇者の2連覇が決まった瞬間でした。
藤井JT杯覇者は局後「来期も本局のような熱戦を演じられるよう頑張りたい」と喜びを語った(写真は第36期竜王戦七番勝負第4局のもの 提供:日本将棋連盟)
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