『四間飛車至上主義』棋書アンバサダーによるレビュー たろいも様|将棋情報局

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『四間飛車至上主義』棋書アンバサダーによるレビュー たろいも様

『四間飛車至上主義』棋書アンバサダーによるレビュー、第1弾です!

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記念すべきレビュー第1弾は、たろいも様です。

ゲラを渡してほとんど日がたっていないのに、すごい勢いで書いてくださいました。ありがとうございます!

それでは、どうぞ。

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『四間飛車至上主義 実戦で学ぶ考え方』棋書アンバサダーのたろいもと申します。

私は大人になってから本格的に将棋を始め、現在将棋ウォーズで二段ほどの棋力です。
棋書を集めるのが好きで、自宅には数百冊の棋書があります。とはいえ、すべてを読んでいるわけではなく、インテリアになってしまっている側面はありますが(笑)。
戦型は色々指します。居飛車が多いですが、四間飛車の定跡に美しさを感じていて、四間飛車もよく採用しています。将棋のオンラインレッスンを受けているのですが、そこでも四間飛車をメインに勉強しています。
四間飛車の棋書もたくさん読んできました。定跡形にはそこそこ強いのですが、定跡形を外れると急にわからなくなって負けてしまうことが多々あります。

今回、『四間飛車至上主義 実戦で学ぶ考え方』の棋書アンバサダーの募集があり、四間飛車の棋書を販売前に読めることに魅力を感じて、思い切って応募してみました。このレビューを読む皆さんにこの棋書の素晴らしさ、面白さを伝えられればいいなと思います。

まず、本書の著者である井出隼平五段は、私が説明するまでもないですが、振り飛車党として超有名な棋士で、これまでにも四間飛車の定跡書を出されています。『四間飛車序盤の指し方完全ガイド』や『現代後手四間飛車のすべて』という書籍(どちらもマイナビ出版)があり、四間飛車の定跡を学びたい人には是非オススメします。また、本書とは関係ないですが、YouTube配信もされていて、なかなかお話が面白いです。是非ご視聴してみてください。最近、麻雀プロにもなり、今後の多方面での活躍が楽しみです。

本書は、サブタイトルに「実戦で学ぶ考え方」とある通り、井出先生の実戦集となっております。ただし、ただの棋譜集ではありません。本書では30局の井出先生の棋譜が掲載されていますが、その全ての将棋について、井出先生自らの軽妙な語り口で、四間飛車を指しこなす上での考え方が詳細に、そしてわかりやすく解説されています。

定跡についても一部解説はありますが、定跡書ではありませんので、定跡を学びたい方は、前述した井出先生の別の書籍をあたるといいと思います。ただし、定跡をマスターしていないと本書を読みこなせないかと言うと、そんなことは無いのでご安心ください。本書だけ読むということも十分可能です。よく定跡書を読むと、「定跡まで進めた後、どう指し継いでいったらいいかわからない」といった状態になりませんか?本書には、定跡書にはなかなか書いていない中盤から終盤の指し方のコツがふんだんに散りばめられています。本書を読んでいると、序盤、中盤、終盤がつながってくる感覚がありました。

本書は、「居飛車穴熊に勝つ方法」「居飛車穴熊以外の持久戦に勝つ方法」「急戦に勝つ方法」「その他の戦型、力戦で勝つ方法」の4章立てになっています。



持久戦、急戦、どちらについても詳細な解説があります。私は、特に持久戦について、飛車側で小競り合いをしたあと、どう玉側で戦っていいか、あまり方針が定まっていなかったのですが、本書を読んで、さまざまな事例に触れることでコツがつかめてきたように思います。前述しましたが、定跡書に書いていない痒いところに手が届くのが本書かと思います。

また、これも持久戦ですが、私は対ミレニアム(トーチカ)が苦手でしたが、本書に数局棋譜と解説が載ってますので、四間飛車側の指し方がよく理解できました。



急戦に関しては、大きく分けて、対▲5七銀左急戦と対▲5七銀右急戦に分かれていますが、▲5七銀右急戦の中で対エルモ急戦についても棋譜が載っていますので、アマチュア将棋でエルモ急戦をよくされる方は参考になるのではないかと思います。その他の戦型については、対地下鉄飛車の対策が載っており、とても参考になりました。

ちなみに本書には相振り飛車の棋譜はありません。すべて対抗形の将棋となっています。

本書は実戦集となっていますので、棋譜を並べながら、解説を読むというのが、スタンダードな読み方だと思います。ただし、解説中に図面がたくさん載っていますので、有段くらいの力があれば、解説だけを読み進めるということも可能だと思います。たまに長い手順進むことがあるので、そこはちょっと大変かもしれませんが。気軽にパッパッと読み進めたい人は、そういう読み方もあると思いますので、お伝えしておきます。

私は、本書を夢中で読み進めました。普通、棋書を読むと、途中で疲れを感じるものですが、そういう風にはなりませんでした。それくらい面白い内容でした。四間飛車を指す方は、是非購入して読んでみていただければと思います。

最後までレビューをお読みいただきありがとうございました。また、このような機会をいただき、マイナビ出版様、ありがとうございました。 お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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