お得で気軽に参加できる将棋大会『第６回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催！ エントリー受付中 ■三間飛車の相穴熊戦

開幕戦を三間飛車で落としていた菅井八段は、先手番で迎える本局でも角道を止めた三間飛車で戦う意思を示します。自玉を振り飛車穴熊の堅陣に収めたのが第１局との違いで、堅さを生かして戦う方針が見て取れます。これを受けた後手の藤井叡王も居飛車穴熊に囲って、戦型は三間飛車対居飛車の相穴熊戦に落ち着きました。

コンパクトな穴熊を完成させた菅井八段は、今度は飛車先の歩を突いて石田流と呼ばれる攻撃形を目指します。振り飛車の理想の攻撃陣が完成しては不満と見た藤井叡王は右銀を繰り出してこれをけん制しますが、居飛車穴熊が未完成である点は懸念点。この直後、藤井叡王は８筋の歩を突き捨てて本格的な戦いを開始しました。

■「ロケットの香」炸裂させ菅井八段勝利

盤面左方での小競り合いが続きます。突き捨ての歩を取って一歩得を果たした菅井八段は、丁寧な受けで居飛車の右銀を追い返すことに成功。継続の攻めを繰り出すべく苦心する藤井叡王を尻目に、じっと６筋の歩を突いて手を渡したのが味わい深い一手でした。後手からの攻めを見切り、手に乗って飛車のさばきの見通しをつけた菅井八段が優位に立ちました。

非勢の藤井叡王は苦労の時間が続きます。１時間の持ち時間を残す菅井八段に対し、藤井叡王は終盤の入り口にして早くも一分将棋に。２枚の大駒を先手陣に成り込んだのは小さからぬ成果ですが、この代償として菅井八段に打たれた４筋の香が痛打となりました。居飛車穴熊の金が離れ駒である点を、飛車と連動したこの「ロケットの香」が咎めた格好です。

終局時刻は17時56分、中盤に一歩得を果たしてからは盤石の指し回しを見せた菅井八段が逆転の余地を与えず快勝。これでスコアを１勝１敗のタイに戻しました。感想戦では仕掛けを中心に検討が行われ、居飛車からの攻めがやや無理気味だったとされました。注目の第３局は５月６日（土）に愛知県名古屋市の「か茂免」で行われます。



菅井八段（右）は藤井叡王との対戦成績を４勝６敗とした（千日手除く）（提供：日本将棋連盟）

水留　啓（将棋情報局） お得で気軽に参加できる将棋大会『第６回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催！ エントリー受付中

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